#19 里山団地の暮らしの彩り。記念日に押し花を作りました。|YADOKARI✕公社二宮団地
『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
(俵万智さんの「サラダ記念日」より)
なにかと慌ただしく過ぎていく毎日ですが、ちょっと嬉しいことがあった日や暮らしの節目の日に、足元に目をやり自分好みの草花を摘んで部屋に持ち帰ってみてはいかがでしょうか。
二宮団地に引っ越して、もうすぐ3ヶ月が経ちます。
私は引っ越してきた五月一日を「団地記念日」とし、その日に摘んだ草花をスクラップし、暮らしを彩る「押し花」をつくってみました。
団地には個人で占有できる庭はありませんが、棟と棟の間には余白のような空き地が点在しています。
気に掛けなければなんでもない空き地ですが、春にはタンポポが咲き、モンシロチョウがひらひらと飛んだりして、季節を感じることのできる豊かな共有の庭です。
押し花と聞くと「花」がメインに感じてしまいますが、今回は団地の空き地に生えている、いわば「雑草」をモチーフとしたグリーンの押し花といったところでしょうか。
使う材料は、スケッチブック(雑誌等でも大丈夫です)とキッチンペーパーと重石。重石は身近にあるもので代用してもらっても大丈夫です。
今回は、私が五月一日に摘んだ春の草花を例にご説明をしたいと思います。
なるべく、葉や茎が薄く、水分の少なそうな草花を選びます。
大きな葉っぱや厚みのあるものは乾燥に時間がかかり、カビの原因になるので避けた方がベターです。
スケッチブックにキッチンペーパーを挟み、その間に植物を並べます。
重石をのせて、約3日。スケッチブックを開き、草花の様子を確認します。
水分がほどよく抜け、しんなりとしてきますので、ピンセットや爪楊枝などをつかい、折れた葉っぱや重なった枝を丁寧に開いていきます。
この際、大事なのは完成をイメージしながら、植物の持つ「綺麗な線」を生かすようにレイアウトすることです。
再び重石をのせて、約3週間。
しっかりと植物が乾燥していることを確認したら、完成です。
今度はいよいよ額装の準備です。
背景になる紙を、画材屋さんや文房具店で買いましょう。
私は近所のホームセンターの画材コーナーで買いました。
植物の質感を活かしたかったので、ツルっとして凹凸のないシンプルな質感の「ケント紙」を選びました。
ある程度の厚紙が良いです。
色はそれぞれに少し変化をつけて、オフホワイト、アイボリー、ライトグレー、ブラックの4色で構成しました。
植物の線や形が活きるよう、ある程度の余白のスペースを設け、窮屈にならないようにすることが大切です。
枠は縦長や横長にしたり、何本かまとめて額装してもリズム感があっておもしろいですね。
私の場合は、現場の木っ端を再利用して額を作り、ガラス屋さんに厚さ2mmの透明ガラスを希望のサイズに切ってもらって額を作りました。
額屋さんにオーダーすると、高価になってしますので、既製品の額やフォトフレームを利用するのも良いと思います。
なんでもない空き地の、名もなき草花から季節の変化を感じることができるのも、里山団地の魅力のひとつかもしれませんね。
(2017年7月31日記事公開)