検索する

YADOKARIについて

お役立ち資料

お問い合わせ

MAGAZINE

タイニーハウス、最前線

【海外事例】住まいのはじまりへ、もう一度。原始の住まいに立ち返る建築家の小屋「House Gapfohl」

  • Xでシェアする
  • Instagramをフォローする

House Gapfohlは、建築事務所Bernardo Bader Architektenが手がけた小屋だ。住まいの原点を見つめ直すところから、この建築は始まっている。

つくり手は、ハットを建て、組み上げるという行為そのものに、ずっと惹かれてきたという。そこに宿る一時的で簡素な暮らし方にも。House Gapfohlは、その長い関心がひとつのかたちになったものだと言えるだろう。

ウィトルウィウスから続く原始の小屋

建築家たちが立ち返ったのは、「原始の小屋」という考え方だ。その源は、建築家ウィトルウィウスにまでさかのぼる。

自然のなかの住まいを理想化したこのモデルは、のちの時代の建築理論に深い影響を与えた。なかでも知られているのが、マルク=アントワーヌ・ロジエによる議論だ。

人は「住まいとは何か」を問うたびに、この素朴な原型へ戻ってきたのかもしれない。House Gapfohlもまた、その系譜の先に自らを置いている。

新しさを競うのではなく、はじまりを思い出す。そんな静かな姿勢が、この建築の根っこにある。

一時的で、簡素であるということ

Bernardo Bader Architektenが惹かれてきたのは、ハットという形式が暗に示す暮らし方だ。それは一時的で、簡素なものだという。

ずっとそこに留まるためではなく、ひととき身を寄せるための場所。たくさんのものを持ち込むのではなく、必要なものだけで過ごす場所。

そう考えると、住まいはぐっと軽やかになる。所有することよりも、そこで過ごす時間や、目の前の風景のほうが前に出てくるのだろう。

小さく、動くように、自由に暮らしたいと願う人にとって、この感覚はきっと身近なものだ。

その場所でしか生まれない住まい

建築家たちがとりわけ関心を寄せるのは、その場所に固有であることだ。どこにでも置ける箱ではなく、その土地だからこそ生まれるかたち。

そしてもうひとつ、人がどのように周囲と関わり、それを体験するかということ。住まいは、外の世界を遠ざけるための殻ではなく、周囲と出会い直すための装置でもある。

写真はGustav Willeitが撮影している。一枚一枚を通して、この建物と環境との関係に思いを巡らせてみるのもいいだろう。

住まいを小さくすることは、何かを諦めることではない。むしろ、場所や季節とじかに向き合う余白を取り戻すことなのかもしれない。

限られた空間を丁寧に使い、移ろう四季に耳を澄ませてきた日本の暮らしにも、どこか通じるものがある。原始の小屋という古い問いは、いまを生きる私たちにも、自分にとっての住まいの原点を静かに問いかけている。

House Gapfohlのデータ

  • 物件名:House Gapfohl
  • 設計:Bernardo Bader Architekten
  • 写真:Gustav Willeit

House Gapfohlのよくある質問

Q. House Gapfohlの設計者は?
A. 建築事務所Bernardo Bader Architektenが手がけている。

Q. House Gapfohlはどんな考えから生まれた?
A. ウィトルウィウスにさかのぼる「原始の小屋」の概念を出発点に、一時的で簡素な暮らし方と、場所に固有であること、周囲の環境との関わり方を重視している。

Q. House Gapfohlの写真は誰が撮影した?
A. 写真はGustav Willeitによるものだ。

via: https://www.archdaily.com/1183261/house-gapfohl-bernardo-bader-architekten

関連:トレーラーハウスの記事一覧/小屋の記事一覧/タイニーハウスの記事一覧

関連記事

TINY HOUSE JOURNALタイニーハウスの“現在”を知る

記事一覧へ