おばあちゃんのレトロかわいい宅配車に見る自分らしい終の棲家「Sausage Nonnas’ Mobile Homes」
ある企業のキャンペーンに使われた、悶絶級にかわいいモバイルハウス見てふと思う。もしこれが「終の棲家(ついのすみか)」として使えたら、おばあちゃんになるのも待ち遠しいかも!?
ドールハウスを彷彿(ほうふつ)とさせるレトロかわいいモバイルハウス。抜いた、抜かされたという仁義なき戦いが繰り広げられる高速道路で、三台そろってマイペースに進むモバイルハウスの、空気の読めなさがとってもシュール。このモバイルハウスに乗っているのは、「Sausage Nonnas(ソーセージおばあちゃん)」と呼ばれるイタリア出身のおばあちゃん三人組。なんでも「世界で最も優れたソーセージ・デリバリー・サービス」のために選ばれた精鋭たちだそう。
……と実はこれ、ソーセージブランドのジョンソンヴィルと自動車配車ウェブサイトのウーバーがシカゴを舞台にコラボした、一日限定の顧客参加型キャンペーンでのお話です。
シカゴの住人を対象に、キュートな宅配車に乗ったおばあちゃんが無料のミートボールやラザニアを直接お届けしますという今回のキャンペーン。希望者はスマホからウーバーのサイトに住所を入力し、あとはチャイムが鳴るのを待つだけ。どのおばあちゃんが料理を届けに来てくれるかは到着までのお楽しみです。
ただしおばあちゃんたちの勤務時間は超時短(笑)。4時間という限られた時間の中で、「世界で最も優れたソーセージ・デリバリー・サービス」の恩恵に預かる人は限られています。市内を巡回する宅配車を運よくつかまえたラッキーなユーザーは、ギュっと抱きしめたくなるほどかわいらしいおばあちゃんたちからイタリアの家庭の味をプレゼントされ大喜び。行く先々で歓待を受けるチャーミングな彼女たちを見ていると、温かいソーセージにはありつけなくても、こちらまで心がじんわり温かくなるおすそ分けをもらえたようです。
ところでキャンペーン本来の目的はさておき、やはり気になるのは三者三様のリカちゃんハウス的モバイルハウス。この三台のように老後は持ち物をできるだけ減らし、お気に入りのインテリアに囲まれた家で暮らせたら、おばあちゃんになっても毎日楽しく過ごせそうな気がします。日本では「下流老人」や「老後破産」など、老後の生活は何かと暗く語られがち。でもソーセージおばあちゃんたちの陽気な笑顔を見ていると、年を取るのも悪くない、と希望がわいて来ませんか?
年金生活では家のメンテナンスにかかる出費はできるだけ抑えたいもの。体も若い時のようには動かないから、お掃除や片づけも小さい家に住む方が理にかなっています。たとえばおひとりさまになったら気の合うおばあちゃん同士気軽にお茶に誘える距離に住み、いざという時はおたがいに助け合う。また地方なら二世帯住宅を建てるかわりに離れを建てる感覚で、子供の自宅の敷地内にモバイルハウスを置き、付かず離れずの良い関係を保つという考えもあるでしょう。
高齢化や低所得化が進むこれからの日本の社会。関連法規がもっとわかりやすくなれば、移動もできる小さなモバイルハウスは老後の住まいの有力な選択肢となる可能性を秘めています。人生の終末期はあえて小さい家に住む。モバイルハウスは従来の終の棲家のイメージを覆す、残りの人生を楽しむための「攻める」住まいの形かもしれません。
Via:
sausagenonnas.johnsonville.com
newsroom.uber.com
adweek.com