YADOKARIをご覧の皆さま、こんにちは。作家の三谷晶子です。さて、本日は先日6月末に私の住む加計呂麻島・諸鈍(しょどん)集落にオープンした宿泊施設、伝泊・奄美『リリーの家』についてお話しをしようと思います。
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こんにちは。暮らしに必要な公共施設。タイトルの通り、小さな二宮町だけど実は充実してるんです。今回はその中でもイベントなども行われ、暮らしに近く二宮を内側から盛り上げるような場所を紹介したいと思います。
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デザイナー東野唯史氏が立ち上げた「ReBuilding Center JAPAN(以下、リビセン)では解体現場から救済(レスキュー)してきた古材、古道具が並んでいる。店内には近所の方と遠方からきたお客さんが入り交じるカフェも併設されている。店内の机や椅子はレスキューしてきた古材だ。カフェの利用を目的として訪れた人が、古材に興味を持つきっかけになるという。
インタビュー3回目は、東野氏が拠点を構える地に選んだ「信州・諏訪」について。
なぜ、人の集まる東京ではなく諏訪に拠点を構えたのかをうかがう。
地域に溶けこむには「あいさつが大切」と東野氏。
元気に、礼儀正しく。地域の人との関係性は、当たり前の積み重ねでできていく。
インタビュー①:古材を通してつくり出したい「ReBuild New Culture」という理念
インタビュー②:古材屋のハードルを下げるカフェの役割
インタビュー③:守るべき場所に拠点を置くこと
インタビュー④:忘れられていた「ものを大切にする暮らし」
東野唯史(あずのただふみ TADAFUMI AZUNO)
ReBuilding Center JAPAN 代表
1984年生まれ。名古屋市立大学芸術工学部卒。2014年より空間デザインユニットmedicalaとして妻の華南子と活動開始。全国で数ヶ月ごとに仮暮らしをしながら「いい空間」をつくりつづけてきました。2016年秋、建築建材のリサイクルショップReBuilding Center JAPANを長野県諏訪市に設立。ReBuild New Cultureを理念に掲げ、「世の中に見捨てられたものに価値を見出し、もう一度世の中に送りだし、次の世代につないでいく」ことを目的に活動しています。
「medicala(メヂカラ)」の活動から出会った「諏訪」という街

リビセンが拠点を構える諏訪市。最寄りの上諏訪駅は新宿から最速2時間12分だ。
ーー東野さんが拠点に選ぶことになる諏訪との出会いを教えてください。
東野:2014年に「medicala(以下、メヂカラ)」の活動で施工した「マスヤゲストハウス」がきっかけですね。
ーーどこを拠点に選ぶかは重要かと思いますが、なぜ「諏訪」を選んだのでしょうか?
東野:メヂカラの活動でしばらく定住をせず、全国各地を点々としていたのでリビセン自体は、どこでもできると思っていました。ただ、リビセンをつくるにあたって大きく2つの条件を考えました。
ーー条件。
東野:ひとつは「古材の入手が容易であること」、すなわち取り壊しのある物件が多いことでもありますね。リビセンをつくるまで二年ほど諏訪に住んで、全国へ飛び三ヶ月ぶりに帰ってくると何個か建物がなくなっていることがあったんです(笑)。本当にすごいスピードで建物が取り壊されて。
ーー取り壊しが多い。
東野:もうひとつの条件は「アクセスがよいこと」です。

ーー確かに東京からのアクセスはとてもいいというのは身をもって感じましたね。
東野:東京からは甲州街道、名古屋へは中山道が伸びていて二つの街道が交わる場所がこの諏訪の地でもあるんですよね。
ーー交通の便も踏まえて場所を。
東野:車を持っていない人でも来てもらえる場所がいいという思いはありましたね。僕は古材屋としてビジネスを成功させるわけではなく、古材を使う人が日本に増える状況をつくりたかったから。たくさんの人が東京含む首都圏、もしくは名古屋などの大都市圏に住んでいて、メディアを使いこなして情報発信をする状況があるなら、首都圏に住む人が来やすい場所にリビセンがあることはいいことだと思いました。公共交通機関でこれて、なおかつ駅から徒歩圏内の場所という意味でも諏訪はよい場所ですね。
地域になじむことは「あいさつ」からはじまる

取材当日は3月下旬にも関わらず天気は雪。
ーー移住という形で諏訪に拠点を構えたかと思いますが、移住でのハードルとして「地域の方々とのおつきあい」ってあるのではないかと思っています。そのあたりはどうでしょうか?
東野:すごくちいさな範囲で見てみると、リビセンのある地区の方々はすごく歓迎してくださっていると感じますね。
ーーどういう時にそう感じますか?
東野:冬、雪かきをしていると通り過ぎる人がわざわざ車を止めて窓を開けて「今まで20年間誰も雪かきをしてこなかったから助かる」って言ってもらえたり、解体現場から古材や古道具を救済するレスキューの話をいただいた時ですかね。この建物は20年空き家の状態だったのですが、通りに面したワンブロック分の敷地にリビセンがオープンしたことで人の気配があることを地域の方に喜んでいただけています。
ーーご近所づきあいは良好なんですね。移住していきなり大きな建物ができると「よそ者」だと感じて、快く受け入れていただけないことも多いと思うんです。その辺り、どうやって関係性をつくってきたのでしょうか?
東野:まず、大きな声で誰にでも挨拶をすること。あとは区の仕組みをちゃんと理解することかな。このあたりは温泉が多くて地区の住民が毎月決まった金額を払うと鍵をもらって入れる住民専用の温泉があるんですけど、みなさんご家庭にも温泉が通っているんですよ。施設を維持するためにお金を払っているんです。そういう習慣を理解した上で、僕達も温泉が使いたいからお金を払っています。区の総会にも出席し、住民の方との関わりを持っています。

レスキューしてきた古材や家具広い店内に並ぶ。
ーーなるほど、当たり前のことを当たり前にやる。東野さんはコミュニティー構築がごくごく自然にできている印象があります。
東野:リビセンの目標はコミュニティーをつくることではなくて文化をつくることで、その軸はぶれないですね。文化をつくるために自分たちの情報をオープンにしたり、地域の人含めて色んな人を巻き込まなきゃいけないと思っていますけど、目的はあくまで文化をつくること。ただ、気づいたらそこにコミュニティーができている状況はあるかもしれないですね。
ーー気づいたらそこにコミュニティーができている状況。意識せずに気づいたら出来ているということでしょうか。
東野:はい。「コミュニティーってどうやったらできると思いますか?」と聞かれることがたまにあるのですが、本当に普通にご近所さんに元気にあいさつしていればいいんじゃないですかねって答えるようにしています(笑)。スタッフのみんなも人懐っこくて、色んな人を褒めることができる。それってすごくいいと思うんですよね。褒められて嫌な気分になる人っていないじゃないですか。本当に普通のことです。
普通のことを普通に行う。「挨拶」はその最たる例だろう。
決して気張らず、地域へ溶け込む東野さんの言葉にハッとさせられた。
地域に溶け込むことはむずかしいことではない。
自分がされて嬉しいこと、気持ちのいいことを積み重ねることなのだろう。
次回、東野さんの考える「豊かな暮らし」についてうかがう。
インタビュー④:忘れられていた「ものを大切にする暮らし」
シンプルだからこそ人それぞれの求める生活に対応し、移動もできて、サステナブルな暮らしの可能性も広げてくれる家。ドイツ生まれの「Futteralhaus」は、考案者であり建築家でもあるクレノイさんと、“ミニマリスト的な室内空間の設計”を特にテーマとしている建築家のズーコヴァさんによって生み出された。
ミニマリストデザイン、テクノロジー、自然建築材料。一見シンプルながらも、造り付けの家具や太陽光発電の採用など、デザインと機能性に富んだこだわりが随所に表れている。
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グローバルに展開するデザインコンサルティングファームであるIDEO(アイディオ)は世界的にみても非常に革新的な企業のひとつであり、シンガポール、東京、シカゴ、ロンドンなど世界に10拠点を置くデザインコンサルティングファームである。1991年に創業し、Apple社の初代マウスをデザインしたことで一躍有名となった。
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ここはベルギーの代表的な観光都市、ブルージュの郊外。この場所を訪れる人は皆、シンプルで洗練された、直方体の建物が印象に残るはずだ。いや、これは建物というより……箱?
箱に見えるのもそのはず、この建物の名前は「Ark Shelter」。Arkといえば、特に西洋社会では旧約聖書に登場する伝説の方舟(はこぶね)をイメージする人も多いはず。大洪水から古代の人々を守った方舟よろしく、慌ただしくてストレスフルな社会から現代人を救出するために設計されたのが、この現代の方舟というわけだ。
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まずお部屋にダイニングセットを置いてみました
はじめまして。
国際中医師・中医薬膳師の長岡桃白(ながおかとうはく)と申します。
このたび、入居者兼ライターの一人として二宮団地の暮らしを紹介させていただくことになりました。
わたしは東京都目黒区に暮らしていて、編集の仕事をするかたわら、中医薬膳師として薬膳セミナーなどの活動をしています。
お仕事もふたつですが、これからはおうちもふたつ。二宮での豊かな暮らしを楽しみたいと思います。
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全国各地の現場へ赴き施工を行い、また次の現場へ。東野唯史さんはデザインチーム「medicala(以下、メヂカラ)」として2012年から奥さんの華南子さんと共にゲストハウスを始め数多くの物件の施工に携わった。2016年8月にはクラウドファンディングを活用し、資金の一部を調達。長野県諏訪市で解体現場から引き取った(レスキューした)古材や古道具を販売する「ReBuilding Center JAPAN(以下、リビセン)」を設立した。
リビセンの掲げる理念「ReBuild New Culture」は、世の中に見捨てられたものに価値を見出し、ふたたび世の中に送り出すこと、そしてその価値を次の世代につなげていくこと。

解体現場から古材のレスキューを行う東野氏。レスキューへ向かうのは、基本的に車で一時間圏内。月に一件遠方に伺うこともあるそう。
前回のお話は、東野さんがリビセン設立前から活動をしているメヂカラで感じた周りの人を巻き込む楽しさ、古材の持つストーリー性について。
今回は、モデルとなったアメリカオレゴン州・ポートランドの「ReBuilding Center」が持たないカフェの役割について、そして無事設立を迎えたリビセンを支えるスタッフについてうかがう。
リビセンにおいて、カフェの役割のひとつは古材と潜在的な古材のユーザーとをつなぐこと。
カフェは人が集まる場づくりだけでなく、マグネットとしての役割も果たすのだ。
インタビュー①:古材を通してつくり出したい「ReBuild New Culture」という理念
インタビュー②:古材屋のハードルを下げるカフェの役割
インタビュー③:守るべき場所に拠点を置くこと
インタビュー④:忘れられていた「ものを大切にする暮らし」
東野唯史(あずのただふみ TADAFUMI AZUNO)
ReBuilding Center JAPAN 代表
1984年生まれ。名古屋市立大学芸術工学部卒。2014年より空間デザインユニットmedicalaとして妻の華南子と活動開始。全国で数ヶ月ごとに仮暮らしをしながら「いい空間」をつくりつづけてきました。2016年秋、建築建材のリサイクルショップReBuilding Center JAPANを長野県諏訪市に設立。ReBuild New Cultureを理念に掲げ、「世の中に見捨てられたものに価値を見出し、もう一度世の中に送りだし、次の世代につないでいく」ことを目的に活動しています。
新婚旅行で訪れたポートランドでの気付き

所狭しと並ぶ古道具の数々。まるで宝探しをしている感覚だ。
ーー本国の「ReBuilding Center」へは新婚旅行の際に訪れたんですよね?
東野:メヂカラの活動でゲストハウスをつくったりコミュニティーのハブ(つなぐ存在)となるような飲食店をつくったりする中で、知り合ったみなさんと話していると、まちづくりの文脈でポートランドの話題がよくあがっていたんです。名前はよく聞くけど、行ったことがないからひとまず行ってみようということで、新婚旅行でポートランドを訪れました。
「ReBuilding Center」へ足を運んだとき、店構えから地域に愛されていると感じましたね。ビジネスライクな雰囲気を感じさせず、だけどしっかり売上を確保して事業として自立している雰囲気。スタッフは30名ほど雇用して、年間2000名のボランティアを受け入れていて、ちゃんと経済が回っている印象も受けました。いいなと感じ、帰国して数ヶ月後に問い合わせフォームから連絡をし、エグゼクティブディレクターから返事をいただきました。
カフェが古材と触れ合うきっかけに

カフェの窓から見える古材。東野唯史氏(左)とYADOKARI代表ウエスギ(右)
ーー「ReBuilding Center」にはなかったカフェを併設したのはなぜでしょうか。
東野唯史氏(以下、東野):カフェを併設することで、一般の方にも足を運んでもらいやすくしたいと思ったからです。文化として受け入れてもらうためには専門的に古材を使用する方だけに受け入れられる施設ではなく、誰でも訪れやすい場所がいいですよね。普段古材に触れたり、古材を使用する機会が少ない一般の方がリビセンへ足を運んでいただくことが、「ReBuild New Culture」の理念を果たすために必要だと感じました。
ーー確かにカフェがあることで、古材を買う買わない関わらず、立ち寄る人が多そうです。窓には、カフェの風景とは思えない景色が広がっていますね(笑)。
東野:カフェの窓から古材が見えるのがいいんですよね。八ヶ岳や諏訪湖じゃなくて、古材を見ながらお茶をする場です(笑)。
ーーこうやって古材が並んでいると、最初はカフェを目的としてこの場を利用したお客さんも「ちょっとなにかつくろうかな」という気持ちになりそうです。
東野:それを狙っているんです。基本的にこのお店の椅子や机もレスキューしてきたものばかり。「あ、これだったら自分でも簡単につくれそうだな」って思ったら、うちで古材を買ってつくってもらってもいいし、自分ちの近所で解体があったら、声をかけて自分で材料をもらってつくっちゃってもいい。きっかけになったらいいなと思っています。
食卓を囲み、生まれるコミュニケーション

ーーリビセンのスタッフは今何名くらいで活動されているんですか?
東野:僕も含めて7名、全員県外出身のよそ者ですね(笑)。創業時のメンバー2名に加え、年末にSNSを通して3名のスタッフを迎えました。今はみんなで一緒に住んでいます。
ーーみんなで一緒に?
東野:リビセン近くの空き家をお向かいさんに紹介していただき、僕ら夫婦以外はみんな一緒に住んでいます。
ーーみなさんで一緒に生活することってどうですか? 寝食ともにすることで、仲良くなりそうな気がしますが。
東野:ご飯は基本的に華南子がみんなの分をつくって、ここで食べていますね。今日の朝も昨日出した残り物のカレーを食べて。まかない費を1万円払ったらなんとなく三食食べられるような仕組みにしています。お昼は誰か手が空いた人がみんな分の食事をつくったりもしていますね。
ーー食卓をみんなで囲むのっていいですよね。昔の家内制手工業で、住み込みの職人さんと一緒に食事をするような感覚に近いのかな。
東野:食事は意識しますね。みんな忙しく動いていて、なかなかコミュニケーションがとれないんです。ミーティングをしないとコミュニケーションがとれないっていうのは変だなと思っています。みんなで食卓を囲むことで自然と「今日こんなお客さんが来てくれて嬉しかった」とか「こんなレスキューにいってこんなことがよかった」ってその日あった出来事や感情を共有できるからいいですね。
ポートランドの「ReBuilding Center」になかったカフェの導入に、現地のディレクターは「カフェはマグネットになる」と歓迎してくれたという。
「古材」と聞くと、どこか専門的で日常に取り入れるにはなかなか取っ付きにくい印象を受ける方も多いだろう。
「ちょっとコーヒーを飲みに」
「お腹が空いたからカレーを食べに」
ふらりと立ち寄れるカフェには人々の制作欲をくすぐる工夫がちりばめられていた。
次回、拠点として選んだ信州・諏訪の地域の人との関わり方、地域になじむことについて東野さんにうかがう。
インタビュー③:守るべき場所に拠点を置くこと

日本における住宅診断(ホームインスペクション)の草分け的存在である不動産コンサルタントの長嶋修さんのインタビューの後編をお届けする。
前編では、空き家問題を解消するためには新築偏重の従来の価値観を転換し、中古住宅の実質的な価値を評価し、活かしていくことが大切だとうかがった。
今回主題となったのは、中古住宅の再生が実際に効果をあげるために必要な取り組みとはどんなものか。私たちにできることはあるのだろうか?
長嶋修(ながしま おさむ)
さくら事務所創業者・不動産コンサルタント。不動産デベロッパーで支店長を務めた後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、「不動産の達人 株式会社さくら事務所」を設立。現会長。また、住宅の安全性を測るホームインスペクション(住宅診断)の分野では、そのパイオニアとして、「NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会」を設立するなどして、普及・発展に務めている。著書に『「空き家」が蝕む日本』(2014年 ポプラ社刊) 『不動産格差』(2017年 日本経済新聞出版社刊) 他、多数。
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前回のコラム「家族のかたち、家のかたち」では、中古のスクールバスをリノベーションし、アメリカ中を旅したある家族の話から、家族と住まいのかたちについて考えました。そこには、家族のかたち、家族との距離感を改めて見つめ直すための、「家」と「時間」がありました。
家族は、私たちにとって確かにかけがえのないもの。しかし、近過ぎると逆に息苦しさを感じてしまうことも、多くの人にとって経験のあることかもしれません。
▼ 記事本編はこちら
https://house.muji.com/life/clmn/small-life/small_170711/
ルーフテントとは「車の上に取り付けられる組み立て式テント」のこと。Zifer ItaliaのAutohome Maggiolinaは、どうやらその世界の“元祖”に当たるらしい。とても簡単に、たったの1分でテントに変化する優れものだ。
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