年中無休で“かまくら”が楽しめる!? スウェーデンで注目のアイスホテル
小さい頃、かまくらを作って遊んだ思い出は誰にでもあるだろう。かまくらで過ごした経験がある方は、その中が意外に暖かく快適に過ごせたことを覚えているかもしれない。「いっそのことかまくらで暮らしたい」と思っても、日本で「雪の家に住む」と言うのは実現不可能。日本は春夏秋冬と四季があり、せっかく作ったかまくらも時が経てば自然とその姿を消してしまうからだ。
しかし、もしその場所が日本でなくスウェーデンなら、その夢は極めて現実的なものとなる。ここは世界初の年中無休のかまくらホテルだ。
北極の中心からわずか200キロほどしか離れていない、スウェーデンにこのホテルは作られた。溶けることのない氷が常にある土地に建設された。
これまでもかまくらホテルは存在していたが、外気温の問題のせいで期間限定の営業を余儀なくされていた。このホテルの場合はその心配もない。
いくら北極から200キロしか離れていないと言っても、ここはスウェーデン。当然夏が来ると氷も溶けやすくなる。そんなときは、ソーラーパネルを使ってその太陽のエネルギーを利用し、氷の形状維持に努めているそうだ。
1989年に「構築」されたこのリゾートの大きさは2,100スクエアメートル、長さ520kmもあるトルネ川から3万リットルもの容積の水を採取しながら、この形状を維持している。
部屋数は20室。年間に5万人もの訪問者が訪れるという。ホテル内には、世界中のアーティストたちが腕によりをかけて制作したバーやアートギャラリーも存在する。室内の温度は大体摂氏5度くらいに保たれているそうだ。
外から見ると、入り口が幾何学模様の青のガラスで玄関が作られている。一見普通の大きなかまくらのように見えるが、中に入るとそこは別世界。全て氷で作られた美しい彫刻があなたを迎え、青を中心とした光がこのホテル全体を包み、非常に幻想的な雰囲気を醸し出している。
建物が氷で作られているため、「リノベーション」は毎年のように行われる。訪れるたびに違ったホテルの内装や彫刻を楽しむことができるのもポイントだ。リノベーションといってもわざわざ解体をする必要はなく、修復しようとしなければ夏の暑さで自然と彫刻は溶けてなくなる。そしてまたアーティストたちが彫刻を彫り直し、役目を終えた後はまた元のトルネ川の一部へと還っていく。ある意味、持続可能性を実践しているホテルとも言えるかもしれない。
こちらはデラックススイート365と呼ばれる部屋。
ただ「氷のホテル」というだけではなく、アーティストが作った芸術作品や氷を通して見える光のきらめきの美しさを堪能できる。
各種アイススポーツやアイスフィッシングといったアクティビティも楽しめる。氷の彫刻体験もでき、さらにスウェーデンならではのオーロラ見物などもできるそうだ。
あまりにも寒いと感じたときには、体を温めるサウナも完備されているので安心だ。
チャペルが完備されており、結婚式を挙げることもできる。ここでの結婚式は一生忘れることのできない素敵なものとなるだろう。
非日常空間だからこそ、このホテルでの体験はより素晴らしいものになるに違いない。日本ではなかなか体験できない空間を、ぜひ味わってみてはどうだろうか。
via:
designboom.com
icehotel.com/
theaurorazone.com/
ifitshipitshere.com/
discover-the-world.co.uk/
thebrofessional.net/
arcticdirect.co.uk/
kirunalapland.se