シンプルさを徹底追求。リトアニアのスモールハウス「Etno Hut」
東欧・リトアニアの自然豊かな森を背に、ポツンと佇むタイニーハウス「Etno Hut」は、リトアニアのパカルニスケスに本拠を置く建築会社のUtopium(ユートピウム)によってデザインされた。
遠くからみると帽子のように見えるため「Hut(ハット)」と名付けられたそうだ。
2018年に完成したばかりで、リフレッシュするための保養所や、ヨガキャンプのためのスタジオとしても使われている。
このタイニーハウスはミニマリズムな考え方に則り、可能な限り小さくするように設計され、面積は14平方メートルと非常に小さい。リゾートとして2人+ペットが滞在するために最適化されている。
黒くシックな外装とは対照的に、白を基調にした室内はとても明るく、狭さを感じさせない。
インテリアも最小限に抑えられ、センスの良さが伺える。中でも存在感を放っているのが、かなり年季の入ったアンティークの暖炉。暖を取るだけではなく、癒しのインテリアとしての役目も果たしているようだ。
最小限のワンフロアーにキッチンやベッドスペース、その横のドアの中はトイレや洗面所、収納吊り戸棚など、生活に必要な設備がコンパクトにまとまっている。
ベットの壁側にある横長の窓から見える森の木々は、まるで黒い枠で縁取られた絵画のようだ。この窓からの優しい朝日で目覚めると、爽やかな1日の始まりを迎えることができそうだ。
テラスに続くガラスの折戸を全て開けると、目の前に広がるリトアニアの雄大な景色を楽しむことができる。この大開口が物理的に狭い部屋に、広がりと大自然とつながる解放感を与えてくれる。
室内から続くテラスは、センスのいい小さなテーブルと椅子を置き食事スペース・ダイニングルームになっている。時間とともに移りゆく大自然の景色と爽やかな風を感じながらの食事は、最高の贅沢と言える。
2つの大きな都市の中間に位置するこの場所は、都会から半日ほどでアクセス可能なため、短い休暇でも気軽に利用できる。日頃忙しい都会の生活をしばし忘れ、手軽に自然の中に身を置くには最高の場所ではないだろうか。
このタイニーハウスには多くの家具や、梯子を必要とするロフトもない。
まさに、このタイニーハウスはミニマリズムの哲学を体現しており、シンプルさを極めている。広さや物がないことの不便さよりも、必要最低限のスペースや物で暮す居心地の良さを追求している。
最近では様々な機能を持つタイニーハウスやスモールハウスが増えてきているが、このような、本来のミニマリズムの思想に沿ったスモールハウスに立ち戻ってみるのも良いのかもしれない。
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