中にいながら、大地と一体になれるキャビン「Cabin at Norderhov」
オスロの北西部にある森の中に、Atelier Osloが新しくデザインした、十字の形をしたキャビンがあります。中心のコア部分から、4つの少し斜めになったアームが飛び出たような形をしている、変わった形の建物です。このキャビンは、周囲を囲んだ森から隠れるためのシェルターであり、同時に、森や大地と住まう人とをつなぐコネクターでもあるのです。
このキャビンは、週末とあるカップルがクロスカントリーやハイキングを楽しむ際の拠点になる週末住宅です。自然が大好きな人のための建物なので、躯体は、彼らと自然とのつながりをコンセプトとしてデザインされました。連続したカーブを形どった木の壁は、まるで周囲の森を反映しているようです。
キャビンの内部は、白木色の4mm厚の合板で覆われています。土地と同じ高さから、徐々に段差をつくり、居住空間の高さへと変化するこの合板の床が、なだらかに人と森とを繋いでいます。このレベルの変化がまさに、外に広がる大地のようです。
4つのアーム部分の結節点、コアの部分には暖炉があります。さすが北欧、といういうべきか、暖かい場所が家の中心。しかも、家中どこからでもこの暖炉を見ることができるそう。また、このキャビンで使える電力は、設置されている2つのソーラーパネルから供給される電力のみ。そしてそれは、読書用ランプにのみ供給されているそうです。真っ暗な夜に、読書用ランプと暖炉のほのかな灯だけが浮かぶ空間なんて、想像しただけでわくわくしませんか?
森の中のシェルターでありながら、なんとなく外にいる気分にもなれるようなこのキャビン。窓から差し込む陽の光を眺めて、ゆっくりとした時間の流れを感じながら、ここでのんびりした週末を過ごしてみたいものです。