休暇のために作られた、高い天井の小ぶりな別荘「Woody35」

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ワークライフバランスが徹底しており、一般的に休暇が取りやすい北欧諸国では、別荘を持つ人が多い。前の世代により建てられた小さく質素な造りの別荘とは対照的に近年に建築された別荘はその多くが広く豊かな造りとなっている。

「より大きいものが良い」が主流だが、本当にそうだろうか?オスロを拠点に活躍する建築家マリアンヌ・ボルゲ。2004年にあるクライアントから第二の家ではなく小ぶりなキャビンが欲しいと問い合わせがあった際、彼女は小さな別荘に新しい可能性を感じた。

「土地の大きさと予算に限度があったから逆に私の想像力が刺激されたわ。私のクライアントはまるで大きな別荘を建てる際に求めるような要求を持っていたの。たとえば、リビングルームにオープンな暖炉を作るとか、キッチンや、独立したベッドルームやシャワーやトイレなどね。」とボルゲは回想する。たったの35㎡内にこれらすべての要望を収めるという挑戦。

通常の二倍の高さに作られた天井と大きな窓のおかげで、部屋には広がりが生まれ、35㎡という狭苦しさは感じさせない。また、暖炉の入ったロフトはコンクリートの打ちっぱなしでウッディ―なぬくもりのある部屋にクールでモダンな雰囲気を加えている。

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この家の建築をきっかけに建築家のボルゲのスモールハウスの建築への情熱に火がついた。彼女は現在の「より大きなものが良い」という風潮に風穴を開けるべく活動している。ボルゲはオプションで彼女の建築図面をクライアントに販売し、クライアント自身の手で家を建てるというサービスを提供していたが後にノルウェイ産の材料で建築したプレハブのキャビンの販売を開始した。

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「Woody35」と名付けられたのは、この家の大きさと木造という構造によるものだ。メインのキャビンには6人までの人が寝ることができる。また、リビングルーム、キッチンやバスルームも装備。これらすべてがベニヤ板のインテリアの中に綺麗に収まり、細部も美しくデザインされている。
リビングルームの一壁面に設けられた暖炉が組み込まれているのはコンクリート打ちっぱなしのロフトだ。ここの壁面にはメタルのハシゴが備え付けられて、ロフトの上に上る階段として使われるが、同時に部屋のアクセントにもなっている。

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また、もう少しスペースが欲しいというクライアントのためには15㎡の、ひと回り小さいWoodyも用意されている。
このWoodyファミリーはノルウェイで徐々にその数を増やしている。ノルウェイの西海岸にある大自然の中にWoodyのキャビン村が作られる計画もあるようだ。
Woodyはより多くの人に別荘を建てる機会を与えるきっかけとなるだろう。

Via:
dwell.com
thedesignhome.com
ideasgn.com
treehugger.com
swedenstyle.com
blog.livedoor.jp