【海外事例】火山と石切場のあいだに生まれた、ふたつのタイニーハウス——エクアドル・バニョスの「La Cabina de la Curiosidad」

エクアドル、バニョス・デ・アグア・サンタ。20年以上噴き続けるトゥングラワ火山のふもと、石切場として使われていた広大な土地に、小さな宿泊施設が建てられた。名前は「La Cabina de la Curiosidad(好奇心の小屋)」と「Cabin in La Cantera(採石場のキャビン)」。静かでワイルドな自然と、かつての産業の記憶が、奇妙にもしっくりと共存している場所だ。

二つの地形、二つの表情
敷地は採石エリアと自然再生エリアに分かれている。かつて重機が行き交った採石場では、いまも巨大な岩やふるいが眠り、切り立った崖が風景の主役となっている。一方で自然エリアには複数の気候帯が入り混じり、高地にはアチュパーリャスなどの低木、谷間には湿った空気の中で育つ豊かな植物が広がる。まるで、ひとつの土地の中に小さな地球が詰まっているようだ。

掘り出すから、育てるへ
土地の所有者である家族は、採石という“掘る行為”から、自然を残し、楽しむ“育てる行為”へと転換した。切り立つ火山岩の壁はクライミング用に整備され、敷地内にはキャンプ場やキャビンが点在する。採石場としての終わりが、新しい旅の物語の始まりとなった。

石と鉄が語る、風景の記憶
キャビンに使われている素材は、ほとんどが敷地や近隣から調達されたものだ。採石で残された巨大な岩が構造の支えとなり、崖の縁に敷かれた石板は洗面台へと生まれ変わった。かつて使われていた金網、鉄管、ケーブル、バケツ、小さな釘……どれもが再利用され、建物の一部として生きている。
それらは単なる装飾ではなく、風景に刻まれた時間の証のような存在だ。人が去っても、石や鉄はそこに残り、新たな意味を持って訪問者を迎える。



タイニーハウスの“その先”のかたち
「La Cabina de la Curiosidad」は、石の記憶と自然の力に寄り添って生きる、新しい暮らしのかたちを見せている。

ただの「小さな家」ではなく、過去と未来が出会う“場”そのもの。
旅先としても、住まいのヒントとしても、心に残るこのキャビン。
タイニーハウスの可能性が、またひとつ広がる——そんな予感を抱かせてくれているかのようだ。
via: archdaily.com
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