生活に必要な機能を7㎡につめこんだら?中国の学生が作ったスーパータイニーハウス
道の真ん中にポツンと建った、家のような屋台のようなハコ。これは中国の重慶市で12人の学生がつくりあげた、たった7㎡のタイニーハウスだ。
この7㎡の中に、洗濯機や食洗機まで完備された立派なキッチン・バスルーム・ダイニング・リビングルームにベットスペースまで揃っているのだから空間づくりとは奥深い。今回は、このタイニーハウスの魅力を探っていこう。
この建物を見てまず気づくのは「玄関のドア」が存在しないこと。重慶大学の学生によるプロジェクトとして、展示を目的に作られたというからドアがないのもうなずける。ドアがない開放感は実際にタイニーハウスを立てる時もぜひ真似したいものである。
ダイニングスペースから縁側のように張り出した開放部には、興味津々とばかりに人々が集まってくる。屋台としても使えそうではないだろうか?その場合はトイレもベットもあるから、お客さんが酔っ払っても大丈夫だ。
収納スペースが非常に多いのも魅力のひとつ。本などが置ける収納スペースは、階段を含めていたるところにある。収納スペースの確保は、空間の大小だけではなく工夫次第、ということを改めて実感させてくれる。スライダー式カウンターまでついたキッチンは、立派なシステムキッチンにも負けないミニマルな実用性を備えている。
ちなみにリビングダイニングのテーブルも床に収納可能。フロアだけにしてしまえば、もっと多くの人が座ることが出来るし、足を伸ばして横になることだって可能だ。
家出に、屋台に、現実逃避に……、さまざまな使い方を想像するだけで楽しい、中国発のタイニーハウス。「いつか自分もタイニーハウスを」と考えている人は、ぜひこのハウスをじっくり観察して、そのエッセンスを学んでみてほしい。 繰り返すが、この家なんとたったの7㎡。狭いながらも、そこかしこに空間づくりのヒントが忍んでいる。
(文=杉田真理子)