憧れの庭を屋上に!都市部でも作れる、住民のための屋上庭園「ROOFTOP GARDEN BIRKEGADE」

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ヨーロッパのほかの大都市に比べると、コペンハーゲンは住民1人あたりに対する公園の面積が圧倒的に多い。それでもやはり、都会暮らしは都会暮らし。広い庭付きのマイホームなんて贅沢は誰もができるものではない。 地面に庭を持てないのならば屋上に作ってしまえという発想から生まれたのが、建築事務所JDSによってデザインされた屋上庭園「ROOFTOP GARDEN BIRKEGADE」だ。

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via: JDS

この屋上庭園が作られた共有ビルがあるのは、コペンハーゲンでも最も人口密度の高い地域だ。共用の中庭が近くにあったのだが、背の高い住居ビルの隙間に位置していて日光はほとんど当たらず、人が訪れることはあまりなかった。

屋上庭園の誕生により、住民は日が当たり、誰でも自由に使える空間を手にした。「屋上庭園」と聞くと、ショッピングモールなどの商業施設やお金持ちのプライベート空間を連想してしまいがちだが、BIRKEGADEは出資も管理もすべてビルの住民によって共同で行われている。

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屋上への階段を上って外に出れば、コペンハーゲンでも随一の絶景と、3種類のスペースが待っている。そのまま座り込むことのできるグリーンスペース、バーベキューが楽しめるウッドデッキ、そしてスポーツが楽しめるグラウンド。コンパクトながらも使い勝手がいい。なかなかスリリングにも思えるが、手すりがついていて子供だけで使っても安全だ。なにより、建物の敷地外に行かずとも日光浴や運動が楽しめるのがうれしい。

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それまでコミュニケーションの少なかった住民同士が集う場でもある。子供を遊ばせながら、大人はウッドデッキでバーベキュー。視線を外に向ければ周囲に広がる絶景……と羨ましすぎるシチュエーションではないか。朝は有志でヨガなどを楽しむのもいい。

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使われていない屋上を最大限に使うことで、空間の限られた都会生活に、魅力的な庭園が現出した。BIRKEGADEが教えてくれるのは、住民がイニシアティブを取って生活の質を高める好例である。思わずさまざまな使い方を妄想してしまうような、毎日でも通いたい皆のための屋上庭園、次はどこに生まれるのだろうか。

(文=杉田真理子)

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