サスティナブルで健康的。簡単に建てられるスモールハウスは仕組みが満載だった
わあ、おしゃれな家!思わずそんな声があがりそうなこの家は、アメリカ・ワシントン州のポート・タウンゼントにあるプレハブ工法を得意とするGreenpod社が建てました。会社名である「Greenpod(緑の鞘)」から推察できるように、彼らはサスティナブルで健康に配慮した家づくりを展開しています。
彼らが家を建てるときに使う素材は、室内の空気を健康的に保つことができるだけでなく、室外にはオーガニックな環境を壊さないガスを排出するのです。塗料を塗りたくないという施主のために、粘土の壁を省くこともあるのだとか。ファブリックもオーガニックで抗菌性がある繊維を使用するため、カビや菌を育てちゃうなんてことはないのです!
家は、車などで簡単に運べるように、道幅より狭く組み立てられています。基本は長方形で、片側にひろびろとしたリビングルーム、中央にバスルーム、そしてもう片側がベットルームを配置。この41.6平方メートルのWaterhausと呼ばれるモデルの形式は決まった形どおりに作られているのですが、いくつかの新鮮な仕掛けもあります。
例えば、シャワールーム。幅を狭くして、リビングルームとベットルームにスペースを割いています。その分、ベットルームでは窓際でこっそり読書ができるような空間を、リビングルームでは暖炉のような空間や小さな書斎スペースをつくることができました。
また、角側に設置された窓のおかげで、そこから差し込む日の光が壁に反射して、部屋全体を照らしています。そして、斜めに光が差し込んでいることで、部屋を広く見せる効果も生み出しているのです。
他にも、家の裏側にあるくぼみもユニークな仕組みのひとつ。このくぼみがあるおかげで、ベットルームとリビングルームともに家の中心に向かっている角窓が作れるのです。この角窓は、外から室内を見えづらくしてくれる効果もあるため、それぞれの端にベットやカウチを置くこともできます。家の端に家具を配置することで、狭い家の中心にスペースができるのです。
採光用の高窓はプライバシーを保ちながら光をとりいれてくれています。リビングルームもベットルームもその高窓のおかげで、三方向から光をとりいれられているのです。透明なガラスパネルも設置されているので、玄関も光が降り注ぎます。
アメリカでは、数年にわたり、プレハブ工法やモジュール式組立で家をたてる会社が生まれては消えています。同社はそのようななかでも生き残ることができました。その理由は、モジュール式組立でも、プレハブ工法でも顧客に選んでもらえるようにしたからかもしれません。
例えば、モジュラー式組立は腕の立つ職人がすべて組み立ててから現地へ運ぶので、職人が見つからなくてもどこでも建てられます。ワシントン州から近ければ、職人に現場に来てもらって、プレハブ工法で建ててもらえば、モジュラー組立式より、お手ごろな値段になります。顧客のニーズや予算に合わせて対応するからこそ、多くの人々に愛される会社なのかもしれませんね。