【タイニーハウスに行ってみた】オランダの「Tiny House Shirly & Roy」
![(c)Naoko Kurata](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/011.jpg?resize=620%2C465&ssl=1)
みなさま、こんにちは。オランダ在住ライターの倉田です。特集コラムでも書かせていただきましたが、オランダはタイニーハウスに対する注目が非常に高い国。そのため、実際にタイニーハウスを建てると国内メディアに取材されたり、個人のSNSに大きな反響があるそうです。それに応えるように、「Open Dag」(オランダ語で「オープンデー」の意)を開催して自宅を開放してくれる人もいます。
つい最近タイニーハウスを建てたばかりの方がオープンデーを開催するという情報をキャッチしたので、さっそく見学に行ってみました。
タイニーハウスを建てたシャーリー&ロイ
![(c) Angelo Blankenspoor](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/021.jpg?resize=620%2C412&ssl=1)
こちらが、今回オープンデーを開催したタイニーハウスのオーナー、シャーリーさん(Shirly van der Hoeven)とロイさん(Roy Mosterd)。まだお二人とも20代前半の若いカップルです。
昨年9月に一緒に住もうと考え始め、家の情報をいろいろ調べるうちにタイニーハウスに関する情報に出会い「これだ!」とひらめいたのだとか。もともとシャーリーさんは子どものころからタイニーハウスに対する憧れがあったそうなのですが、自宅の近くにタイニーハウス建設を請け負ってくれる業者を見つけたことで夢が一気に現実味を帯びたと言います。
![(c) Tiny House Shirly & Roy](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/031.jpg?resize=620%2C413&ssl=1)
ロイさんはフリーランスで写真やグラフィックに関する仕事をしていて、シャーリーさんも馬の調教関係の業務に従事しているので、比較的時間の自由はきく2人。プロと一緒に、自分たちの住む家の建築に積極的に携わったのだそうです。
![(c) Tiny House Shirly & Roy](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/04.jpg?resize=620%2C413&ssl=1)
内装も自分たちでペイント。壁の色は、悩んだ末にグリーンにすることに決めたそうです。
![(c) Tiny House Shirly & Roy](https://i1.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/05.jpg?resize=620%2C412&ssl=1)
これは、内装がだいぶ進んだ時の様子。窓の外の景色と一体感がありますね!
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![(c) Tiny House Shirly & Roy](https://i1.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/07.jpg?resize=620%2C582&ssl=1)
2016年春に着工した2人のトレーラーハウスは、約3か月の製作期間を経てついに8月に完成! オランダではテレビやラジオなどの出演も果たし、2人の家はオランダのタイニーハウス・ファンの間で話題になっていました。タイニーハウスで暮らし始めてから約1か月、周囲の反響に応えるようにオープンデーを開催したのです。
大盛況のオープンデー
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これが、その当日の様子。9月のオランダには珍しく、暖かい快晴で絶好のオープンデー日和でした!
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子どもからお年寄りまで、タイニーハウスの中は常に満員御礼。「ちょっと失礼」と人にぶつかりながらの写真撮影でした。
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ドア左手の上に見えるロフト部分でお二人は寝起きしています。ロフトに続く階段も収納スペースになっていて、クローゼットとして活用しているそう。
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床面積18㎡のタイニーハウスでも、キッチンはしっかり4口あるガスコンロ(プロパンガス)。
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そしてキッチンのすぐ脇には、シャワーとコンポストトイレがあります。
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キッチン側から眺めると、天井には収納スペースのミニロフトが。お二人は大のスノーボード愛好家なので、そのためのブーツが置いてあるのが見えます。
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この家に移り住むにあたり、お二人とも持ち物をかなり断捨離したそうですが、人生の喜びであるスノーボードの道具とギターは手放せなかったそう。でもそれがこのタイニーハウスの個性になっているので、かえって良かったのではないでしょうか。
気になるコストは?
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ひっきりなしに訪れる見学者の対応で、シャーリーさんとロイさんは大忙し。でもタイミングよくシャーリーさんと少し話すことができました。
気になる建築コストは、シャーリーさんの実感では4万~4万5千ユーロくらいだったとのことでした(2016年9月現在、約460万円~518万円程度)。
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その費用の大半を占めているのが、この太陽光発電システムなのだとか。
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屋根のパネル以外にも意外と場所を取る発電関連の機械は、室内のカウチの中に収納。もしかしたら、冬の間はこの機器自体の熱でカウチが温かくなるのではないでしょうか。
まだ水道設備を整えていないので、水回りを使っていないのが意外でした。シャワーやトイレも未使用だそうです。水はご近所に住んでいるシャーリーさんのご実家から汲ませてもらっているのだとか。トイレは敷地内に簡易トイレ(イベント会場に臨時設置されるようなタイプ)があったので、それで事足りるのではないでしょうか。
いずれは雨水を循環させて使えるようにしたいと考えているそうですが、そういう大らかな感じも好感が持てました。全て整ってからじゃないと住めない!というような完璧主義だと、いつまでも夢に近づけませんからね。
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近いうちに、トレーラーハウスの設置場所をもっと海の近くに移す計画があるそうです。そればかりか、冬の間はこの家ごとオーストリアまでスノーボード遠征するつもりだと楽しそうに教えてくれました! とても自由に人生を謳歌している様子が伝わってきて、こちらまでワクワクしてきます。
お二人の様子を見ていたら、以前特集コラムに書いた「オランダのタイニーハウス・ムーブメントの未来のキーワード」である「Bevrijd Wonen」(「自由に住む」や「自由な家」)という言葉を思い出しました。何事にも縛られず自由に生きているお二人は、まさに「Bevrijd Wonen」の実践者なのではないでしょうか。
![(c)Naoko Kurata](https://i0.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/20.jpg?resize=620%2C465&ssl=1)
オランダ人が大好きな言葉に「Gezelling」という単語があります。英語にするとCozyで、直接の意味は「居心地が良い」とか「雰囲気が良い」というニュアンス。青い空と素敵なタイニーハウス、そして大勢のタイニーハウス・ファンの見学者。ドリンク・スタンドまで出してくれて、これ以上Gezellingなイベントがあるでしょうか。
筆者も、1人のタイニーハウス・ファンとして個人的に非常に楽しんで見学できました。日本でもぜひ、タイニーハウスのオープンデーが頻繁に開催されるようになるといいですね。
![(c) Tiny House Shirly & Roy](https://i0.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2016/09/21.jpg?resize=620%2C413&ssl=1)
Via:
tinyfoot.nl
oneworld.nl
schitterendleven.nl
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