ここまで荒廃した建物をそのままに!?移動可能なアートスタジオ「Dovecote Studio 」

1290038398-5000597103-5b8dd2599c-o-1000x653_convert_20150115100049
今回紹介する建物は国際的に有名なSnape Maltingsのコンサートホールの近くにある。コンサートの観客や訪問するミュージシャンは昔から知られた建物。老朽化した建物が、新築同様の建物に早変わり。もともとの建物も、新築の頃は立派な建物だったに違いない。この荒れ果てた外観をそのままに、現代風の建築物へリノベーションされたDovecote Studio。デザインしたのはロンドンに拠点を置くHaworth Tompkinsというデザイン会社。新しい感性で、老朽化した建物を再構築したのである。

1290038396-5000596689-55f79614c1-o-1000x665_convert_20150115100209
まずはその外観を見てみよう。だまされてはいけない。この建物はひとつではなく、2つでひとつという珍しい構造をしている。古い建物の内部にスッポリ入ることが可能で、一見しただけではバラバラの建物同士とは思わない。赤レンガという昔の産業技術の良さを損なうことなく、新しく優雅な姿で表現されている。

1290038398-5000597011-b7939ba406-o-1000x660_convert_20150115100233
外壁は耐候性鋼板を使用。その外壁の赤サビと、赤レンガが一体感を演出してくれている。遠くから見れば、荒廃した建物の元の姿が幽霊のようにそびえ立つように、近くから見れば、現代風のオシャレなデザインが垣間見える、新しい建物として生まれ変わっているのが分かる。
同じ建物であるのに、周りにある湿地の風景と絶妙のバランスを保ち、見る位置によって存在感が変わるのが不思議である。

1290038406-5001197810-543dd752a3-o-665x1000_convert_20150115100411
次に内部は昔の建物の入り口をそのまま使用しており、新旧が取り込まれている玄関口に訪問者は驚かされる。内部の構造はそこまで広くはなく、とてもシンプルに仕上がっている。
1階にはエントランス、キッチン、スタジオを備える。階段を上がれば中2階があり、そこから1階とは違う外の景色を見てリフレッシュすることができる。天井を見上げてみると、そこには大きな天窓があり、日の光が十分に入ってくる作りになっている。
アートスタジオとして使用されているこの建物は、リハーサルやパフォーマンス空間には十分な機能を果たしてくれる。そしてこの建物、面白いのは、移動可能住居ということである。移動が多い芸術家やミュージシャンにとっては、アトリエや住居になるなど、創作活動の後押しをしてくれる。

1290038396-5000596469-8fdb44892f-o-665x1000_convert_20150115100130
すでに壊れている建物を、文字通りそのままの姿で復活させる。新しい視点でのリノベーションが、多くの人々に感動をもたらしている。Snape Maltingsのコンサートホールに演奏のために来るミュージシャンの人たちを、この建物は毎回驚かしてくれることだろう。その驚きが人々にイノベーションを与え、また新しいものが生まれるのである。

1290038402-5001196880-ca90e7bdb0-o-1000x688_convert_20150115100343
Via:archdaily.com