オフグリッドコンビニも登場。中国VSシンガポールの無人ストアの未来は?

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2019年に中国とシンガポールに登場した2つの無人ストアポッド。小売店のオンライン販売の未来を変えるソリューションかもしれません。無人ストアなんてワタシに関係ない? 遠隔地にオフグリッドコンビニを設置したり、年中無休24時間営業の携帯ショップを展開できたり、使いみちは様々なんです。

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以前YADOKARIで取り上げたMoby Martから、ポップアップ型の無人コンビニポッドが発売されました。その名は「Moby PSI (プサイ)」、こちらは呼んでもやって来ない据え置き店舗。

呼べばやって来る!SFチックな自動運転の無人コンビニ「Moby Mart」

Moby PSIは、長さ4.6m x 幅2.2m x 高さ2.6mの大きさで、ソーラー発電やカメラとセンサーを使用したセキュリティシステムを装備。登録済みの顧客が店内にいるときの様子をライブストリーミングで遠隔監視します。快適にショッピングを楽しめるよう、センサーを使用して室内温度を自動調整します。

入店するとAI仮想アシスタントが接客対応。顧客はアプリを使用して商品を購入しモバイル決済します。スマートシェルフ(現在ベータ版)が、商品棚の在庫状況をクラウドに記録するので、運営者は商品を自動的に再注文して補充できます。

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テスト運用での万引率は、業界標準の1〜2%に対して0.1%未満を記録。オペレーターが万引行為に気付いたら、ビルトインされたSonosスピーカーシステムから警告することができます。

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Moby PSIの注目は、PSI OTG (Off The Grid) エディションという完全オフグリッドモデルです。店舗の横に日差しを遮る4,000ワットの大きなソーラーパネルを併設。遠隔地や店員を確保できない過疎地に、24時間営業コンビニが出店可能になります。日本では、非常食や保存食、ミネラルウォーターを備蓄して、災害時のサポート電源ステーションとして各地に設置してもいいかもしれません。Moby PSI OTGの価格は35,000ドル(約370万円)となっています。

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2019年6月にシンガポールの街角に登場したのが、24時間営業の無人ポップアップストア「UNBOXED by Singtel」。運営企業のSingtel(シンガポールテレコム)は、NTTと同様の元国有企業で、5億人の顧客を持つアジア最大級の通信会社です。

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UNBOXEDは、コンパクトモード(35平方メートル)から拡張モード(45平方メートル)にスライド拡張できるモジュール構造。無人携帯ショップとして機能して、新しい契約プランの登録から携帯やアクセサリーの購入までインテリジェントに対応します。

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接客は店内を移動するロボット型のLive Botが行い、実際のSingtelのサービススタッフがライブビデオを通してディスプレイから顧客をガイドします。Live Botは、顔認識を使用してSingtelの顧客かどうかを識別し、アシスタントに顧客へのパーソナライズされたサービスを提供できるようにします。背面上部には、スマートフォンをチャージできるワイヤレス充電マットも装備しています。

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新しいスマートフォンの購入に興味がある場合は、最新モデルが展示されている陳列セクションに案内されます。カメラとモーションセンサーで顧客の位置を検出し、大画面ディスプレイに顧客がチェックしているモデルのスペックや価格比較などの情報を表示。スマートフォンの購入は、キオスクのディスプレイスタンドでQRコードをスキャンするだけ。購入以外にも、プランや再契約の申請、SIMカードの交換、請求書の支払い、住所変更、プリペイドのトップアップなど、通常の携帯ショップが行うすべてのサービスを提供します。

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購入したスマートフォンは、SingPostが管理するスマートロッカー「POPStation」で、電話に送信されたPINナンバーを入力して受け取ります。SingPostは、中国のAlibabaが東南アジアの物流拠点として資本参加している郵便会社で、POPStationには予測に基づいて人気のある製品が選択的に補充される機能があります。

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POPStationのすぐ隣のアクセサリーウォールでは、スマートフォンケースやヘッドフォン、モバイルバッテリーなどを手にとってチェックできます。専用のキオスクでQRコードをスキャンし、キャッシュレス決済で購入を完了すると、自動販売機のようなスロットからアイテムが排出されます。

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UNBOXEDは、15のIoTセンサーと13台の監視カメラによる自動セキュリティシステムによりリモート監視。混雑緩和のために、店舗周囲のモーションセンサーで、店舗内の客数に応じて内側からだけ開くドアをコントロールします。盗難対策として、位置追跡センサーを使って、アイテムが壁から一定の距離を超えるとアラームが鳴る仕組みです。

24時間年中無休の無人携帯ショップは、いつも混雑して長く待たされる日本の携帯ショップにもぜひ取り入れてもらいたいものです。

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遠隔地向けの無人コンビニはアリかと思いますが、個人的には、タイのコンビニで店員がじゃれ合って笑っている姿や、ドアの外で冷気に涼む野良犬たちに心が癒やされることがあります。日本人ではイラッとする人も多いかもしれませんけど。

新しいサービスやイノベーションの登場には、多少の不具合があっても許され、炎上しないような社会の寛容さも必要なのかもしれません。

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