昔から日本と縁のあるポルトガル。実は家庭料理も似ているんです。| 世界中で広がる‘市民料理’を通じた出会い by KitchHike

ポルトガル料理は、日本人に馴染みがある!?

世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人(COOK)と食べる人(HIKER)をマッチングするWebサービス、KitchHikeです! 旅先で現地の人を訪ねて、世界中の食卓を実際に取材してきた模様を臨場感たっぷりにお届けいたします。

第5回目は、ポルトガルの首都リスボンの食卓から! 大西洋に大きく拓けた海洋国家のポルトガル。首都リスボン周辺の海もご多分に漏れず魚介類の宝庫です。日常的に食されるのは、鰯、鯵、鯖、鮪、スズキ、マス、太刀魚、アンコウ、イカ、タコ、エビ、アサリなど。調理法はグリル(焼く)、煮る、揚げる、マリネするなどが一般的です。

・・・・・・ここまで聞いて、あれ?と思った方も多いはず。そうなんです!日本と似てるんです!実はこのポルトガル料理、日本人に馴染みのある食材や調理方法が多く、日本人の口に合うと言われています。

昔からポルトガルと日本の間には深い縁がある

初めて日本にやって来たヨーロッパ人は、ご存知ポルトガル人。1543年の夏、インドのゴアから中国の寧波に向かう一隻のポルトガル南蛮船が嵐で遭難して、種子島に漂着したのは有名な話です。それをきっかけに鉄砲が伝来。次いで、さまざまなポルトガル食文化が日本に入り込んできました。 キャラメルやカステラ、コンペイトウなど数えればきりがないほど。諸説ありますが、今や日本を代表する料理となっている「天ぷら」も、ポルトガル語の「temperar (「調味料を加える」「油を使用して硬くする」の意味)」や「temporras (金曜日のお祭りの意味)」が語源になっているとか。う~む、ポルトガルと日本、縁が深い! https://www.youtube.com/watch?v=bzsKr0hu4Tg

ポルトガルの家庭料理の定番は鱈 (タラ)

今回おじゃましたのは、生粋のポルトガル人ルイスさんの食卓。振る舞ってもらったのはポルトガルで最も愛され食されている鱈(タラ)を使った家庭料理の定番、Bacalhau à Brás(干し鱈とじゃがいもの卵とじ)とBacalhau com natas(干し鱈のクリームグラタン)です。

Bacalhau à Brás(干し鱈とじゃがいもの卵とじ)は、最初に、干し鱈を水で戻し、皮と骨を取り除きます。ジャガイモはフライドポテトにします。次に、フライパンでタマネギとニンニクをよく炒めたら、先ほどの水で戻した干鱈 (バカリャウ) をいれて、さっと炒めます。そこに、フライドポテトを混ぜ、溶き卵をいれます。卵が半熟になったら、でき上がりです!

Bacalhau com natas(干し鱈のクリームグラタン)でも干し鱈をたっぷり使用。塩抜きした干し鱈を茹でておき、グラタンの具として、スライスしたジャガイモ、タマネギをニンニクで炒め、タマネギがきつね色になるまで炒めます。茹でた干し鱈をグラタンの具に加え、耐熱皿に移し、生クリームを加えさらに混ぜ、粉チーズをふって、オーブンで焼きます。

ポルトガル料理の素材のメインになるのは、タラの身を塩漬けにした干物「Bacalhau(バカリャウ)」です。初めて食べたにも関わらず、どこか懐かしい味。異国情緒を味わいつつも、改めて日本に想いを馳せてしまった食卓になりました。

たっぷり時間をかけてディナーを楽しむのもポルトガル流。実際に料理を作ってくれた人とおしゃべりしながら食べるとより一層、おいしく感じられますね。“おいしいものをおいしく食べる”、それがKitchHikeです!

実際に食べてみた感想

とっても食べやすかった!やっぱり味付けや食材が日本と似ているからでしょう。食べ慣れている魚の味とシンプルな塩味、ジャガイモやたまねぎなどの具材の炒め具合もしっくりきました。ポルトガル料理が日本人の口に合うとは聞いていましたが、まさかここまで自然に受け入れられるとは・・・!旅の途中でホッとできる味に出会えることは、とても幸せですね。

地球の西の端と東の端の国で、こんなにも共通点があることに驚きですね。異国情緒を味わって母国の味を思い出す、そんな贅沢な食体験を楽しめるポルトガル。ぜひルイスさんの食卓を訪ねてみてはいかが?

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