#25 里山団地の暮らしの彩り。身近な植物で草木染め、春夏編。|YADOKARI✕公社二宮団地

前回、ご紹介させていただいた「押し花」につづき、今回は団地の空き地に生えている身近な植物で草木染めにチャレンジいたしました。

草木染めと聞くと、特別な道具や経験、知識が必要なのでは?と思ってしまいがちですが、家庭の台所で簡単にできます。手順を簡単に説明すると、植物を煮てその色素をお湯に溶かし、その中に布の生地を入れて染めるというシンプルな作業です。
今回は春夏編ということで、「ヨモギ」を使った草木染めのご紹介です。

ヨモギはその成分が体に良いとされ、お団子にして食べたり、お茶にして飲んだりと昔から人々の暮らしを支えてきました。

初夏になると団地のあちらこちらで見かける、このヨモギ。
草木染めに使う植物選びのポイントは、簡単にたくさん手に入ること。原料を集めるのが大変だと、時間や手間がかかり、気持ちが遠のいてしまうので避けたいところです。幸い、ヨモギは団地のいたるところに生えていて、ただの雑草として扱われているので原料としてはかなり理想的ですね!

この時は大体750gのヨモギを使いました。集めるのにかかった時間は30分程度でしょうか。あっという間です。
ヨモギをざっと洗い、鍋で煮出していきます。染め方によっては、少し強いアルカリ性や酸性の液体を使いますので、煮る鍋は料理用ではなく染物用のステンレスの物をご用意いただくのがおすすめです。私はリサイクルショップで買った(たしか1000円くらい)大きめのステンレスボウルを使っています。

煮ていくとこんな感じになります。部屋中がヨモギのいい香りつつまれます。アロマ効果も期待できますね。

煮出した染料はこんな色。濃い紅茶といった色味でしょうか。

ヨモギをザルで漉して、いよいよ布を投入します。ちょっとその前に、布にひと工夫しましょう。


草木染めの色合いはとても繊細なので、元の生地の白い部分を残す事で、その色合いが活きてきます。
今回は、小さく切った竹を輪ゴムで巻いて模様をつけました。

そして、ようやく布を投入。
一度、沸騰させたら中火にして15分ほど煮ます。火を止め、冷めるまで液に浸しておきます。

次に用意しておいた媒染液に浸し、20分ほど浸けておきます。今回は媒染液にキッチンでも安心して使える「みょうばん」を使用しています。(媒染液には色止めと発色の効果があります。)
再び染液に戻し、沸騰したら火をとめて冷まします。こうすると色が濃くなり色持ちもよくなります。

これで染色作業は完了です。水洗いして、日陰で干して完成です。

染め上がりはこんな感じに。輪ゴムを巻いたところが白くキレイに抜けていますね!
今回使用した布は、染料用品店で売っているバンダナサイズの綿の生地です。端の始末もしてあって、染めた後、すぐに使えるのでおすすめです。

完成品がこちら。

私は普段の弁当包みとして愛用しています!
(写真は上から、染める前の生地。ヨモギ染め。びわの葉染め。びわの葉は冬の方がキレイに染まるようなのであらためてご紹介を。)

(2017年9月2日記事公開)