バルト海を一望。ヘルシンキのオフグリッドキャビン「Majamaja」

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ここは北欧フィンランド。

今回ご紹介するスモールハウス「Majamaja(マジャマジャ)」は首都のヘルシンキから程近くにあるVuorilahdenniemi(ボウリラデンニエミ)というところに建設された。
写真を見る限り、人里離れた大自然という印象を受けるが、なんと首都のヘルシンキから自転車で30分ほど走ればついてしまうほどの距離感のところだ。

フィンランドの建築家「Pekka Littow(ペッカ・リトウ)」が設計したこの「Majamaja」。
主にホリデーハウスや北欧ならではの短い夏を思う存分謳歌するための住まい、サマーハウス用に建てられたものである。

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材木として利用したのはトウヒ材とカバ材の合板。
外壁に使われているトウヒ材は現地のものを使用し、黒くシックに仕上げている。

海の上の、ゴツゴツと露出した不安定な岩の上に設置されているが、このような場所でも家を作れてしまうのがスモールハウスのいいところでもある。

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そして、屋根の上にソーラーパネルを積んでいることからわかるように、オフグリッドハウスでもある。
そのため、電気は自給自足。
インフラをわざわざ整える必要もないので、僻地や大自然の中に置けるのが魅力だ。

細い木製のデッキが、森の終わりの際から生えており、そこを渡って家の入り口に入ることができる。

ドアがもう一つあるが、それは海に面したデッキに出るための扉だ。
天気の良い日などはここで食事を取ったり、日光浴などを楽しむことができる。

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ドアの横には幅の広い一枚窓が取り付けられており、中からこの美しいバルト海を一望できる。
壁一面が窓ガラスなため、そこに壁があるとは感じることがなく、まるで中と外の境界がなく、そのままひとつなぎで繋がっているような感覚に陥る。
つまり、どんな時も自然を身近に感じながら生きていくことができるのだ。

中に入るとキッチンや洗面所、シャワールームまでなんでも揃っている。
トイレはドライトイレ(有機トイレ)を採用するなどオフグリッドハウスならではだ。

シャワーやキッチンも循環方の水道システムを利用しているため、限られた水という資源を有効活用できる。

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室内の壁は主にカバ材を使用しており、キッチンを隠すためのオーシャンブルーの深い青の扉はこのカバ材を利用している。
家具類なども折り畳み式を採用しており、必要な時だけ出すことができるため、収納がしやすく、限られたスペースを有効活用できる。
そのため部屋内も散らからず、シンプルな美しさを誇る北欧デザインにピッタリとあったスタイル。
機能性とデザインが確かに調和している。

このような思想が息づいているおかげで、決して大きなスペースがなくても、快適に楽しく、豊かな生活を送ることが可能となった。

ここで生活することで、都会の喧騒や日々の忙しさから離れ、ゆっくりとエコな暮らしを送ることで、環境への気づきをもたらすということが設計者としての狙いだ。

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これは「City of Helsinki’s Maritime Strategy 2030(シティ・オブ・ヘルシンキズ・マリタイム・ストラテジー2030)」という、ヘルシンキとその周りの島々、そしてそこを囲む海のツアリズムや環境保護の長期的なプロジェクトの元に建設されたものだ。

このMajamajaの他にも様々なオフグリッドキャビンが建設されており、これからも増えていく予定だ。

このような国家ぐるみでスモールハウスやオフグリッドハウスが建てられて行けば、ミニマリズムやスモールハウスの住まいなどがより広く浸透し、人類の住まい方にもよりバリエーションが出てくるように思う。

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