これが本当にコンテナ?「持続可能な建築」の匠によるコンテナプロジェクト

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コンテナオフィスやコンテナハウスと聞いてどんな建物を連想するだろうか?未来住まい方会議読者の方にはもうお馴染みかもしれないが、一般的に「コンテナ」といえば、貨物船で運ばれている大きな箱をイメージするだろう。無骨で、洗練された雰囲気とは対照的なコンテナだが、建築家のpatrick bradleyがデザインした建物は、そんなイメージを覆す美しくモダンな作りが特徴的だ。

自然の中に飛び出す 美しくモダンなコンテナオフィス

このオフィスが建つのは、北アイルランド。緑豊かな自然が残るこの地域に登場したのは、長さ約13mの貨物用コンテナを使ったオフィスだ。

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なんといっても特徴的なのは、飛び出る外観。建築地の面積を最大限に活かすため、建物の約半分が森の中に飛び出すように設計されている。この建物の先端に立ち、窓から外を見たらどんな気分だろうか?美しい緑の中にひっそりと佇むような、気持ちがリセットされ、豊かになる一瞬が味わえるのかもしれない。

「持続可能な建築」の匠が生み出したもう一つのコンテナプロジェクト

この建物の建築家である、patrick Bradleyだが、2015年、卓越した建築技術を実践した建築家に贈られるThe Alan King Awardを受賞している。そんな彼は、「sustainable architecture(持続可能な建築)」つまり、環境に優しい建築のエキスパートでもあった。

彼がこれまでデザインした建築物に、Grillagh Waterと名付けられた、広大な自然の中に佇むコンテナハウスがある。美しい自然とコンテナハウスの調和を実現したそのプロジェクトのこだわりは、外壁の材質に現れている。

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外壁の素材にこだわり。そこから見える建築家の思い

彼がGrillagh Waterの外壁に使用したのはコールテン鋼。あまり聞きなれない材質かもしれないが、建築物はもちろん、橋や鉄道車両などに利用される万能な建材だ。コールテン鋼は、茶褐色の美しい錆を自ら作り出して、風化による錆から身を守るという特徴を持っている。そのため、防錆用の化学薬品が必要ないのだ。さびた風合いもまた美しく、辺りの自然と調和する様子は、彼が提案する「美しい建築物は人々の生活や感情を良い方向へと導いていく」という考え方にも通じるところがあるのかもしれない。

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美しいデザインには、それを壊さないよう保ちたいと感じさせたり、気持ちを前向きに変えたりする力があると思う。今回紹介した建物にも、そんな思いが詰まっているのかもしれない。

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