わずか6.5m の幅を利用した、驚きの広々住宅「House 1014」

via: Archdaily
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土地の幅はわずか6.5mと、とにかく細長いうえに前後は2本の通りに面している。しかも、どう考えても設計が難しいこの土地に残されているのは朽ち果てた古い空き家。「House 1014」は、そんな関門だらけの条件から出発したリノベーションプロジェクトだ。

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スペイン・バルセロナ北部の都市グラノリェース。歴史的な建物が集中する都心部に建つ。既存の建物は改修が不可能なほどに痛んでいたが、周囲の景観への配慮と、歴史的価値の保存のために、ファサード(街路や広場などに面する建物の正面部分)を上手く再利用した。伝統とモダンが美しく絡み合う「House 1014」の魅力は、小さなユニットをいくつも組み合わせた構造にある。用途に合わせた4つの小さなユニットは、間に中庭を挟みこんで配置されている。

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両側に道路があり、難しいのは1階のプライバシーの確保だ。寝室、バスルームなどのプライベートなユニット、リビングや客室などのパブリックなユニットを、どういった順番で配置するかが問題となった。ここで、既存の建物のファサードが大活躍する。生活空間を道路に面するファサードから少し離し、その間にも小さな中庭を設けることで、日照率、プライベートの確保などの難問をクリアした。

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スペインの都心部は、人口密度が高く、土地も限られている。歴史的建物が多く残るため、それらに丁寧に手を加えながらもどう現代の生活と折り合いをつけていくかが課題となる。今回の例が面白いのは、既存の歴史的建造物を残しつつも、幅6.5ⅿの細長い空間を広々とした住宅に生まれ変わらせた点。もともとあるいいものは、残す。欠点は、活かす・逆手にとる。これからのオルタナティブな住まい方に共通する教えだ。

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(文=杉田真理子)

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