丘の中腹に立つ、森と同化した隠れ家「Casa Flotanta」

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Via:busyboo.com

小高い丘の斜面や、こう配が急な場所には家を建てることが難しい。しかし、その特殊な立地条件がクリアできれば、暮らしに素晴らしい景観を取り込むことができる。豊かな自然に恵まれたコスタリカの丘の斜面に建つ「Casa Flontana」は、設計技術を駆使して最高の景観を手に入れた好例だといえる。

目の前に広がる太平洋を日常的なものとしたこの家は、まるでピーターパンが住むようなファンタジーに満ちている。豊かに茂る木々の中、斜面の小高い地点にあることからも、形式にとらわれない隠れ家的なイメージを感じる。

コンクリートの支柱と鉄製の基礎梁が、急斜面の途中にしっかりと建物を支えていて、大仰なコンクリートで固めてしまった場合と比べて、いかに優美な設計であるかをわかっていただけるだろう。周囲の木々の景観にも圧迫感を与えず、コスタリカの豊饒な自然との一体感も素晴らしい。

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建物のレイアウトは極めてオープンだといえる。温暖な土地に建てられることが前提となるが、家全体が太平洋に向かって開かれている。リビングは木材がふんだんに使われ、周囲の環境との共生が意識されている。

広くダイナミックな開口部からは海風と共に、空と光がふんだんに集まってくる。ゴージャスな景観は日ごとに表情を変え、ここに暮らす人を決して飽きさせないだろう。

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室内には床から天井までほぼすべての面に、チークとバンブーが使用された。これにより、洗練されたエレガントな雰囲気が感じられるだけではなく、この家がまるで周囲の森と一緒に育ってきたかのようなイメージを与えている。

また、屋根を支えるアルミフレームが少しも無骨に見えないのが不思議だ。これも天然木を惜しげなく使用した設計コンセプトが功を成しているといえるだろう。
海側に張り出したテラスのデザインも絶妙で、この場所で1日中音楽を聴いたり本を読んだりしたいものだ。

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エネルギー面における配慮も、この家の大きな特徴だといえる。屋根に降った雨水を集めて生活水に利用するシステム、太陽熱温水システム、太陽光発電システム、高効率LEDによる照明設備が快適な暮らしを支えている。こんな暮らしが世界中のどこかにあると知っただけでも、なんとなく幸せな気分になれそうだ。

(文=吉田一紀)
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