狭い?でも広い!小さくても住まいの可能性は無限大「Little Green House」
ポートランドの北、農業が盛んな島に、1軒の白い家があります。床面積50㎡と決して大きくはない家ですが、ここに住んでいるのは、デザイナー夫婦とかわいい2人の兄妹の4人家族。4人で住んでも全く狭く感じさせない工夫が、家の中にたくさん詰まっています。
中古で購入したこの家は、増築することもできたそうですが、あえて面積はこのまま、内装に少し手を加えるだけで住むことを決めたそうです。その理由は、「十分な広さだと思ったから」だそう。日本で4人家族の家といえば、少なくとも60㎡は必要だという人が多いと思いますが、彼らは使い方を工夫することで、50㎡を大きく使っています。
例えば、子供部屋にはこんなつくりつけの2段ベッドがあります。ベッドを置くのではなく、つくりつけにすることで、収納のスペースも確保し、空間を有効に活用しています。彼らはこのスペースが大好きだそうで、家にいるときはよく、ここでこうして読書をするそうです。作りつけであることで、なんとなく”こもる”感じがして安心するのかもしれません。
このリビングスペースにも、工夫がたくさん。壁1面の本棚には、なんでも収納できてしまいます。夕食後の家族団らんのためのソファも、一見なんのへんてつもないソファですが、実はこれ、来客時にはダブルベッド1つと、シングルベッド1つに早変わり。この家には、毎週末友人が訪れ、楽しいひと時をすごしているそうです。本棚の上のロフトスペースは、夫婦のための寝室になっています。寝る場所は天井が低くてもいい、と割り切ることで、このように空間を有効に活用することができるのですね。
また、この家を広く見せているのは、白を基調にしたインテリアの色使いと、たくさんの窓にもあります。太陽の光と風が通り抜けるこの明るい家は、中にいてもすごく開放的に感じられるようです。外をうまくとりこむのが、小さい家でも快適に暮らす秘訣なのかもしれません。
面積が小さくても、家の使い方や暮らし方で、無限の可能性を秘めている家。家の広さだけに目を向けず、自然環境や使い方、設備など、自分の暮らしに何が必要なのか見極める力が、豊かな暮らしをつくるうえで、必要なことなのかもしれません。