「家の中にお茶室」も可!国産材でつくる組み立て式の本格和室「くみたて2015」
![外観(野原)](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/1外観(野原)_01.jpg?resize=509%2C340&ssl=1)
野原に忽然と現れた小さな和室、なんと釘も工具も使わず、大人2人で、約15分で組み立てできるそうです。先日ご紹介したパオ(組み立て時間30分)より、さらにお手軽です!
![組み立て方](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/2組み立て方_15G100964_02_880x660-620x438.jpg?resize=620%2C438&ssl=1)
まず柱や梁などの基本フレームを組み上げ、床と畳を敷いたあと、障子や床の間などの建具を取り付けます。基本フレームのサイズは広さ2畳、高さ約2.2m。フレームを連結して、広い和室にすることもできるそうです。
この組み立て和室の素晴らしいところは、職人さんが手作りした本格的な建具(床の間・障子戸・違棚といった標準的な建具だけでなく、お茶室への出入りに使うにじり口まで!)を、好みや用途に応じて選んで取り付けられるところです。本格和室のしつらえを、まるでレゴブロックのように手軽に差し替えて楽しめるのです。
![構造](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/3構造_15G100964_03_880x660-620x422.jpg?resize=620%2C422&ssl=1)
これは、リビングの一角にちょっと和の空間が欲しいな、という方に朗報ではないでしょうか?また、おじいちゃんやおばあちゃんが遊びに来るとき用に、和室の寝室があるといいわね、という方にも、ぴったりかもしれません。使わないときは解体してしまっておけばいいのですから、スペースを有効活用できますね。
![違棚](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/4違棚_11143194_818103484944711_3646768445157127807_o-620x465.jpg?resize=620%2C465&ssl=1)
なにより、床の間やにじり口といった本格的なしつらえが用意されているのが魅力です。お茶やお花のお稽古のときだけ、リビングやお庭の一角にお茶室をつくるという、「どこのお大尽?」といったことも簡単にできるのですから。
![お茶会1](https://i1.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/5お茶会1_10704205_706857929402601_468898399450147388_o-620x412.jpg?resize=620%2C412&ssl=1)
![お茶会2](https://i0.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/6お茶会2_1524047_706858072735920_276555581036368382_o-620x413.jpg?resize=620%2C413&ssl=1)
気になるお値段ですが、基本フレームと壁、障子などの標準的な建具一式で、70万円程度からとのことです。国産材であること、職人手作りの建具付きであることを考慮すると、和室リフォームと比較しても、十分検討に価するかもしれません。
![外観(グッドデザイン賞)](https://i1.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/7外観(グッドデザイン賞)_15G100964_01_880x660-620x439.jpg?resize=620%2C439&ssl=1)
すっきりと美しいこの小さな和室は、2015年度のグッドデザイン賞を受賞しました。「鴨長明の「方丈庵」を思い立させる組み立て式移動可能建築」と紹介されていますが、たしかに、長明先生の庵はこんな感じだったかもしれませんね。
「くみたて2015」の基本フレームは、宮崎県の工務店さんが宮崎県産の飫肥(おび)杉を使って製造しますが、障子や壁などの建具は、希望すれば地元の建具屋さんや工務店さんに作ってもらうこともできる体制になっているそうです。見た目の美しさだけでなく、「日本の伝統空間や国産木材の魅力、日本各地の建具職人のもつ技術を広く普及・継承していきたい」という、「くみたて2015」の開発・運営全体の設計が評価されてのグッドデザイン賞受賞なのでしょうね。
![杉の山](https://i0.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/11/8杉の山_award_img02.jpg?resize=450%2C232&ssl=1)
ちょっと忘れかけていた、あるいは、手が届かないとあきらめていた、伝統的な「和」のしつらえを暮らしに取り入れることで、地域の森づくりや建具職人の匠の技を応援することができたら、それはとても豊かで素敵なことではないでしょうか。
Via:
- 組立和室「くみたて2015」
- 「くみたて2015」の開発と運営
- www.factorybook.com/umino(海野建設株式会社)
- www.eng.hokudai.ac.jp(北海道大学大学院 工学研究院 建築史意匠学研究室)
- www.teo.gn.to(office teo)
- www.uchida.co.jp(株式会社内田洋行)