スタイリッシュなわらの家!? 寒冷地でも心地よく暮らせるワケとは

外観
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「住まい」に求めるものは人それぞれだと思いますが、「暖かい」という要素はかなり大事ではないでしょうか。少ない暖房でも家を暖かくするには、壁に入れる「断熱材」が大きな役割を果たします。

断熱材の素材はさまざまですが、近年ではエコロジーに配慮し、天然素材(羊毛など)も使われるようになっているようです。以前ご紹介したカナダのエコリゾート「Domaine Floravie」では、ヘンプ(産業用大麻)の断熱材を使っていました。今日ご紹介する家では、なんと「麦わら」を断熱材として使っています。

わら
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わらの家といえば、先日ご紹介したスペインの「みんなで建てるわらの家」のような、素朴な「ストローベイルハウス」を思い浮かべるかもしれませんが、この家はちょっと違います。わらをさまざまな密度で圧縮して作った板を、サンドイッチのように組み合わせた、強度と断熱性を兼ね備えた新素材を使っているのです。

わらのブロック1
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わらのブロック2
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この家を設計したFelix Jerusalemさんによると、わらを圧縮することで可燃性の問題は解決し、断熱性に優れ、なにより木に比べて成長が早いため(種をまいてからわらが取れるまで、わずか数か月!)、非常に持続可能性が高いということです。しかし、スイス北部の湖畔に建つ家です。はたして寒冷な気候に耐えるのでしょうか?幸いにも、すでにこの家で幾度かの冬を越した施主のAnders Stokholmさん一家は、たいへん居心地良く過ごせているそうです。

さて、壁だけでなく、家の中も見せていただきましょう。内装はとてもシンプル。長い煙突に吊るされた丸いストーブが広い空間のアクセントとなり、天井の高さを際立たせます。階段の先、2階の窓からは、ライン川の眺望を楽しめるそうです。

リビング
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階段
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施主さんの意向もあり、壁面収納も最小限です。また、水回りを1カ所にまとめたため、建築コストを抑えることができました。

収納
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間取り
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「どんなふうに生活したいかを、考えたらいいと思います」と、建築家のJerusalemさんは言います。「その生活では、なにもかも豪華にする必要があるでしょうか?もっとシンプルで飾らないものでもよいのでは」。そしてできあがったのが、このシンプルでモダンな「わらの家」。なかなか真似はできないかもしれませんが、考え方のヒントにはなるかもしれませんね。あなたはどんな住まい方をしたいですか?

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