知ったつもりにならないでリアルに小屋をつくってみよう(前編)|岡山県・西粟倉村で木材を調達しよう
インターネットがあればいつでも気軽に情報が手に入って、なんでも知ったつもりになれる今。でも、やっぱり自分の体を使って体験したほうがいいことってたくさんあります。ならばYADOKARIも、知ったつもりにならないでリアルに小さな小屋を作る体験をしてみよう! まずは木材を調達するところから始めなくっちゃ。YADOKARIのさわだ一家は、岡山県の西粟倉村(にしあわくらそん)へ旅立ちました。
西粟倉村は岡山県の最北東端にある、人口わずか1,434人(2015年5月1日時点の推計人口)の小さな村です。面積のうちなんと95%が山林で、そのうち約84%が人の手で育てられた人工の森。大切に守り継がれた杉やヒノキを活かして、村に新しい仕事を生み出している「西粟倉・森の学校」におじゃまします。
岡山県西粟倉村・森の学校に到着
東京から新幹線とレンタカーで約5時間。森の学校が見えてきました。車から降りると、もう森の中にいるみたいな澄んだ空気。思わず深呼吸したくなります。今日1日お世話になる、森の学校社長の井上達哉さんにご挨拶。普段は人見知りしがちなコトちゃんも、井上さんの森みたいな優しい雰囲気にすっかり安心しているようです。旧小学校校舎を再活用した、村のベンチャー企業が集まるという学校の中を案内してもらいました。
森を歩いて120年の杉を探そう
さて、ふたたび車に乗って森へ向かいます。人工の林は放っておくと枝葉が生えすぎて暗い森になってしまうのですが、きちんと伐採管理されている森は光が差し込んで明るいのだといいます。今日は村でも一番美しいという森に連れて行ってもらうことになりました。まずは、樹齢120年の杉の木を探します。
井上さんの後を一生懸命についていくコトちゃん。本当に明るくて、気持ちの良い森です。背の高い杉の木の向こうからお天道さまの光がさんさんと降り注ぎます。
「おてんとさま〜! 森さ〜ん!」
コトちゃんの声にこたえるように、爽やかな風が通りすぎていきます。
元気いっぱいに歩いていたコトちゃんですが、つまずいたり、転んだりしているうちにすっかり白く靴はどろんこまみれ。でもほら、もう少しだよ。約20分ほど登って大きな倒木を渡ると、ついに見つけました120年の杉。
森の学校井上さんから森と120年杉について学ぶ
ひときわ太い120年杉はどっしりとしていて、この木の周りから差す光はひときわ神聖な感じがします。杉の木は、日照時間が長い夏にたくさん育ち、寒い冬には細胞の成長が止まるのだそうです。綺麗な縞模様の年輪はそうやってできるのだと、井上さんが教えてくれました。太い幹に抱きついてみると、ざらざらして、なんだかしっとり。
険しい林道を登り、伐採現場へ
今度は伐採現場を見にもっと高い山の上へ。コトちゃん、歩き疲れてぐっすり眠ってしまいました。パパとママで代わりばんこに抱っこして、さらに険しくなる林道を登ります。でも登っても登っても、伐採している気配がありません。息を切らして1時間。おや、やっとチェンソーの音が聞こえてきました。
伐採する様子を近くで見るために、山の急斜面へ。こんな危険な場所にコトちゃんを連れてきたのは初めて……ハラハラします。まずは倒す方向をチェックしてから、刃を入れていきます。伐採された木が他の木をなぎ倒していくものすごい音は大迫力! みんなで拍手!
製材工場を見学
さて、森から出て、伐採された木が運ばれて加工される製材工場を見学にきました。工場の中はヒノキのいい香り。 乾燥中の大きな丸太が並んでいます。大人が3人乗っても全然折れない丈夫な丸太です。またがってみたり、寝っ転がってみたり。職人さんの案内で、表面を削ったり、凹凸をつけたりする機械を見せてもらいました。さっきまで見ていた森の木が、綺麗に加工されていくプロセスにママも興味津々。
製材された木材をさわる
フローリング材に加工された杉の木をさわってみます。手のひらですりすり感触を確かめたり、ほっぺをくっつけてみたり。つるつる、すべすべで、ほんのりと温もりも感じます。なかなか大変な一日だったけれど、杉の木が育てられる森を歩き、伐採の現場に立ち会い、加工されていくプロセスを見届けた木材。そう思うと、その質感をより気持ちよく感じました。さて、この木材を使って、次は実際に小屋を建ててみます!
一足先に完成した動画をどうぞ。YADOKARI×さわる知り100 「32.木材をさわる」
32. 木材にさわる
Posted by 知リ100 on 2015年11月6日
体験場所インフォメーション
西粟倉・森の学校
〒707-0503 岡山県英田郡西粟倉村大字影石895(旧影石小学校)
※通常は一般の方の体験は受け付けていません。