北欧発、コンテナをおしゃれに使いこなす!学生のための家「CPH Shelter」

via: CPH Shelter
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今回紹介するコペンハーゲンの「CPH Shelter」プロジェクトは、未来住まい方会議読者にはもうお馴染みの、どこでも、いつでも持ち運びが可能なコンテナハウスだ。
無骨で何の変哲もないコンテナを、建築プロジェクトなどに華麗に応用する例は数知れない。しかし、有名な家具ブランド「Norman Copenhagen」がデザインを手掛ける「CPH Shelter」は、いろんな意味でちょっと変わっていて、注目の価値がある。

低価格でも、北欧デザインの魅力たっぷり

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一番の魅力は、北欧のデザイン精神が隅々まで生きている点だ。1.シンプル、2.健康的、3.機能的、の3本柱のもとでデザインされた内部は、優れたインテリアを生み出し続ける北欧の底力を感じさせる。北欧産のオーガニックな木材を壁と床に敷きつめ、元の姿を感じさせない暖かで開放的な部屋作りを目指した。

コンテナ三つをつなぎ合わせたかなりのコンパクトさだが、バスルーム、キッチン、ストレージルームを完備。徹底的に計算して作られた内装は、無駄なスペースなく生活するのに必要なだけのすっきりとした空間を提供してくれる。窓際に設置されたベットは、昼は日当たりのよいソファに早変わり。日光の少ないデンマークならではの嬉しい工夫だ。

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via: Spotted by Norman Copenhagen
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と、おしゃれな魅力ばかりを語ってきたけれど、「CPH Shelter」の本当の価値はこれだけではない。

下宿求める学生の避難場所

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そもそもの始まりから説明しよう。「CPH Shelter」は、学生のためのプロジェクトとして出発した。デンマークは物価がもともと高いうえに、首都であるコペンハーゲンは近年、家賃の高騰と宿不足に深刻である。そのしわ寄せは、十分な資金と余裕のない人々にやってくる。

via: Spotted by Norman Copenhagen
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学生も、宿不足と家賃高騰に深刻に悩む人々の一員だ。大学の街でもあるコペンハーゲンは、留学生も含め多くの学生が暮らしており、その大半が、低価格な下宿先を求めて駆けずり回っている。この状況を打開すべく、元産業エリアに注目して始まったのが「CPH Shelter」だ。まだ開発の行われていない放置されたエリアに、工事が始まってもすぐに移動が可能な「Shelter (避難場所)」を作って学生に開放した。

実験段階のプロジェクトだが、今後のイメージ図を眺めると、コンテナを使った新しいアイデアがまだまだ沸いてきそうで、楽しい。

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(文=杉田真理子)

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