小屋×都市 #03 出会いと「ありがとう」がある小屋|都市を科学する〜小屋編〜 – オンデザインパートナーズ×YADOKARI
好きなことをやって、「ありがとう」と言われる。
そんなささやかな夢を、叶える小屋がある。
ほしいのは小屋そのものより、
出会いや、おもてなしの機会なのかもしれない。
人と出会う小屋
小屋は人と出会い、交流する場になる。
まず、小屋のかわいらしい姿が、人を惹き付ける。
自分が楽しいことを、集まってきた人に楽しんでもらえるようにする。
本が好きなら、移動本屋も良い。
前回記事で紹介した庭の音楽室も、玄関を開いて人を招けばコンサートステージだ。
人を集めて、ワークショップを開くこともできる。
ちょうどよいサイズ感と、機動力
移動力を備えておけば、よりたくさんの人と触れ合える。
工夫次第で移動力に加え、機能性も兼ね備えられる。
小さく商売を始めるなら、軽トラックくらいのサイズも良さそうだ。
キッチンカーも、いろいろなところで見かけるようになった。
屋台や自転車も
厳密な小屋ではないが、簡易的な「屋台」も選択肢になる。
ダンボールの”屋台”でも「コミュニケーションツール」や「遊び道具」としての役割を果たす。
「まずは小さくても、自分の店を持ちたい」という夢を叶えるのは、こんな形からなのかもしれない。
「ありがとう」を交わす小屋
自分の好きな世界に、人を招いてみる。
得意なことを、誰かのためにやってみる。
お店を、小さく始めてみる。
そうしてホスピタリティを発揮し、誰かに「ありがとう」と言われる。
小屋は、そんな夢を叶えるための、ちょうどよいツールになる。
(了)
【都市科学メモ】 | |
小屋の魅力 |
人と交流するツールになる |
生きる特性 |
外観の訴求力・発信力、開放性、移動能力、小さく始められる気軽さ |
結果(得られるもの) |
交流の場と機会、小さな商売・収入、「ありがとう」、笑顔 |
手段、方法、プロセスなど |
交流のテーマや方法を考える 小屋はあくまでツール。何をテーマに、どんな交流をしたいのかが大切だ。趣味なのか、商売なのか、あるいはボランティアなのか。自分が好きなことをベースに考えたい。それが決まれば、どんな小屋が良いのか、屋台でも良いのか、移動能力は必要なのか、などの機能面を検討しやすくなる。 |
市販品を活用する 目的に合った「タイニーハウス」や「屋台」を購入して、自分なりのアレンジを加えていくこともできる。下記は参考サイト TINYHOUSE ORCHESTRA WOODPRO BASE Web Store |
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とにかくやってみる 「交流すること」「小商いすること」が大事なのであれば、まずはできることからやってみよう。地元のフリーマーケットに出店したり、自転車の荷台に箱をひとつ載せたりするだけで、ひとまず実現できるかもしれない。そして楽しかったら「小屋」への発展を考えれば良い。 |
【Theory and Feeling(研究後記)】 |
ぼくが欲しいのは、この「交流」目的のモバイルハウス。望遠鏡を積んでおいて天体観測会をやったり、パソコンの映像を壁に投影して「バーチャル宇宙旅行実演」や科学ワークショップやったりしたいんですよね(筆者はもともと天文少年で、以前は科学館に務めてました)。
コーヒーやビールを楽しみながら交流して、そのまま眠れる場所になるような。
ただ、1人でやるのはちょっと寂しい気がするので、仲間を探したいです。(たに) |
2018.11.27 イベント開催!
こちらの連載と連動して、都市を科学する〜小屋編〜「第1回:人はなぜ小屋に惹かれるのか?〜まちの中の小さな居場所を紐解く〜」|オンデザイン×YADOKARIを2018.11.27 イベント開催します。詳細は以下より。
「都市を科学する」の「小屋編」は、横浜市の建築設計事務所「オンデザイン」内で都市を科学する「アーバン・サイエンス・ラボ」と、「住」の視点から新たな豊かさを考え、実践し、発信するメディア「YADOKARI」の共同企画です。下記の4人で調査、研究、連載いたします。
谷 明洋(Akihiro Tani) アーバン・サイエンス・ラボ主任研究員/科学コミュニケーター/星空と宇宙の案内人 1980年静岡市生まれ。天文少年→農学部→新聞記者→科学コミュニケーター(日本科学未来館)を経て、2018年からオンデザイン内の「アーバン・サイエンス・ラボ」主任研究員。「科学」して「伝える」活動を、「都市」をテーマに実践中。新たな「問い」や「視点」との出合いが楽しみ。個人活動で「星空と宇宙の案内人」などもやっています。 |
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小泉 瑛一(Yoichi Koizumi) 建築家/ワークショップデザイナー/アーバン・サイエンス・ラボ研究員 1985年群馬県生まれ愛知県育ち、2010年横浜国立大学工学部卒業。2011年からオンデザイン。2011年ISHINOMAKI 2.0、2015年-2016年首都大学東京特任助教。参加型まちづくりやタクティカルアーバニズム、自転車交通を始めとしたモビリティといったキーワードを軸に、都市の未来を科学していきたいと考えています。 |
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さわだいっせい / ウエスギセイタ YADOKARI株式会社 共同代表取締役 住まいと暮らし・働き方の原点を問い直し、これからを考えるソーシャルデザインカンパニー「YADOKARI」。住まいや暮らしに関わる企画プロデュース、空き家・空き地の再活用、まちづくり支援、イベント・ワークショップなどを主に手がける。 また、世界中の小さな家やミニマルライフ事例を紹介する「YADOKARI(旧:未来住まい方会議)」、小さな暮らしを知る・体験する・実践するための「TINYHOUSE ORCHESTRA」を運営。250万円の移動式スモールハウス「INSPIRATION」や小屋型スモールハウス「THE SKELETON HUT」を発表。全国の遊休不動産・空き家のリユース情報を扱う「休日不動産」などを企画・運営。黒川紀章設計「中銀カプセルタワー」などの名建築の保全・再生や、可動産を活用した「TInys Yokohama Hinodecho」、「BETTARA STAND 日本橋(閉店)」などの施設を企画・運営。著書に「ニッポンの新しい小屋暮らし」「アイム・ミニマリスト」「未来住まい方会議」「月極本」などがある。 |