第1回:日用品・家具と雑貨 時々、人|北欧家具と暮らす

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
未来住まい方会議読者の皆様。はじめまして。
この度、インテリアに関するコラムを書かせていただくことになりました。山本景介と申します。どうぞ宜しくお願いいたします。

まずは自己紹介させていただきます。私は現在都内のインテリアショップに12年勤務しておりまして、1950年〜70年代のヴィンテージ家具や雑貨を買付けにデンマーク、スウェーデン、イギリスに渡欧したり、国内家具メーカーの仕入れ業務を担当しておりました。

現在は自社オリジナル商品を全国に広めるため全国のインテリアショップを奔走しております。
このコラムでは自分が実際使用している「家具」「雑貨」これから買おう・行こうとしている「おすすめ商品」や「おすすめSHOP」をご紹介していこうと思います。

皆様の暮らしが少しでも「豊か」になるようお役に立てれば嬉しく思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。

「北欧家具との出会い」

フリマ
インテリアが好きで休日もインテリアショップ巡りをすることもある私ですが自宅は北欧ヴィンテージ家具を中心に、フリーマーケットで購入した雑貨やインダストリアル商品、「古いもの」と「新しいもの」をミックスさせたスタイルを楽しんでいます。
初めて家具を買ったのは24歳の時で、デンマークの巨匠ハンス・J・ウェグナーの1人掛けの椅子でした。

DSC_0646
1950年デザイン GETAMA社から発表された「GE270」 「ブッケ・ストーレン(湾曲した椅子)」の呼び名のある一連の作品の1つ。

1SEAT(GE270) (チーク材)
SIDE TABLE (チーク材)
エリックホグラン キャンドルスタンド
ヴィンテージカップ&ソーサ
ポスタルコブックカバー
ブランケット 以上

購入店
KARF (カーフ)  http://www.karf.co.jp
(姉妹店)BLACKBOARD (ブラックボード)  http://www.blackboard-k.com

ウェグナーを知らない方でも1950年にカールハンセン&サン社から発表された彼の大ベストセラー「CH24 Yチェア」(別名ウィッシュボーンチェア)を見たことはあると思います。(CH24 Yチェアの「CH」はカールハンセンの略。)

Y-CHAIR

ウェグナー_小
92年の生涯で500脚以上の椅子をデザインしたといわれているウェグナー

今から12年前、価格は15万ぐらいだったと記憶していますが、インテリアショップに入り駆け出しの私に貯金はなく、ローンを組んで購入しました。

私がウェグナーことを知ったのは高校生の時、インテリア雑誌で彼の作品を見たのが初めてでしたが、それから6年後ローンを組んでまで購入するとは想像もしていませんでした(笑)

この商品がヴィンテージ商品で生産数が多くなく今後希少性が高くなると聞いたことも即決した理由でした。
繊細なアームラインもお気に入りなのですが、1番好きな箇所はアームと背をつなぐ真鍮金具です。

DSC_0664

「デンマークでの買付け」

デンマークは九州と同じくらいの国土面積で人口は日本の3分の1。
そんな北欧デンマークに世界各国のインテリアショップのバイヤーが集結し1950〜1970年を中心に製造されたヴィンテージ家具を買付けしています。

IMG_1632
デンマーク ルイジアナ美術館

北欧家具ブームが始まったのは今から15年ぐらい前からだと思いますが、ここ数年デザイン性の高い商品の買付け価格が上がり、10年前に比べ現地での仕入れ価格は2.5倍になりました。

ポテトチップス
そして今は円安。例えば、写真のビールと小さなポテトチップス。これで30DKK(クローネ)します。
日本での金額はビール250円、ポテトチップス50円で、合計300円といったところです。
30DKK, 数字が小さいので油断しますが、現在1DKKが約20円くらいですので、30DKK=600円になります。
感覚的に2倍高いと感じてしまうのが今の現地での買い付けの状況です。

加えて希少性の高いアイテムの数が少なくなってきていますので、ヴィンテージ家具を購入する際にいつも思うことは「出会い」と言う事です。躊躇していると他の人の手に渡ってしまいます。

私も何度か悩んでいる間に商品が売れてしまい悔しい経験をしたことがありました。それ以来、絶対ほしいヴィンテージ商品はすぐに購入することにしています。悩んで1日です。(笑)

マーケット
イタリアでは父から子へ自身が身につけていた時計をプレゼントする習慣があるそうです。

初めて購入した1人掛け椅子(GE270)は苦労して支払いした分、今では1番の愛着ある商品です。

1950年〜60年代に製造されデンマークの家庭で使われていた椅子が日本に渡り「出会い」があり、私の家にやってきました。そして父から息子へ。「モノを大切にする想い」を息子が感じ受け継いでくれれば、これほど嬉しいことはありません。