大学生が営む電気代ゼロのオフグリッド生活、30万円で建てた小屋「Off-Grid Tiny House」

Via:tinyhouseliving.com
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アメリカ合衆国バーモント州の南西部にある小さな町・Poultneyに、床面積約9㎡の二階建ての家が建っている。家の前のポーチに腰掛けているのは、この家の持ち主であるロブ・ダンだ。彼は、この家が建つ町・Poultneyにある、小規模なリベラルアーツ校のグリーンマウンテンカレッジ4年生に在籍している。当校は、周囲の雄大な自然環境を生かし、環境に焦点を当てた研究教育を進めている。

ロブは、ニューハンプシャー州のHennikerという町の出身であるが、この1年間、100ワットのソーラーパネル二枚を備えたこの小さな家で、オフグリッド生活を営んでいる。オフグリッドは、いわゆる電力会社の送電網(=グリッド)に頼らず、暮らしに必要な電力を自分で作る生活だ。
ロブは大学で、再生可能エネルギーと、エコロジカルデザイン(生態学的に及び環境保護に配慮したデザイン)を専攻している。この家は、二酸化炭素の排出量を減らすため、そしてお金を節約するためにロブが自ら建てたもので、建物の75パーセントに、再生可能な素材が使用されている。

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オフグリッド生活を送るロブの暮らしは、電力の代わりに、ロケット・マス・ヒーターが支えている。ロケット・マス・ヒーターは鉄製のストーブを、粘土、砂、わらを混ぜた断熱材で覆って作られたもので、彼はこのヒーターで料理を作り、暖房をまかなっている。ロケット・マス・ヒーターは、燃焼力が驚くほど優れており、通常の薪ストーブと比べると非常に燃費が良い優れものだ。

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この建物の建築費はたった30万円で、この建物が建つ土地のオーナーは彼に無償で土地を貸してくれている。大学の学費が高くつくことから、この生活は自分の家計にとって大変役立っているとロブは話す。彼にとって、この家に住むことは、「これまでの人生で、最もイカした経験」なのである。

彼のタイニーハウスプロジェクトは、まだ進行途中である。ロブは、タイニーハウスでの生活を通じ、どのような生活を送ると実際にどれくらいの環境負荷がかかるのかを学んでいる。「心地よく安全な家を持つことは何を意味するのか?」「自分自身とは、また自分自身を取り巻く世界とは何なのか?」ロブは、この重労働とも言える生活を通じ、卒業後の生活へ思いを馳せる。
大学を卒業した後に自分は何をしたいのかは、模索中ではあるものの、他の人々のためのタイニーハウスの建設を考えているという。だがしかし、まずはこの家で、自分自身が通年生活を送ってみることが先決だろう。そこから彼が何を得て、どんな答えを出すのか?これからが楽しみなプロジェクトである。

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(文=佐藤香織)

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