1959年製のキャンパーをリノベーション、歴史に身を委ね自由に暮らす「The Airstream Life」
未来住まい方会議でも度々登場しているAirstream。本来の用途であるキャンピングカーとしてはもちろんのこと、改装して家や店舗として利用している人が増えています。その魅力は、究極のモバイル性と、シンプルな筐体にあります。
■ Airstream Living from WEREHAUS on Vimeo.
アメリカのバークレーに住む建築家、Andreas Stavropoulosも、Airstreamに魅せられた人々の一人です。彼は、1台の1959年製Airstreamを自分の手でリノベーションし、生活の拠点としています。「アメリカの、古くアイコニックなシンボルであるAirstreamを、現代や自分の年齢に合わせてリノベーションすることは、歴史の流れに大きく参加しているようでわくわくする。」と、彼は語ります。
Airstreamの床面積はたったの14㎡。しかし、決して狭く感じさせないのは、パネルですっきりと覆われた収納と、明るい色のペイント、そして外からの光を十分に取り込むことのできる開口部のおかげでしょう。内部を見てみると、空間の一部が木製のパネルで覆われていることがわかります。この奥にはたくさんの衣服が収納された引き出しがあるようですが、一見そんな風には感じられず、すっきりした空間になっています。
また、明るい色の天井は実際よりも天井を高く見せていて、窓から入る間接光がより一層空間を大きく見せます。夏などの過ごしやすい時期は、ドアを開けっ放しにしてたくさんの光を入れながら生活しているようです。外との近い関係性も、この住居の魅力かもしれません。
室内の内部だけではなく、エクステリアにも工夫があります。筐体のアルミはすべて磨き直され、ライトは新しいものに取り替えられています。ナンバープレートはもともとついていたものが使われていますが、手直しされ、より味がでています。彼は、内部も外部も全て魅力的にしようと、このプロジェクトに取り組みました。
彼はこのAirstreamに住み始めてから、より仕事へのインスピレーションが湧きやすくなったそうです。室内環境だけではなく、外部や環境との関連性、究極のモバイル性とシンプルな筐体といった住環境が、彼のクリエイティビティに大きく影響を与えているようです。何事にもとらわれず自由に暮らすというライフスタイルが、発想を伸びやかにしているのかもしれません。