木のうろに住むってこんな感じ?バンヤンツリーに建てられたツリーハウスホテル「Lupe Sina Treesort」
なんともダイナミックな、木の上に建てられたツリーハウス。こちらはLupe Sina Treesortサモア・ウポル島にあるツリーハウス・ホテルである。
ツリーハウスが建てられている木はガジュマルの仲間のバンヤンツリーである。
バンヤンツリーの実は鳥などに食べられ、未消化のまま土台となる木の幹や岩などの上で発芽し、成長する。幹は多数に分かれ、枝から気根をだし、自分の幹や土台の木、岩に絡みつき成長していく。この木の成長につれて土台となった木は死んでしまうために中に空洞ができるものがある。
この空洞を利用したのがLupe Sinaのツリーハウスだ。階段を上り、木の根の中に入るときには木のうろなどに住む小動物になったような気分にもなる。
中に入ると曲がりくねったところを利用してベンチとして座れるようになっている。また壁の一部はバンヤンツリーの木そのものなので、自然の雄大さ、ダイナミックさを感じさせてくれる。
ツリーハウスには小さいテラスも付いていて外を眺めながら食事をしたり、読書をしたりゆっくりと思い思いの時を過ごすことができる。ベッドが置かれた頭上にはスカイライトが設置されているので月明かりが差し込み。簡単なキッチンも付いているので料理も可能だ。また敷地内にはツリーハウス・レストランやカフェもあるので快適に過ごせるようになっている。
木の上からは熱帯樹林とビーチを見渡すことができ、視界を遮るものはない。空の色の移り変わり、海の波の様子、風にそよぐ木々のざわめきを思う存分に楽しむことができるのだ。
日本の沖縄県ではガジュマルの大木には木の妖精のようなものが住む、といういいつたえがあるが、サモアのバンヤンツリーには何が住まうのだろうか?
(文=加藤聖子)