シドニーに現れたアボカドハウス「Avo-Condo」
ジャガイモ、ホットドッグなど最近、「食べ物系」トレイラーやモバイルハウスが流行りとなってきているように思う。ただ、これらのものは概してプロモーション的意味合いが強く、いかにもアメリカ人ウケしそうな感じで、事実、ジャガイモもホットドッグも「メイド・イン・アメリカ」だった。
しかし、そんなアメリカに匹敵するノリの国がある。それはオーストラリアだ。
アメリカこそが「世界の食糧庫」と言われた時代は今は昔、現在その称号を受け継いだのはオーストラリアという声もあるが、アボカドの生産量は、以前としてオーストラリアよりもアメリカの方が多いのが現状(ちなみにアボカドの生産量No1. はメキシコ)。そこで今回、オーストラリアにアボカドの中で一晩過ごせるトレイラーが出現したというわけだ。
そんな状況を憂いてか、それともただの気まぐれか、オーストラリア東海岸を代表する都市のシドニーに、アボカド好きはもちろんご存知の7月31日のNational Avocado Day (ナショナル・アボカド・デー) で、突如としてアボカドトレイラーが誕生した。名前はAvo-Condo (アボ・コンド)。
pitted-and-kitted accommodation (ピッテッド・アンド・キッテッド・アコモデーション) という現地の建築会社が建設した。
中に入ってもアボカドの輪郭がわかる簡素な作りだが、多くのアボカドカラーのグッズがお出迎えをしていてくれて、アボカド好きは一瞬にテンションが上がること間違いなし。
キッチンやシャワー、洗面所などはなく、アボカド柄のシーツに覆われたベッドがあるだけ。そのため最大で2日間しか過ごせない、寝る為だけのトレーラーハウスだ。
残念ながら、以前紹介したホットドッグのトレーラーとは違い、中にこもって心ゆくまでアボカドを貪り食うことはできない。しかし、アボカドの種のフレンドリーな微笑みがあなたの滞在を歓迎してくれる、アボカド宿流のおもてなしは十分ある。
アボカドのスリッパやマグカップ、「AVO・CUDDLE(アボ・カドル)」の文字とアボカドのイラストが可愛い枕など、これらのアボカドグッツは全て自分の家にお持ち帰り可能になっている。
帰ってからも、アボカドに囲まれた生活を楽しむことができるのだ。アボカドに抱きつき、抱かれながら、眠りにつくことができる。
筆者の母親も「死ぬ時はケーキに埋もれて死にたい」とよく口にしているが、好きな食べ物に囲まれるということはそれだけでも幸せなことだ。
このアボカドトレーラーが置かれているのは、シドニーでも有名な観光スポットが点在する、サーキュラー・クウェイ港のキャンパーベルズ・コーブ・ルックアウト橋を見上げる広場。世界遺産でも有名なオペラハウスも近くにあるシドニーの中心地だ。
たとえ寝るだけのトレーラーハウスでも、宿泊者の観光には抜群の立地で、アボカドのプロモーションをおこなうにも目立つことこの上ない場所だ。
アボカド好きの人なら、Avo-Condoに泊まることは夢のような話だ。しかし、オンライン宿泊施設予約サイトのbooking.comから予約可能ではあったが、オーストラリアの、いや、世界のアボカドファンから惜しまれつつ、2019年8月31日で予約は終了してしまった。
しかし、思い出してほしい。
9月中旬には、アボカドファンが毎年待ち焦がれているNational guacamole day (ナショナル・グアカモレ・デー)があるではないか。
グアカモレ( アボカドを潰して、玉ねぎ・トマト・薬味を混ぜたメキシコ料理)が好きな人はもちろん、「なにそれ、食えるの?」という人も、その日に合わせてこのAvo-Condoの再来を願うばかりだ。
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