2026年3月、建て替えのため長期休館に入った「神奈川県民ホール」の特別企画「神奈川県民ホールがやってくる!」の一環として、ステージ仕様に変身したYADOKARIのトレーラーハウスを活用した移動型コンサート「どこでも音楽便」が開催されました。
今回のイベントは、劇場が閉じている間も地域へ文化芸術を届けたいという想いからスタート。鎌倉市の神社(鎌倉宮)、二宮町の原っぱ(東大果樹園跡地)、大磯町の港(大磯港内広場)の3か所にトレーラーハウスが出現し、神奈川県主催・鑑賞無料のコンサートが行われました。3回にわたって行われたコンサートの来場者はのべ3,640名。大盛況の中行われた、3つのコンサートの様子をご紹介します。

①鎌倉宮境内(鎌倉市)でのコンサート
静かな境内の雰囲気に合わせ、4枚のガラス戸側を客席に向け、マイクの音を抑えたアコースティックな生音に集中できる配置に。ヴァイオリンとピアノの豊かな音色が境内に響き渡りました。

②みらいはらっぱ(二宮町)での演奏会
8枚ガラスの開口部を全面に広げ、背景の広大な緑の景色がステージ裏に溶け込むように配置。子どもたちが芝生の上で遊びながら、家族でフラットに音楽を楽しめる空間になりました。

③大磯港内広場(大磯町)でのステージ
海の先にある灯台とトレーラーハウスが一直線になるよう配置をデザイン。毎月第三日曜日に行われているイベント「大磯市(おおいそいち)」と同時開催され、海の風景に深くマッチしたポップスや児童合唱が登場しました。
3日間で合計3,640人以上の方が来場。足が不自由で遠方のホールまで行くことが難しかったシニア層からは「自分たちの町で演奏会を開催してくれて嬉しい」とのお言葉も。トレーラーハウスの「どこへでも行ける」という可動性を活かすことで、すべての人が身近に芸術文化を楽しめる、新しい公共劇場のあり方を提示する特別なイベントとなりました。
9mトレーラーハウスの特徴

1:景色を背景に取り込める全面スケルトンデザイン
ガラス戸の開口部が広いスケルトン仕様なので、周囲の豊かなロケーションをそのままステージの背景として取り込むことができるのが魅力。地域の魅力を最大限に引き出す空間づくりに貢献しました。
2:場所を選ばずに劇場の機能を届ける「可動性」
ナンバープレートをつけた「車両扱い」の空間であれば、どこへでも出かけていくことができるのがトレーラーハウスの魅力のひとつ。「劇場に来てもらう」のを待つだけでなく、こちらから出向いていく機会として今回の演奏会が行われたことにより、移動が不自由な方やアートに触れる機会が少ない地域へも、文化芸術をお届けすることができました。