コンテナが持つ可能性。NY・タイムズスクエアにあるホットドッグショップ

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コンテナ、と聞くと荷物置き場や空港や港で見かける輸送に使う箱などをイメージされるのではないでしょうか。
なんとなくおしゃれとはかけ離れた印象を持つコンテナが、なんと大都会、ニューヨークのタイムズスクエアのど真ん中に配置されているのです。

きらびやかな繁華街に溶け込むゼブラ柄の塗装を施されたコンテナの正体は、「snackbox」。元々は海上輸送に使われていたコンテナを再利用したものだそうです。「snackbox」ではコーヒーやホットドッグなどの軽食をいただけるのですが、人気の秘密はものめずらしさだけではありません。

店を手掛けているのはニューヨーク、ユニオンスクエアにも店を構え、独創的なレストラン経営者として知られるJonathan Morr氏。牛肉を100%使用したホットドッグは、燻製にしてから鉄板で焼き、手作りのソースで仕上げます。この味へのこだわりがニューヨーカーの心をつかんでいるのです。
道沿いに店を構える「snackbox」は、朝ご飯も食べずに家を出てしまうくらい忙しい朝にぴったり。世界の海を旅したかつてのコンテナの姿を想像しながら絶品のホットドッグを注文すると、気分も変わりますよね。

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「snackbox」は、それぞれカナダのモントリオールに拠点を構える、建築・設計会社のaedificaと、これまでもコンテナを活用した飲食店を手掛けた実績を持つmuvbox2社の共同事業。コンテナの特徴を活かして移動ができるよう作られており、水や電気を独自で供給できる設備が整えられています。水はきれいな水と再生水のタンクを床に収納。電気は、電気バッテリーと発電機を組み合わせたハイブリッドエネルギーを利用しています。

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コンテナを活用した店は既に日本にもあります。

宮崎県日南市では、シャッター街となっていた商店街の空き地に、6つのコンテナを設置して店を誘致した「ABURATSU GARDEN(油津ガーデン)」が、地方活性化の一例として注目されています。地元出身者が作るスイーツやパン、子どもの洋服店などが出店しており、商店街としての機能を保ちつつ、優しい色合いの塗装が施されたコンテナが並ぶ光景は、まるで大人の秘密基地のようです。広島カープのキャンプ地として知られている日南市ですが、ABURATSU GARDENを始めとした地方活性化事業により、キャンプシーズンのみならず多くの観光客が訪れるようになったそうです。

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コンテナを活用したまちづくりは、店を誘致することだけではありません。コンテナを交流の場としての活用に重点を置いたのが、佐賀県佐賀市の街なか賑わい再生事業「わいわいコンテナ」です。

ここには3つのコンテナがあり、本が読める読書コンテナや、地元の人同士の繋がりを作るための交流コンテナの他に、チャレンジコンテナという企画スペースが設置されています。出店や作品展といった用途でコンテナ内のスペースを貸してもらえる、まさに挑戦の場です。ここでは誰もが主役になれる、そんな場所って素敵ですよね。

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コンテナのメリットは、低コストで出店しやすく、オーナー好みにデザインや内装のカスタマイズができる点です。初めて店を持つ経営初心者にはもちろん、既に経営者として一旗あげている人でも、経歴に関係なく同じ土俵に立ち、中身で勝負ができるのも魅力なのでしょうか。
かつては日常生活から少し離れた場所に置かれていたコンテナは、今や日常を楽しむヒントを私たちにもたらしてくれる、身近な存在になりつつあるのかもしれません。

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