幅2.9mのタウンハウス。飛行機のように細長いベトナムの「303ハウス」

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京町家のうなぎの寝床よりも、さらに長いヘビの寝床か。ベトナムのホーチミンの中心部に位置する幅2.9mの細長いタウンハウスが、新しくリノベーションされた「303ハウス」。飛行機のキャビンを参考にした機能的なフロアプランと、外の喧騒から隔絶されたモダンデザインのプライベート空間が独特の魅力を放っている。

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「303ハウス」のリノベーションデザインを担当したのは、ホーチミンの若手建築事務所 sawadeesign。ホーチミンの典型的なタウンハウスは、幅よりも何倍も細長い構造のものが少なくない。これらの家の多くは、にぎやかな表通りに直接面しているため、外部の騒音やほこりに悩まされている。

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sawadeesignは、これらの問題を克服するために、混雑した都市環境と静かな休息スペースの間に、機能的な緩衝スペースのレイヤーを作成した。木の壁面の収納スペースの下部には、ペットのための通り道も設けられている。

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タウンハウスは、前面に広いソーシャルエリア、背面に寝室があり、奥に進むほどプライバシーが確保されるフロアプランになっている。プライベートスペースは大きなドアで仕切られており、外部からの騒音を低減し、長い渡り廊下のような通路は、寝室に入る前に空気をきれいに維持してくれている。

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木とベンチのある少し奥まったエントランスを入ると、壁掛けテレビやテーブルと座席のあるフロントエリアが現れる。

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sawadeesignは、シンプルでありながら快適な機能を備えた空間にするために、多くの不要な要素を排除。壁にはグレーの漆喰、床にはグレーのエポキシ塗装が施され、木の家具や壁材が温かみを与えている。

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「303ハウス」は、2.9mの狭い幅を最大限に利用するために、飛行機のキャビンのようなフロアプランを採用。これは、オーナーの息子と同じ航空会社で働いていたお母さんの仕事からインスピレーションを得たもの。飛行機の座席の間を歩くように、家の片側には身の回りのものを隠すための収納が並び、もう片側にはキッチンや椅子、洗濯機などの機能的なものが配置されている。

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小さなファサードにもかかわらず、透明な屋根パネルのおかげで、柔らかな光が内部空間にたっぷりと降り注ぐ。

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ベッドルームのあるプライベートスペースは、最初のトイレとシャワールームの扉の奥に隠されている。

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2つのベッドルームは、小さな木のある中庭スペースで隔てられている。ホテルのようなクリーンなインテリアが、空間に安心と落ち着きをもたらす。

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2つ目のベッドルームの奥の住居の最後部には、2つ目のトイレが配置されている。

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タウンハウスの正面は飛行機をイメージして、リベットを多用したステンレス製の折り戸で、機体から造られたようなデザイン。上に設置された有刺鉄線は、安全対策としてだけでなく、ベトナムのタンソンニャット国際空港のフェンスと同じモチーフとなっている。

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間口の狭い細長いタウンハウスを、飛行機のキャビンのようにモダンにリノベーションするというアイデアが秀逸だ。奥に進むにつれて静けさが増すフロアプランは、住む人の心に寄り添った優れた建築デザインではないだろうか。

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