【海外事例】17,000本のネジが支える、旅する家。 ガラパゴスに誕生したタイニーハウス「SULA」

住まいは本来、ひとつの場所に腰を据えて建てるもの -そんな常識を軽々と飛び越えるトレーラーハウスが、ガラパゴス諸島に存在する。名前は「SULA」。建築家ディアナ・サルバドールによってデザインされた、アルファベットの“A”を思わせる三角屋根のシルエットを持つプレハブのタイニーハウスだ。
この家のユニークさは、完成した場所よりも“どうやってそこにたどり着いたか”にある。SULAはまずエクアドル本土・キトで設計・製作され、約2,000ものパーツに分解された状態で作られた。なんとそれらを17,000本以上のネジとピンで組み立てるという、まるで巨大なパズル。その部品たちを2つのコンテナに詰めて、はるばるガラパゴスのサンタ・クルス島へ海を越えて運び込んだのだ。


土地を傷つけずに建てる、という選択
現地での組み立ては、エクアドル本土からやってきた10人の専門スタッフによって、約4週間かけて行われた。基礎部分にはコンクリートを使わず、石を金網で囲った“ガビオン”を採用。これにより地面を掘り返すことなく設置ができ、解体・移設も簡単。必要に応じて解体して別の土地へ運ぶことも可能だ。

このキャビンは、ガラパゴスで40年以上暮らしてきたカタリーナ一家のために特別に設計されたもの。居住者への快適さと、自然環境への配慮を両立することが、設計の出発点になっている。
構造材として使われたのは、木材、石、金属、ガラス、PVCの5素材。特に合板は、壁、家具、構造体と多用途に使われており、素材の“使い切り”感が心地よい。PVCは防水材として活躍し、気候の厳しい環境でも安心して住める工夫がなされている。

小さいのに奥行きがある、光と動きのある暮らし
外観はAフレームにヒントを得ながらも、屋根はフラットに近い。まるで「A」の字のフォントが変わったような、ちょっとしたデザインの遊び心もある。室内は両端と側面に配置された窓から自然光がたっぷり入り、吹き抜け空間と明るい木の内装が空間に広がりを生んでいる。


室内には、黒い金属製のはしご型階段がスライド可能な仕組みで設置されており、必要に応じて壁際に寄せることでスペースを広く使える。1階にはオープンリビングとキッチン、奥にはベッドルーム。2階のロフトは、寝室、仕事部屋、あるいはヨガスタジオにもなる多目的空間だ。



“どこに建てるか”ではなく、“どう生きたいか”。
SULAは、そんな根本的な問いから始まった小さな家だ。土地に縛られず、環境と調和しながら、自分らしい暮らしをつくっていく。機能や美しさ、持続可能性までもが丁寧に編み込まれたこの住まいは、「これからの暮らし」を考えるうえで確かなヒントを与えてくれる。


via: design-milk.com
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