\ひと記事でまるわかり/トレーラーハウスとは?事務所や住宅などの使用用途や価格、メリット・デメリットなど


トレーラーハウスをご存知でしょうか?
近年、住居やオフィス、店舗など、様々な用途で注目を集めているトレーラーハウス。移動が可能なことや、建築基準法の適用を受けないなど、従来の建物にはないメリットが多く、ビジネスパーソンからも熱い視線を浴びています。

本記事では、トレーラーハウスの特徴やメリット・デメリット、価格、さらには用途別の活用事例まで詳しく解説していきます。建築物やドームテント、コンテナハウスなど、他の選択肢とも比較検討している方は、ぜひ参考にしてください。

木のぬくもり溢れるトレーラーハウスの内観

トレーラーハウスとは?キャンピングカーや小屋との違い

トレーラーハウスとは、移動可能な車両として登録される建築物の一種であり、日本でも近年注目を集めています。トレーラーハウスは、一般的な建築物とは異なり、車両扱いとなるため、建築確認申請が不要であり、移動することが前提の設計となっています。そのため、住居や事務所、店舗など幅広い用途に対応し、企業や個人のニーズに応じた柔軟な活用が可能です。

キャンピングカーとトレーラーハウスの違いは、主に利用目的と性能の違いにあります。キャンピングカーは短期間の旅行やレジャー用途に適した作りであり、車両一体型であるため、そのまま運転することが可能です。一方、トレーラーハウスは、長期滞在や居住を想定した設計であり、広い居住スペースや快適な断熱性能を備えています。また、トレーラーハウスは牽引することで移動可能ですが、普段は定位置で設置して使用されるこが多いのも特徴です。

小屋(タイニーハウス)との違いとしては、トレーラーハウスは法律上「車両」として扱われる点が大きな特徴です。小屋は一般的に固定された建築物であり、設置時に建築基準法の規制を受けることが多く、移動することは想定されていません。これに対し、トレーラーハウスは輸送や設置の自由度が高く、必要に応じて別の土地へ移動することも可能です。

このように、トレーラーハウスはキャンピングカーや小屋とは異なり、移動可能でありながら、長期間の利用にも耐えうる快適な居住空間を提供する点が大きな魅力です。

自然の中に佇むトレーラーハウス

トレーラーハウスの車検について

トレーラーハウスの車検について理解するためには、まずトレーラーハウスの種類を知ることが重要です。トレーラーハウスは大きく分けて「車検付きトレーラーハウス」と「特殊車両トレーラーハウス」の2種類があります。

車検付きトレーラーハウス

車検付きトレーラーハウスは、車検を取得することで公道を走行可能なタイプです。適切に車検を更新すれば、いつでも移動が可能ですが、サイズや重量に一定の規制があります。
さらに、車検付きトレーラーハウスには「一体型車検」と「分離型車検」の2種類が存在します。

1.一体型車検

シャーシと上物が一体で車検を取得するタイプ。上物を含めた状態で車検更新が可能。

車検頻度:初回2年、以降2年ごと(ただし水回り付きのみ)。
サイズ規制:長さ12m以内、高さ3.8m以内、幅2.5m以内。
重量規制:総重量3.5t以内。

2.分離型車検

シャーシ部分のみ車検を取得し、上物は積載物として扱われる。
車検更新時には上物を一時的に撤去する必要がある。

車検頻度:初回2年、以降1年ごと。
サイズ規制:高さ3.8m以内、幅と長さは車両の幅と長さのそれぞれ10%ずつはみ出しが可能。
重量規制:総重量3.5t以内。

特殊車両トレーラーハウス

特殊車両トレーラーハウスは、車検を取得しないタイプで、移動時には「基準緩和認定申請」を提出し、「特殊車両通行許可」を取得する必要があります。これにより、一時的に公道を通行することが可能となります。ただし、移動のたびに申請が必要であり、手続きが煩雑になる点がデメリット。
自治体によっては、特殊車両トレーラーハウスは建築物と見なされる場合もあります。

トレーラーハウスのメリット

トレーラーハウスには、従来の建物にはない多くのメリットがあります。

・移動が可能:設置場所を自由に選べるため、ライフスタイルやビジネスニーズの変化に対応しやすい。
・建築基準法の適用を受けない:建築確認申請や固定資産税が不要な場合があり、コストを抑えられる。
・設置期間が短い:基礎工事が不要なため、短期間で設置が可能。
・デザインの自由度が高い:内装や外装を自由にカスタマイズできる。
・中古で購入すれば初期費用を抑えられる
・災害時に移動できる

これらのメリットから、トレーラーハウスは、住居、オフィス、店舗、別荘など、様々な用途で利用されています。

トレーラーハウスのデメリット

トレーラーハウスは自由度が高く、ライフスタイルに合わせた住まいとして注目されていますが、導入にはいくつかのデメリットもあります。ここでは、トレーラーハウスを検討する際に注意すべきポイントを解説します。

1. 設置場所の確保が必要

・適切なインフラが整った土地を用意する必要がある(給排水・電気接続が可能な場所)
・土地の整地や基礎工事が必要な場合があり、追加費用がかかる
・特に地盤が弱い場所では、安全に設置するための補強工事が求められることも

トレーラーハウスはどこにでも設置できるわけではなく、特に水道や電気の確保が課題となることが多いです。

2. 移動にはコストと手間がかかる

・公道を移動するためには車検の取得が必要で、手続きに手間と費用がかかる
・牽引車両の手配や運搬費用が高額になる可能性がある(距離や設置場所によって10〜100万円ほど)
・設置後に移動を予定している場合は、移動のたびに費用と準備が発生する

トレーラーハウスは「動かせる家」として魅力的ですが、実際に移動させるにはご自身が牽引車両と牽引免許を取得するか、業者に頼む場合はコストがかかります。

3. 法規制の制約を受ける

・道路交通法などの法律を遵守する必要がある
・自治体によってはトレーラーハウスの設置に制限がある場合も

トレーラーハウスは建築物ではなく「車両」として扱われることが多いですが、それでも自治体のルールに準拠する必要があります。

4. 居住性や快適性の問題

・断熱性や気密性が住宅より劣る場合がある(特に寒冷地や猛暑地域では対策が必要)
・スペースが限られているため、収納や生活動線の工夫が求められる

トレーラーハウスは自由な暮らしを実現できる魅力的な選択肢ですが、設置場所の確保、移動のコスト、法規制、快適性といった課題をクリアする必要があります。導入を検討する際は、事前にしっかりとリサーチし、必要な費用や準備を把握しておくことが重要です。メリットだけでなく、デメリットも理解した上で計画的に進めましょう。

▼トレーラーハウスを購入する際の注意点・デメリットについての詳細はこちら
【コラム】トレーラーハウス購入を検討中の方へ—後悔しないために知っておきたいデメリット

トレーラーハウスの水回り(トイレ・シャワー・キッチン)について

トレーラーハウスには、シャワー・トイレ付きのモデルが多く、キッチンやリビングスペースを備えたものも。特に、シャワーブースが主流であり、狭い空間でも使いやすい設計になっています。一部の商品では、ユニットバスやトイレと洗面台が一体となった3点ユニット、独立洗面台を備えた間取りも可能で、用途に応じたカスタマイズができます。

選ぶ際のポイント

個人の別荘や長期滞在を目的とする場合、湯船の設置を希望する方も多く見られます。一方で、宿泊施設や事務所などの短期滞在用途では、リビングスペースを広く確保し、水回り設備はコンパクトな設計が好まれる傾向にあります。また、水回りの設備は耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮することが重要です。特に、排水処理や給水の確保が必要になるため、設置場所のインフラ環境を事前に確認することが推奨されます。

▼水回りのトレーラーハウスの詳細についてはこちら
【コラム】シャワー・トイレ付きのトレーラーハウスの価格はどれくらい?間取りや実際の商品を紹介

トレーラーハウスの用途について。住居や事務所、店舗など

トレーラーハウスは、その移動性と自由度の高さから、様々な用途に活用されています。

・住居

定住用の住宅、セカンドハウスや別荘としても利用できます。

・事務所

オフィススペースとして利用することで、コスト削減や場所の自由度を高めることができます。

▼詳細はこちら
\移動型オフィスで節税できる/ 経営者の方必見!会社でトレーラーハウスを導入することのメリットをご紹介!

・店舗

カフェ、レストラン、雑貨屋など、様々な店舗として利用できます。

▼詳細はこちら
【コラム】トレーラーハウスで飲食店を開業するメリットは?キッチンカーとの比較も踏まえてご紹介

・宿泊施設

ホテルや旅館、ゲストハウスなど、宿泊施設としても利用できます。

▼詳細はこちら
【コラム】トレーラーハウスで宿泊施設を開業するメリット・デメリットとは?法律上の注意点も交えてご紹介!

・イベントスペース

展示会やイベント会場など、一時的なスペースとしても利用できます。

▶YADOKARIオリジナルトレーラーハウスの利用事例ページ

トレーラーハウスの移動・設置方法

トレーラーハウスの移動には、牽引免許の有無が関係します。重量が750kg以下であれば牽引免許は不要ですが、750kg以上の場合は牽引免許が必要となります。移動の際は事前に重量を確認し、適切な許可を取得することが重要です。

設置に適した土地の条件

トレーラーハウスを設置するには、適した土地を選ぶことが重要です。以下の点を確認し、搬入・設置がスムーズに行えるかを事前にチェックしましょう。

1.搬入経路の確保

・道路幅員は4m以上必要。(トレーラーハウスや曲がり角によって5m以上必要な場合もございます)
・樹木や障害物が搬入の妨げにならないこと。

2.高低差の確認

・設置場所の高低差は20cm以内であること。

3.地盤状況

・土の地盤はNG(安定した地盤が必要)。
・コンクリートや砂利など、しっかりとした地盤を整備する必要がある。

4.農地の使用制限

原則として農地には設置不可(法的制限があるため)。
農地転用許可を取得すれば設置可能な場合もあるが、事前の確認が必須。

これらの条件を満たしていない場合、トレーラーハウスの搬入・設置が困難になる可能性があります。事前に土地の状態を確認し、必要であれば整地や搬入経路の確保を行いましょう。

トレーラーハウスの価格について。サイズごとの相場価格を紹介

トレーラーハウスの価格は、サイズや仕様によって大きく異なります。

・290万円〜:牽引免許不要サイズのトレーラーハウス。
・500万円〜:6mサイズのトレーラーハウス。
・800万円〜:7.2m以上で広々とした居住空間を備えたトレーラーハウス。
・1000万円~:高級感のある内装や設備を備えたトレーラーハウス。

中古のトレーラーハウスであれば、より安価で購入することができます。
詳細な価格については、以下の記事をご覧ください。

▼詳細はこちら
【コラム】トレーラーハウスの価格はどれくらい?大きさや仕様ごとの価格の目安を徹底解説

トレーラーハウスの本体以外にかかるお金

トレーラーハウスを購入・設置する際には、以下のような費用が発生します。

1. 車検取得費用(10〜20万円)

トレーラーハウスを公道で牽引するためには、**車検(車両登録)**が必要です。
登録費用や検査費用として、10〜20万円程度の予算を見ておきましょう。

2. 牽引設置費用(10〜100万円)

トレーラーハウスを購入した後、希望の設置場所まで運搬するための費用です。
距離や道路状況、搬入の難易度によって10〜100万円と幅広く変動します。

3. 土地整地費用(15万円〜)

トレーラーハウスを設置する土地の状態によっては、整地作業が必要になります。
特に傾斜がある土地では、平坦にするための工事が求められ、最低でも15万円以上かかることが一般的です。

4. 給排水接続費用(20万円〜)

水道設備を使用するためには、給排水の接続工事が必要になります。
土地の環境によって異なりますが、20万円以上の費用を見積もるのが無難です。

5. 給湯器設置費用(20万円〜)

シャワーやキッチンでお湯を使うために、給湯器の設置が必要になります。
ガス・電気の種類によって異なりますが、20万円以上の費用がかかると考えておきましょう。

6. 電気接続費用(10万円〜)

トレーラーハウスで電気を利用するためには、電力会社と契約し、接続工事を行う必要があります。費用は10万円以上を想定しておくと良いでしょう。

土地の状況や設置場所によって異なりますが、これらの費用を合計すると最低でも100万円程度の予算を確保しておくことが重要です。
特に、牽引設置費用や整地費用は大きく変動するため、事前に詳細な見積もりを取ることをおすすめします。

トレーラーハウスの減価償却は4年?節税メリットについて

トレーラーハウスは、住居や店舗だけでなく、事務所としての利用も増加しています。特に、節税を意識する経営者にとって、トレーラーハウスの導入は魅力的な選択肢となり得ます。以下に、トレーラーハウスを事務所として利用する際の節税メリットをまとめます。

1. 固定資産税の回避

トレーラーハウスは多くの場合、建築物ではなく車両として扱われるため、固定資産税が課されません。これにより、長期的なコスト削減が可能です。

2. 減価償却期間の短縮

建物の耐用年数(15~50年)に比べ、トレーラーハウスは車両扱いの場合、耐用年数が短く設定されます。新車の場合は4年、中古車の場合は2年とされ、早期に減価償却を完了でき、節税効果を高められます。

3. 搬入・撤去費用の経費計上

トレーラーハウスの設置や移動にかかる費用は、経費として計上可能です。これも節税効果を高めるポイントとなります。

これらの節税メリットにより、トレーラーハウスは経営者にとって魅力的な選択肢となります。ただし、導入に際しては設置場所の確保や法的手続きなど、事前の確認が必要です。専門家のアドバイスを活用し、計画的に進めることをおすすめします。詳細については、以下の記事をご覧ください。

▼詳細はこちら
【コラム】\移動型オフィスで節税できる/ 経営者の方必見!会社でトレーラーハウスを導入することのメリットをご紹介!

Tinys INSPIRATION内観

トレーラーハウスは何年住める?耐用年数について

トレーラーハウスの耐用年数は、法的基準と実際の使用状況で異なります。詳しくご説明いたします。

1. 法定耐用年数

税法上、トレーラーハウスは「車両」として分類される場合が多く、法定耐用年数は4年とされています。これは減価償却の観点から設定された期間であり、実際の寿命を示すものではありません。

2. 実際の使用年数

適切なメンテナンスを行えば、トレーラーハウスは15年以上使用できると言われています。トレーラーハウスの外壁や屋根、外部建具は建築物に使用される素材を取り入れており、上物は建築物と同等の耐用年数と考えることができます。(一部例外あり)さらに、塩害対策仕様のシャーシに亜鉛メッキ塗装が施されたモデルや、寒冷地仕様の断熱性能が強化されたモデルは、さらに長く利用できる場合があります。
詳細については、以下の記事をご覧ください。

▼詳細はこちら
【コラム】トレーラーハウスは何年住める?—耐用年数と長く住むためのポイントをご紹介!

トレーラーハウスの利用事例

最後に、トレーラーハウスの具体的な利用事例をご紹介します。

YADOKARIオリジナルトレーラーハウスの利用事例

Tinys INSPIRATION|グランピング施設

福岡を拠点に構える運送会社「西小倉運輸様」の新規事業として、絶景の海辺のロケーションで開業するグランピング施設の宿泊用のトレーラーハウスをYADOKARIの「Tinys INSPIRATION」を10台活用していただきました。

広大な海に向かって大きなFIX窓を設け、まるで絵画のような絶景を縁取りました。
ダブルベッドと2段ベッドの2種類を設け、カップルからファミリーまで楽しめる仕様となっております。

Tinys INSPIRATION|グランピング施設利用事例ページ

Tinys INSPIRATION&STORK | イベント

一般財団法人トヨタ・モビリティ基金主催の、誰もが自由に移動し自分らしくいられる世界を目指すアイデアコンテスト、「Mobility for ALL 2023」に採択された株式会社へラルボニー様によるモバイル式センサリールームの実証実験にて、弊社のトレーラーハウス(Tinys INSPIRATION、STORK)をご利用いただきました。

センサリールームとは落ち着いた空間で自己表現や自己認識を深めるための環境を提供し、一時的な休憩場所となる空間のこと。欧米ではすでにNBAやNFLなどのスタジアムやアリーナなど、多くの施設で導入が進められています。

Tinys INSPIRATION&STORK | イベント 利用事例ページ

ROADIE mini | 駄菓子屋くれよん

ROADIE miniを活用した駄菓子屋さんが誕生。本社の敷地内に設置されたトレーラーハウスは、まるで秘密基地のような時別な雰囲気を放っています。

そんなトレーラーハウス特有のプライベート空間を楽しむためのアイディアとして思いついたのが子供たちが運営する「駄菓子屋さん」だったのだそう。
まちの人や子どもたちが集まる憩いの場、そして運営をする子どもたちの学びの場としても活躍しています。

▶ROADIE mini | 駄菓子屋くれよん 利用事例ページ

あなたのビジネスにも、トレーラーハウスを活用してみませんか?利用事例の一覧はこちら▼
YADOKARIオリジナルトレーラーハウスの利用事例ページ

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