知識も技術もゼロからスタート、4年以上かけて完成させたツリーハウス「Outa the Woods」
「一度泊まったら、必ずまた戻ってきたくなるホテル」。宿泊者が口をそろえてそう述べるのは、カナダ西部のブリティッシュコロンビア州にあるアウタ・ザ・ウッズ(Outa the Woods)というツリーハウス・ホテル。
オーナーのマイク・ザマラ(Mike Zamara)と妻のデビー(Debbie Lungal Zamara)は、カナダの都市部トロントからこの緑多いロッキー山脈の麓に移住し、知識も経験もゼロの状態からツリーハウスづくりをはじめた。
無謀にも見えるチャレンジだったけれど、マイクたちは友人たちの助けを借りながら家づくりをコツコツと進めていく。慎重に木材を選び、理想の形になるようひねったりカーブを加えたりしながら、2005年、実に4年以上かけてツリーハウスを完成させた。
7本の木の上に建つ約4.8m×6mのツリーハウスは、マイクたちにとって夢の空間だった。
ツリーハウスの中と外にそれぞれある木材のらせん階段は、彼らのお気に入りで自慢の箇所だけれど、やはり一番饒舌になるのは、ウッドデッキからの眺望を語るとき。
「目の前に広がるのは、ひたすら美しい山々と深い森。ツリーハウスの前にある湖には魚もいて、時にはマスが跳ねる瞬間も見られるんだ。ここに泊まるゲストは、自然との調和を体感できるよ」とマイクは語っている。
もちろんツリーハウスの内装も、木のやさしさを感じさせるデザインになっている。宿泊客を受け入れているのは毎年4月から11月までだけれど、カナダの秋は想像よりも厳しい。備え付けのガス式暖炉を使えば、木のやさしさに温もりが加わること請け合いだ。