孫へのプレゼントはツリーハウス、モダンでクールな「Urban Treehouse by Baumraum」
以前ご紹介した、Baumraumがデザインしたツリーハウスを覚えていますか?今回ご紹介するのは、彼らの新作のツリーハウスです。
今回のツリーハウスももちろん、前作と同様にテーマは「自然と建築との対話」。建てられた場所はドイツの郊外の住宅地で、実はこれ、ある家族のためのプロジェクトだそう。一緒に建てられた2棟のうち、1棟は施主から孫へのプレゼントだそうです。ツリーハウスのプレゼントだなんて、粋なお祖父さんですね。
このプロジェクトは、Baumraumにとって、非常に大事なプロジェクトでした。なぜなら彼らにとって、今までとは違う立地条件で設計するプロジェクトだったから。普段、ツリーハウスといえば、郊外の山奥や、リゾート地等にばかり計画をしていたBaumraum。しかし今回は、郊外といえども住宅地。山の中でもなければ、森の中でもありません。いたって普通の住宅地の中で計画されたプロジェクトだったのです。
ベルリンの中のこの地域は、古くからある住宅地で、土地が広く、住宅1戸1戸に、必ず広い庭があるという特徴を持っています。ベルリンの他の地域と違って、平屋建ての住戸も多いので、とてもゆったりした街づくりになっています。その「ゆったりした空間使い」を主軸に、計画は進められていきます。
それぞれのツリーハウスは、約21㎡の床面積です。この中に、生活に必要な最低限のものが詰め込まれています。その、生活のスペースが詰まった箱が、約4mの高さの箱状のベースに支えられています。シルエットを見ると、まるで周りの木の形を反映しているようです。このように、周りの景色に馴染むような形も、Baumraumの理念である、自然と建築との対話から生まれてきているのでしょう。
インテリアは最小限で、非常にナチュラルです。決して広くはないのに、全く狭く感じさせないのは色味や素材の統一感がなせる技なのでしょうか。施主の孫は、ここで奥さんと2人暮らし。階段を降りるとすぐテラスになっているので、そこでゆったりくつろいだり、食事をとったりもするそうです。
「自然と建築との対話」を理念にツリーハウスを作り続けるBaumraum。彼らの理念はずっと変わらず、決して木を傷つけず、生長を妨げず、周りと共生するツリーハウスを作り続けます。そういう理念でつくる家だからこそ、木の生長とともに変わっていく住環境をも楽しめそうです。まだまだツリーハウスを作り続けるBaumraum。次回の作品も楽しみですね。
Via:archdaily.com