【インタビュー】伝統的工法で建てる”体にいい家”|日本でも始まっている小さな住みかた。アイム・ミニマリスト

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多拠点居住、ミニマルライフやコミュニティビルドなど、未来住まい方会議でご紹介している、新しい豊かな暮らし。これらの暮らしはまだまだ実践者も少なく、始めてみたいけど少し不安という方も多いのではないでしょうか?この連載では、日本国内の新しい暮らしの実践者にお話をお聞きして、新しい暮らしを始めるヒントをお伝えしたいと思います。

※この記事は、2015年11月27日(金)に三栄書房から発行された「アイム・ミニマリスト」から内容を抜粋しています。

蔵のような小さな家

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連載第4回目にご紹介するのは、宮崎県宮崎市にお住まいの内田 恭代さん。内田さんは宮崎市でリフォームや内装工事などを営む「インテリアうちだ」の代表で、伝統的工法で建てた蔵のようなタイニーハウス「六帖軒」に暮らしています。
なぜ伝統的工法で家を建てたのか? そしてなぜ小さな家に暮らすのか? その理由には、「健やかに暮らしたい」という内田さんの思いがありました。

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理想を突き詰めたら、小さくなった

内田 恭代さん(以下、内田)「実は私、シックハウス症候群にずっと悩まされていたんです。リフォームをする仕事なので、仕事の現場はほとんどがシックハウス症候群の原因と言われている新建材を使った家でした。それが原因なのか分かりませんが、アトピーや動機、息切れが出たり、ずっと体調を崩していたんですね。それで、新建材に使われている科学物質が原因だと思って、母屋の壁を珪藻土に変え、床も科学薬品を使っていないものに張り替えたんです。そうしたらピタッと病気が治ったんです」

もともと小さな家で暮らすことに興味があった内田さんは、新しく建てる家を、新建材を使わない伝統的工法で建てることに決めます。

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内田「いざ家を建てようと色々調べてみると、新建材を使わない家を実現するには法律が大きな障害になることを知りました。まずは、科学物質を使った断熱材を入れなきゃいけない。建てるために色々な申請や工事確認や構造計算も必要でした。色々調べてみたら。建てる土地にもよるんですが、10平米以下の家って、家を建てるのに必要な確認申請がいらないし、法規制も少ないので、私の理想の家を建てられると分かったんです」

完成した家は自然石の基礎の上に柱を立て、柱と柱を繋ぐ木材は職人さんが木組みをしたものを使用しています。
家の床や内壁には無垢の木が使われ、壁面は天然素材を使った白壁に。家を建てるのにかかった費用は総額400万円ほどで、工期はわずか2ヶ月で完成しました。費用の内約は、大工さんからの請求が、材料と技術代で約270万円、上下水道とトイレの工事費が60万円、漆喰代が約30万円。

伝統的工法で建てた家のため、家の広さに対して工費は高めになりましたが、この家で過ごす時間はすごく快適だと内田さんは言います。

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内田「引っ越してみたら、『なんて快適なんだろう!』って。家が小さいと、掃除をしたり物を探す時間が減るんです。部屋の掃除は掃除する面積が少ないので、大掃除でも15分で終わるし、無駄な物が無いので、私みたいに物の管理能力が無くても、探す必要がないんです。すごく楽で楽で、こんなに自由時間が増えるんだと驚きました。伝統的工法で建てられた家なので、日本の高温多湿な気候に合わせて、随所に快適に過ごせる工夫がされているんです。冷暖房もほとんど使いません」

心も体も健康に健やかに暮らしたい

最後に内田さんのこんな言葉を紹介します。

内田「六帖軒は、心も体も健康に健やかに暮らしたいと思って建てた家です。そう思って工法や建材にこだわって建てたら、やっぱり病気にもならず、心地よく暮らせています。何事も仮説だと思うので、全てが家のおかげとは言い切れないと思います。健康なのは食べ物の影響かもしれないし、他に理由があるかもしれない。でも、私は家を変えたらぴたっと病気にならなくなった。新建材の家って、壁や床から常に科学物質が出ていて、シンナーを吸っているのと似たような状態だと思うんです。それが無いからか、この家の中では食べ物もおいしいんですよ」

ご自身がシックハウス症候群に悩まされてきたからか、六帖軒という生活空間は内田さんにとって欠かせない生活の一部になっているようです。
広さでもなく、価格でもなく、デザインでもなく、健康に過ごせる家が欲しい。こんな住まいの選び方もあるんですね。

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■続きはYADOKARI 編集の本「アイム・ミニマリスト」で
内田さんのより詳しい暮らし方は2015年11月27日(金)に三栄書房から発行された「アイム・ミニマリスト」の中で紹介しています。
今回ご紹介した内田さんは、この書籍の中で取材させていただいた方のひとり。「アイム・ミニマリスト」は、YADOKARI が日本各地を取材し、編集を務めた書籍で、greenz.jp編集長・鈴木菜央さんのロングインタビューや、YADOKARI 発のタイニーハウスINSPIRATIONができるまで、など日本各地で始まっている小さな暮らし方をご紹介しています。
※ただいま発売中です、書店もしくはamazonでご購入ください。 ⇒「アイム・ミニマリスト

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