幅はたった2.4m、レトロなビルの隙間が光が注ぐレストランに「el papagayo restaurant」

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Via:archdaily.com

最初から整備された空間でなくとも、普段は活用されていない空間でも、魅力的な空間を作ることができます。今回取り上げるレストランは、何気なく歩いていたら通り過ぎてしまうような”ビルの隙間”を活用した「el papagayo restaurant」です。

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「アジアの人たちはすごい。どんなにちっぽけな空間でも、優れた発想と活力で驚くべき場所に変身させてしまうんだ。」設計者のエルネスト氏はサイトの中でそう語っています。
「ビルの隙間を活用する。このアイデアを伝えた時、父は笑ったよ。『気が狂ったんじゃないか!?』ってね。でもそうして生まれ変わった空間を見た時の、父の感動した顔は忘れられないよ。」

香港で暮らしていた彼は、日本や他のアジアの国々で見聞きした生活風景に感動し、ビルの隙間空間をスタジオに改造しました。通常は思い浮かばないアイデアが、人々の関心を集め、徐々にスタジオは活用されるようになりました。しかし年月が経ち、建物の老朽化に伴いスタジオの収入も減ってしまいました。これを危惧した彼は、シンガポールで暮らすシェフの友人に助言を求めます。その話で生まれたアイデアから、古びたスタジオは飲食店「el papagaro restaurant」へと生まれ変わりました。

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店の奥行きは32m。幅はたった2.4mです。しかし天井はおよそ7mもの高さがあり、ふるびた煉瓦に沿って上を見上げれば、天井から谷間へ存分に光が差し込んでいることが確認できます。
「自然光が降り注ぐ空間にしたかったんだ。だからコンクリートの天井は取り払って、ガラスをはめ込んだんだよ。お店のインテリアが天井まで続くようにね。あとクリアしなければならなかったのは、トイレ、キッチン、事務室など、飲食店作りに必要な諸室だったんだ。」

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元々は路地であるこの空間。通常のスタジオならまだしも、飲食店には配線や配管、空調換気設備が必要です。彼はなんとか必要な設備を備えるため、両側の壁の一方をコンクリートむき出しの壁として新たに作り替え、その壁に必要設備を付けることにしました。この発想によって店内は煉瓦とコンクリートの壁に挟まれる形となり、近代的なイメージとアンティークな風合いとが双方を際立たせる空間になっています。

設置が可能となったトイレなどの部屋は、仕上げに木板が使われており、まるで小屋のよう。店内の中、屋外にいるような屋内にいるような不思議な雰囲気を醸し出しています。
普段は使われていない街の隙間から生まれたスペース。こんなレストランがあったら、毎日でも通ってしまいそうです。私たちの周りにも、こんなふうに、まだ活用されていない空間が転がっているかもしれません。

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(文=ワキモトナツミ)

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elpapagayo.com.ar