デザイン性とセキュリティを兼ね備えた、スペインの食料配給施設「SDA Campclar」

Via: archdaily.com
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SDA Campclar はスペイン・タラゴナで開催されたThe IX Tarragona Architectural Exhibitionにおいて最優秀賞を受賞した建物である。スペインの若手建築デザイン事務所NUAによってデザインされ、低所得者に食料を配給するための公共のフードセンター・食料配給施設である。

金属製材料を使用しコストを削減、プレハブ工法によって施工期間は3ヶ月と大幅に短縮された。あらかじめ作られたパーツの組み立ては、120人のボランティアによって一度に仕上げられたそうだ。
赤レンガで装飾された壁は防犯も兼ねている。ヨーロッパでは、一階の通りに面した家や店舗には、窓に格子をつけて割られないようにしているのを見かけることが多い。これらは外観上、美しいとは言い難いのだが仕方がない。
この施設はフードセンターなので内部には常に食料がある。それゆえ防犯には念を入れる必要があるのだろう。内側の窓を開けていても格子があるため安全で、格子で組まれた隙間から風が通るので、快適でもある。見た目の美しさも申し分ない。

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深緑色の金属製の壁も敷地の柵に利用されているのと同じ色で、荷物の出し入れ用のシャッターの白色はすっきりと清潔感がある。建物全体が洗練され、周りの景色と見事に調和している。

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内部は貯蔵室、サービスゾーン、配布ゾーンによって構成されている。ガラスドアによって仕切られているが圧迫感はない。優しいミントグリーンと白のカラーリングも爽やかだ。セキュリティ上、密閉されたデザインではあるが、ドアを開けると自然光が入るように考えられている。建物を利用するすべての人々が気持ちよくいられるような配慮が感じられる。

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予算が低くても工夫次第で美しいものを創りだせるというのがよくわかる建物ではないだろうか。
人々の生活をより豊かに、よいものにしたい、という建築デザイン事務所NUAのこれからにも期待したい。

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(文=加藤聖子)

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