MITで生まれたロボットバー。自動運転コンセプトモデルも登場

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酔っ払ってくだを巻いても、ロボットバーテンダーなら大丈夫? MITで生まれたロボットバーが、モバイルバーや自動運転モデルに進化中です。イタリア人の世界的デザイナーによる、人間とロボットの関係性を探る研究プロジェクトを見ていきましょう。

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ロボットバーテンダー MakrShakrは、2013年のGoogleの開発者会議 Google I/Oで初披露されました。開発したのは、MIT(マサチューセッツ工科大学)Senseable City Labのディレクター、カルロ・ラッティ(Carlo Ratti)。建築設計事務所 CRA (Carlo Ratti Associati) の創設者であり、Fast Companyの「アメリカで最も影響力のあるデザイナー50人」にも選出された、イタリア・トリノ出身の建築家・発明家・エンジニアです。

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MakrShakrは、2014年10月にロイヤル・カリビアンの巨大クルーズ船2隻のバイオニックバーに搭載され、4つのロボットが10万杯以上のドリンクを提供してきました。2015年のミラノ国際博覧会で、標準輸送コンテナに収納可能なモバイルバージョンを発表。世界各地のイベントでポップアップバーとして、150万杯以上のカクテルをサーブしています。

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MakrShakrは、イタリアンデザインとクラフトマンシップを、ドイツと日本のロボット工学と融合。ロボットアームのシェイキングは熟練バーテンダーの動きを模して設計、ミリリットルの精度でコントロールされ、10の100乗分の組み合わせのレシピを提供できます。早い話、無限のカスタムカクテルが作れるというわけ。

ユーザーは専用モバイルアプリをダウンロードして、レシピの探索、オーダー、支払いを一括で行えます。60以上のスピリッツ、ジュース、ソーダ、飾り素材を組み合わせて、自分だけのオリジナルカクテルをデザインすることも可能です。

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MakrShakrは、買取モデルの常設用モデルToniと、レンタル専用のモバイルモデルBrunoを提供しています。トレーラーに搭載可能なBrunoは、2基のロボットアームが、158本のボトルと各2つあるビールディスペンサーとワインディスペンサーから、1時間あたり80杯のドリンクを作ります。カクテルはアプリと連動した5つの配達レーンで注文者にお届け。オフグリッド環境で6時間の連続稼働が可能です。

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MakrShakrでは、新しく自動運転のコンセプトモデルGUIDOも発表。アプリでコールすればやって来るロボットバーが、未来の消費体験をどう変えるのか実証しようという試みです。

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2018年にカルロ・ラッティが発表したリサーチでは、自動運転を使えば、都市の交通を現在の半分のタクシーでまかなえるとしています。一方、複数の自動運転プロバイダーによる車両を、中央集中型のインテリジェントなモデルで制御する必要性も強調。要するに、バラバラに運用される自動運転タクシーでは、需要の増大による送迎車が道路にあふれ、利用者の公共交通機関の敬遠とも合わさって、交通渋滞が逆に悪化するというシナリオです。

自動運転の未来のビジョンでは、駐車場が不要になるとも言われていますが、それは常に自動運転車が道路を走行している状況を意味します。自動運転車だけに需要が集中するのを避け、従来の公共交通機関やラストワンマイルと連携するMaaSとして、モビリティプラットフォーム全体を設計・構築する必要があるでしょう。たとえば乗車需要の減る夜間には、自動運転タクシーを小型貨物の物流サービスに使ったり、遠隔地への長距離ドライブに割り当てるといった調整も考えられます。

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MIT Senseable City Labのリサーチはこれまでも、UberPoolや滴滴出行(DiDi Chuxing)といったライドシェアサービスの基となるアイデアを提供しています。ラボからは、Superpedestrianといったスタートアップもスピンアウト。同社は、手持ちの自転車に取り付けるだけで電動自転車に変えることができる、「コペンハーゲン・ホイール(Copenhagen Wheel)」の開発で話題を集めました。Superpedestrianには、ラッティ自身もアドバイザーとして加わっています。コペンハーゲン・ホイール、前から欲しかったんですよね。

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米国では、Waymoの公道における自動運転実験の過程で、数多くのあおり運転や嫌がらせが発生したとのレポートがあります。人間とロボットの協調やインタラクションを探る試みは、テクノロジーがもたらす未来の都市生活を最適化するために重要なこと。新しいテクノロジーを「破壊的な」ものとしてではなく、社会のウェルビーイングを高めるものとして、快く受け入れてもらえる仕組みづくりも欠かせないのではないでしょうか。

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