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2025年7月5日(土)、町田市の鶴川団地にて「空き地に集まる、団地暮らしの”あったらいいな”」をテーマに開催している、鶴川ダンチホリデイが行われました!

鶴川団地内の空きスペースに「鶴川なかにわBASE」という名前をつけて、マルシェやWSなど地域の人と人を繋げるイベントを実験的に開催しています。

4回目となる今回は、”防災”がテーマ。防災を身近にとらえて、乗り越える準備のきっかけになるように。

青空の下、デイキャンプ感覚でキッチンカーの食事も楽しみながら、起震車や防災グッズの体験、防災士によるトークセッションなど、大切な知識を持ち帰ることのできる一日となりました。

当日足を運べなかったみなさんもぜひ、こちらの記事で”もしもの備え”について、一緒にチェックしてみてください!

そういえば、防災って何をすればいいの?体験からイメージを膨らませて

デイキャンプをイメージした会場には、ドリンクやフードを楽しめるキッチンカーやマーケット、防災グッズの体験やWSができるスペースなどが準備されました。

広場に張られた大きなテント、ここでは1日を通して防災をテーマにした紙芝居や、防災士の方などをゲストに招いたトークセッションが行われます。

【①町田の起震車「ぐらり号」で、震災の揺れを体感】

この日は特別に、大きな地震の揺れを体験できる町田の起震車「ぐらり号」が出動してくれました。普段から、市民の方々の自助・共助意識を高めるために、各施設での防災訓練などで活躍されています!

徐々に震度が上がっていき、最大の震度7までの体験ができます。ジッと机の下に隠れるのですが、あまりの揺れの強さに机の脚を押さえることで精一杯でした。

親子で体験されていた方は、「子どもの身体が軽いので、上からかばっていても飛んでいってしまいそうで怖かったです。」とお話してくれました。お家で地震があった時にどうするか、家族で話をするきっかけにもつながりそうですね。

関東大震災など過去に起きた震災の揺れの再現もあり、「想像よりも揺れている時間が長かったです。途中で弱くなったかと思うと、また強くなることもあり、揺れが落ち着いてもすぐに動くのは危険だと感じました。」と、震災時のリアルなイメージを持てる体験会となりました。

【②防災どうぐの体験 in タイニーハウス】

起震車で震災の怖さを体感すると、ますます防災について知りたい気持ちが膨らみます!

次に向かったのは、タイニーハウスの中で行われているWS。「夏休みの宿題を先取り!防災自由研究」というテーマで、防災グッズを実際に使ってみようという体験ブースです。理科の実験のように楽しみながら、備えに必要なことを学んでいきます。

▶ 実験その1:においの実験

まずは、ふつうのビニール袋とBOS袋(防臭袋)、においの違いはどのくらいかを比べる実験です。

災害時は通常のごみ収集が困難になります。断水でトイレが使えなくなる場合なども考えると、生ごみや汚物が溜まっていき、深刻なストレスに繋がるのがにおいの問題です。

そこで役に立つのがこのBOS袋!一般的なビニール袋と比べて、約7日間もにおいをおさえられるそうです。*

*参考:https://bos-bos.com/saigai/

今回はにんにくチューブでにおいを比較しました。透明のビニール袋はにんにく臭が通り抜けている一方で、BOS袋はほとんどにおいが感じられませんでした。

中身が見えない仕様になっているのも嬉しいポイントです。

▶ 実験その2:お水の実験

災害時に困るのが水不足。水道が止まってしまう可能性も高いので、飲料水の備蓄は3リットル/人・日× 3日分が推奨されています。家族全員分を用意しておくとすると、結構な量が必要ですよね。

出典: 備えよう!いざという時の非常物品|東京消防庁

そこで、キャンプや旅行でもつかえる「携帯浄水器」で、水をきれいにする実験をしました。元々の水質や薬剤の有無にもよりますが、お風呂の残り水、川や井戸水なども飲み水に変えることができます。

左:浄水前 右:浄水後

泥水のペットボトルにこの浄水器を取り付けて、濾過されるのを待つだけです。思ったよりも早くて綺麗!家庭で一つでも持っていると安心ですね。

▶ 実験その3:トイレの実験

最後はトイレの実験!断水の影響で一番最初に困るのはトイレ事情かもしれません。簡易トイレの準備は防災対策の中でも重要です。

簡易トイレとセットになっていることが多い凝固剤。水がどうやって固まるのかを、実際に観察してみました。

自宅の便座に取り付けられるものもありますが、今回は段ボールで簡易的に便座を作れるキットを組み立ててみました。大人が座ってもへっちゃら。

便器の中に水と凝固剤を入れてみると、すぐに水気がなくなり白いかたまりになりました。便座にセットしている袋は最初に紹介したBOS袋なので、におい対策もバッチリです。

実際に防災どうぐを使ってみることで、非常時に何に困るのかがイメージできるようになりました。一度の演習でも、備え方や実際に被災した時の対応が変わってくる気がします。

【③お買い物やおいしい食事でホッと一息、マーケットエリア】

マーケットエリアでは、キッチンカーや物販ブースが並び、食事やお買い物も楽しめました。

犬用の洋服を手作りされている「pecos」では、店主おすすめのフリーズドライのペットフードも販売していました。

ペットがいる家庭では、ペットの分も備蓄が必要。フリーズドライのフードなら、一般的なペットフードよりも軽量化できるので、非常時の持ち運びにもぴったりだそうです。

BOOK TRUCKは移動式の本屋さん。ジャンルも様々、雑誌から新書、絵本など、本との一期一会に自然と引き込まれるスペースに。今回のイベントに合わせた、防災に関する特集コーナーも多くの方が足を止めていました。

ここまで、たくさんの学びに触れることができ、かなり防災への意識が高まってきました。でも、せっかくの休日!おいしいご飯やドリンクでリラックスする時間も必要ですね。

今回のダンチホリデイでは、3台のキッチンカーが出店してくれました。

▼タコライス、タコスの他、タピオカなどのスイーツを提供してくれた「TC69」

▼スペシャルティコーヒーの専門店「いさ珈琲」

▼山形県産のお米・雪若丸を使用した握りたてのおむすびの「musubi」

どのお店も個性の光るメニューで、何を食べようか、みなさん楽しそうに列をつくる姿が印象的でした。

まずはみんなで学び、話すきっかけに。家族や地域と考える防災トーク

そして、今回のダンチホリデイでは、1日を通してお話から防災を学ぶプログラムが開かれました。

【①ストーリーで学ぶ!防災にまつわる紙芝居】

一つ目は、鶴川団地コミュニティビルダーの石橋さん、鈴木さんによる紙芝居のコーナーです。子どもたちでも興味の持てるような、防災をテーマにしたお話を準備してくれました。

家族でどんな備えをしておくべきなのか、実際に地震が起きた時に気をつけることなど、お家で話しておきたいことが散りばめられたお話。大人も勉強になる内容で、みなさん真剣に聞き入っていました。

【トークセッション①子どももペットも!家族みんなで「もしも」を考える、防災ママとトークセッション】

紙芝居の後は、防災にまつわる二つのトークセッションが行われました。

一つ目のトークセッションは、町田市にて活動されている「町田市防災アンバサダー」の三木佳代子(みきかよこ)さん・ずぼらまま(こうだみき)さんをお招きし、子どもやペットのいる家庭ではどのような備えが必要なのかをお聞きしました。

具体的なおすすめグッズや、家庭内で作っておくといいルールなど、家族単位の備えの工夫をシェアしてくれました。お二人の普段の暮らしに反映された防災アイデアは、「これならすぐに取り入れられそう!」と身近に捉えることができます。

→大きめのトートバックで赤ちゃんを運ぶ方法も

助産師・ベビーウェアリングコンシェルジュでもある三木さんからは、”ベビーカー以外で子どもと移動する可能性”を想定し、用意しておくといいアイテムの実演も。

オートキャンプインストラクター講師もされているずぼらままさんは、家族でのキャンプは野外で過ごす練習になるので、子どもと一緒に避難時の心構えができるとお話されます。非常時にも活躍するアウトドアグッズの紹介もしてくれました。

→ソーラーパネルのついたハット

お二人の話の中で印象に残った考え方が、「事前に体験できることはやっておく」ということです。例えば、防災グッズは試しに使ってみる、避難経路や避難所は実際に歩いてルートを確認しておくなど。一度やったことがあるというだけで、緊急時にも冷静な行動ができます。

これは非常食にも言えることで、好きな味のものを集めておくことも案外大切なのだそう。避難生活でつらいことの一つは、ストレスでメンタル不調が起こること。そんな時に食べ慣れた味や、美味しさを感じられることは大人も子どもも心の支えになるそうです。

家族で避難経路を散歩してみたり、非常食を味見してみたり、”体験型の備え”を家族で取り入れていきたいですね。

【防災士お二人によるワークショップコーナー】

トークセッションをしていただいた三木さんとずぼらままさんは、今回ワークショップのブースも出店してくれました。

・パラコードキーホルダー(防災ホイッスル付き)

キャンプ好きのずぼらままさんが趣味で編み始めたパラコード。最近は防災士の活動の一環で、防災ホイッスルをつくるワークショップもされています。

ホイッスルは緊急時の防犯対策や、瓦礫で身動きが取れなくなった時にも活躍する防災グッズです。カラフルでかわいいデザイン、子どもたちも楽しそうにコードを編んでいました。

・防災バンタナ

こちらは三木さんによる、世界に一つのバンダナをつくるワークショップ。好きな模様や絵を描いて、仕上げにお子様の名前やアレルギーなどを記入します。万が一親子ではぐれてしまった時、子どもが話せなくても情報を伝えられるようにします。

また、楽しく作った思い出のあるバンダナを見れば、災害時の不安な気持ちを和らげてくれたり、避難所の中で遊び道具になってくれたりと、一枚持っておきたいお守りアイテムです。

▼三木佳代子さんのご活動はこちらから
https://www.instagram.com/suzume.mw?igsh=Yjdzd3I5MGl0dnRi

▼ずぼらまま(コウダミキ)さんのご活動はこちらから
https://www.instagram.com/zubora_mom?igsh=MXJnZ25uNnV4OG9qNw==

被災地の現状と、未来に向けてできること

【トークセッション②能登に関わる中で見えてきた、町田の防災】

最後のトークセッションのテーマは、2024年1月1日に起きた能登半島地震について。

約一年半の月日が流れる中で今の能登はどうなっているのか、そこから見えてくる未来の備えについてなど、それぞれ異なる立場で能登に向き合っている2組のゲストからお話をお聞きしました。

最初にお話をしてくださったのは、建築家/支援法人代表の丹羽昭尋(にわあきひろ)さん。地域活動の防災講師のかたわら、能登半島地震の被災地支援のため、発災後より毎月、独自の支援団体として支援物資や炊き出し、子ども食堂の運営、住宅相談や復興事業を運営されています。

能登半島地震において、建物の被害は全壊だけでも6,500棟、半壊は25,000棟もの被害が出ました。能登半島では現在も、計9403世帯(1万9735人)の方々が仮設住宅で暮らしています。
(6/20時点の情報 https://www.asahi.com/articles/AST6Z4323T6ZPJLB00SM.html より)
そういった中で、丹羽さんは建築家としての知見を活かして、住宅や建物の復興支援も中心に行っています。

普段から地域ぐるみで防災訓練をしていくことも大切だと、丹羽さんはお話されます。

「町田市でも参考にできることに、普段からの防災訓練の質を上げていくという点が挙げられます。少子化により消防団の人口はここ30年で約20万人減っていて、生産年齢(15歳以上65歳未満)人口も減っているので、救助のための災害訓練、防災訓練をしっかりやっていくことが重要になってきます。

また、地域の方々の日頃のコミュニケーションも復興において大切な要素です。避難生活の中で遠慮が発生してしまうと、復興がなかなか前に進まないんです。そのため、普段から地域で防災訓練をしたり、ご近所同士であいさつを交わしたりすることが非常時に活きてきます。」(丹羽さん)

次にお話してくださったのは、建築家のお二人、萩尾 凌(はぎお しの)さんと塚本 安優実(つかもと あゆみ)さんです。これまでもダンチホリデイの設営などでご協力いただいた、建築デザイン事務所togetogeを運営されています。

石川県出身である塚本さんは、お正月の帰省中に地震に遭いました。そこから、現地のご友人を訪ねたことをきっかけに、復興まちづくり支援や、住まい再建の相談などの活動をされています。

被災者自身が支援に回らなければいけないという状況が続いていたところに、2024年9月21日にさらなる豪雨災害が起こり、支援を広げるべく任意団体を立ち上げました。

地域の方々の声を聞きながら、復興公営住宅のアドバイザーなど、住まいの悩みに対して、できることを考えて実行しています。

「自分たちの備えに活かせることとして、生活をガラッと変えずに、有事の時にも使えるアイテムを取り入れてみるのは良いと思います。

能登の自治会で配布された、すすぎ0回で洗濯できて、そのまま川や海へ流しても害のない洗剤があるのですが、普段から使っておけばいざという時に心強いなと。

また、能登に行くと畑や漁のお手伝いをして、野菜や魚をいただくという受け取り合いがあるのですが、そういった地域の交流も町田で興せたらいいなと感じています。

震災による珠洲市の人口の減り方は、今後の少子化における人口減少に重なる部分もあります。支援を通して未来につないでいけることを、引き続き記録・考察していきたいです。」(塚本さん)

▼丹羽さんのご活動はこちらから
https://www.instagram.com/niwacchi_28?igsh=aTFoajdoeWRzYXZ6

▼萩尾さん、塚本さんのご活動はこちらから
https://www.instagram.com/togetoge.jp?igsh=MXJjeDd2a3l5aHY3eA==

地域ぐるみで防災を学ぶ、たまにはそんな休日も

日本で暮らす私たちにとって、震災の危険は常に隣り合わせ。普段から備えたいと思っていても、忙しい日々の中ではどうしても後回しになってしまいますよね。

筆者自身、今回のイベントを通して、”そもそも何を準備しておくべきなのか”について、考えられていなかったことに気がつきました。

親子やご夫婦、お友達同士、様々なコンテンツを楽しみながら防災を学んだ数時間。地域のみんなで災害に強くなる、もしもの時に思い出せるようなダンチホリデイになっていたら幸いです。

6月19日(木)、相鉄本線(星川〜天王町駅間)の高架下施設・星天qlayのBゾーン「qlaytion gallery」にて、第10回目となる「星天qlay LAB(ラボ)」が開催されました。
「星天qlay LAB(ラボ)」は、暮らしやまち・消費・学び・働き方など多様な切り口を”遊び”の視点で捉え直し、探求するトーク&ワークショップイベントです。

今回のテーマは、「クラフトビール醸造所でまちはどう変わるのか?」。「醸す(かもす)」という言葉をキーワードに、高架下の「余白」を、楽しく人が集まる場所に変えるために、クラフトビールや醸造所がどのような役割を持つことができるのかを探りました。

ゲストは、星天qlayのEゾーンにクラフトビール醸造所・ビアバー「TDM 1874 Brewery」を展開する株式会社坂口屋の取締役、加藤葉月さん。そして、下北沢「BONUS TRACK」でリード編集者を務め、原宿にある商業施設「ハラカド」ではコミュニティマネージャーとしても活躍する桜木彩佳さんです。

ビールの深い魅力に触れながら、地域とビールのつながりを築いてきた加藤さんと、数多くのテナントを抱える施設で編集・企画・コミュニティマネジメントを手掛ける桜木さんから、どのようなトークが繰り広げられたのでしょうか?

みんなでプシュッと。ビールを片手に乾杯から

イベントは、TDM 1874 Breweryとコラボして作成した星天qlayオリジナルラベルのクラフトビールでの乾杯からスタート。お仕事を終えて集まった皆さんの「乾杯!」のお声で、場の雰囲気は一気に和やかに。そして、トークセッションがスタートしました。

ビールと発酵 – じっくりと見守り、見えない変化に少しだけ手を差し出すこと

加藤葉月さん / 株式会社坂口屋 取締役
大学卒業後、大手ビールメーカーに新卒入社。営業として3年半、ビールの奥深さに触れ、横浜・十日市場で150年続く酒屋の跡継ぎとして家業に戻る。クラフトビールブランド「TDM 1874 Brewery」の店舗運営や発信に携わり、「TDM 1874 下北沢」では店長として地域とビールの魅力をつないできた。各地でビアフェスや日本酒イベントも企画。旅先でのブルワリー巡りがライフワーク。

まずはじめに、加藤さんからクラフトビールへの思いや特徴、製造工程など、奥深いビールの世界についてシェアが。

加藤さん(以下敬称略):「クラフトビールの製造過程で最も大切なのは、酵母が糖を食べてアルコールや香りを作り出す『発酵』のプロセスです。

このプロセスは、温度や時間、素材の選定など、ほんの少しの違いが味を大きく変えてしまうほど繊細で、じっくり見守ることや、整えて待つことが重要です。見えない変化に少しだけ手を差し出すことが、ビールを醸すために大切なこと。これがクラフトビールの面白いところの1つですね。」

続いて、加藤さんは世界中でクラフトビールに注目が集まる理由についても説明してくださいました。

加藤:「クラフトビールは、ラベルのデザインや希少性、作り手のストーリー、そしてタップルーム(ブルワリーが併設する飲食スペース)の雰囲気など、各商品が独自のバックグラウンドを持っています。音楽やアートといったカルチャーと結びつき、ハブ的な役割を担ってくれることも多いです。国や言葉が違っても、みんな共通して美味しいビールを求める気持ちがあり、乾杯を通じて世界とつながることができる。飲む以上の価値がある飲み物だと感じています。」

加藤さんの熱い言葉に耳を傾けながら、参加者のみなさんも、ビールを片手に楽しまれた思い出の数々を振り返っている様子。ビールがただの飲み物を超えて、文化やつながりを生み出す力を持っていることを改めて感じた瞬間だったのではないでしょうか。

その後は、醸造所から生まれる地域の変化についてのお話も。

加藤:「コーヒー、ワイン、ビール、それぞれの飲み物がまちに与える影響は異なるようにも思っていて。例えば、コーヒースタンドができると、日常に余白ができ、ゆったりとした雰囲気が生まれます。ナチュラルワインを扱うワインバーには、サステナブルな考えを持つ人々が集まり、アートや音楽も楽しめる場所になる。クラフトビールの醸造所ができ、地域の食材や音楽も一緒に楽しめることで、新しいコミュニティや文化が育まれるきっかけにもなります。

飲み物にまつわる空間は、その土地に新しい意味を生み出す力があるとも思っています。ここ、星天qlayにオープンした私たちの『TDM 1874 Brewery』も、ビールを飲む場所だけでなく、地域の方々が自然に集まり、新たな価値が生まれていくような場所になることを目指していきたいと考えています。」

場の発酵 – 偶然の瞬間を生み出しやすい場所をつくるには?

桜木 彩佳さん 場における、編集・企画・コミュニティマネージメントを行なうフリーランス。現在は、下北沢「BONUS TRACK」リード編集者/原宿「ハラカド」コミュニティマネージャー/発酵専門店「発酵デパートメント」イベントディレクターを担当。ファストカルチャー系バンド・1980YEN(イチキュッパ)のメンバー。趣味はコラージュ・ZINE作り。有機的なまち・空間・居心地から、カルチャーが生まれ育つと信じ、活動している。

続いては、桜木さんにバトンタッチ。下北沢の商業施設「BONUS TRACK」の編集者として、また2024年にオープンしたばかりの商業施設「ハラカド」でコミュニティマネージャーを務めているご経験から、場を「醸す」というテーマで日々考えていることについてお話ししていただきました。

まず桜木さんがご紹介してくださったのは、精神科医・中井久夫さんの「関係性回復の図」についてのスライド。この図は、精神病を患った方が社会との関係を回復する過程を、植物の「オリヅルラン」に見立てて解説したものです。少しずつ外に出たり、家に戻ったり、友人に会ってみたりと、試行錯誤しながら社会とのつながりを取り戻していく過程が描かれています。

桜木さん(以下敬称略):「唐突ですが、この本を読んだとき、発酵している場はオリヅルランのようなものではないかと思ったんです。じっくりと時間をかけて育つものの、決して腐るわけではなく、温度や環境、偶然の出会いによって“思いがけないこと”が生まれていくんです。

ある出来事をきっかけに、進んだり戻ったり、偶然混ざったり絡んだりしながら、さまざまな要素が共存していく過程こそが、場における『発酵』ではないでしょうか。」

桜木さんは、以前開催した地域向けのお祭りでのエピソードも紹介してくださいました。

桜木:「お祭りでアコーディオンの演奏を加えたら、突然輪になって踊り出す人たちが現れたんです。その2人は、それぞれ下北沢でお店を持っていたのですが、互いに知り合いではなかったんです。でも、その場で仲良くなったことがきっかけで、2店舗の間で取引が始まり、新しい仕事が生まれて。私はその展開を全く予想していなかったのですが、自分が仕掛けた小さなきっかけがこうした形で実を結んだことがとても嬉しかったです。これこそが、まさに『醸されていく』瞬間だったと思います。」

さらに桜木さんからは、場の中で「セレンディピティ(偶然の幸運な出来事)」を生み出す方法についても。

桜木:「ふらっと本屋に立ち寄って本を眺めているうちに、昔の友達の顔が浮かび連絡してみたら、突然会うことになったり。バーで流れる音楽に反応したお客さんが、マスターと話し始め、隣の席の人も巻き込んで会話が盛り上がり、最後に『また会いましょう』となるような出来事が起こったりもしますよね。

そうした偶然の積み重ねから生まれる『セレンディピティ』が起こりやすくするために、場の中に何か仕掛けを作りたいと思っています。たとえば、偶然を生み出しやすい空間デザインを考えたり、イベントでまだ会ったことのない人同士を隣同士に座らせてみたり、何かが起こる予感を感じ取って、ちょっとしたお節介をすることも大事だと思っています。」

コミュニティの中で生まれる小さな予感や遊び心を大切にし、地域や外部の変化を生み出すことに対する、桜木さんの思いが共有されました。

お酒を通して星天qlayを醸すには?お二人によるクロストーク

お二人のそれぞれのお話の後、ビールをテーマにざっくばらんなトークが続きました。そのクロストークの一部をご紹介します。

ファシリテーター 伊藤:「これまではご自身のご経験やお店についてお話しいただきましたが、お二人は普段お酒とどのように関わっていらっしゃいますか?」

加藤:「私は完全に外呑み派です。カウンターで隣にいた人と、気づいたら一緒に呑んでいたりすることも多く、その場で生まれるコミュニケーションも含めてお酒が好きです。」

桜木:「私はコンビニでビールを買ってプシュッと開けて呑むのが大好きです。大学生の頃はよく立ち呑みをしていましたし、家でもお店でも、お酒を呑んでいます。」

伊藤:「もしクラフトビールの醸造所がまちにできたら、まちはどう変わっていくのでしょうか?場づくりに関わる桜木さんの視点で、何か考えていることはありますか?」

桜木:「クラフトビールの醸造所がどんな場所に、どのタイミングでできるのか、とても興味深いですね。まちが少し醸されてきた後、クラフトビールがまちの第2波として誕生するような気がします。」

加藤:「醸されているまちにクラフトビールの醸造所が新しいスパイスとして加わることで、地域がもっと盛り上がり、観光客が増えることもよくあります。実は、どこでも始められるというのが醸造所の面白さで、現在、全国には900近くの醸造所があります。全く何もない場所にできることも多いんですよ。」

伊藤:「確かに、クラフトビールの醸造所ってたくさんありますし、ワインバーよりも入りやすい印象があります。ビールを作っている様子を見学できるような社会科見学的な雰囲気もあって、デートにもぴったりなのかも。質の高い飲み物をカジュアルに楽しめる場所として、醸造所のまちへの貢献のあり方には、まだまだ知られていないものがありそうですね。」

加藤:「クラフトビールの醸造所は、年間を通じてさまざまな種類のビールを作っているので、以前飲んだビールをお目当てにご来店いただいても、売れ切れてしまっていることも多いんです。そんな時、どんなビールが好きかをお聞きしながら、次に飲んでもらうビールを提案するようにしています。何度か来ていただくうちに、今回はどんなビールと出会えるのかと楽しみにしていただけるようになることもあります。」

伊藤:「そうやってお客様とのつながりを醸しているんですね。みんながその輪に入りたいと思えるような場の発酵を促進するためには、どんな人が必要なのでしょうか?星天qlayの『生きかたを、遊ぶまち』というテーマにもつながりそうなので、ぜひきいてみたいです。」

桜木:「私が関わっている原宿の商業施設『ハラカド』では、75のテナントが入っていて、有名なお店もあれば、初めてお店を開く方もいます。それぞれ緊張度やテンション、心持ちが全然違うんですよね。でも、そんな中でも『ここに入居したからにはこれを成し遂げたい』『この地域に貢献したい』という思いを持っている人たちが、1年目に何人か現れてくれました。『失敗するかもしれないけれど、やってみたい』というエネルギーを持った方々の姿が最初の発酵材料。そうやってリスクを背負ってチャレンジする方々の姿を見て、その後、他のテナントさんたちも『何かをやってみたい』と集まってくれるんです。」

伊藤:「それでいうと、星天qlayでは、その発酵を促進してくれる仲間のひとりが、TDM 1874 Breweryさん。もしやりたい遊びや挑戦があったら、ぜひお聞かせいただけたら嬉しいです。」

加藤:「うちのお店の前に、何かに活用できそうな小さなスペースがあるんです。ビールだけでなく、いくつかの酒蔵さんを呼んで、お酒を通じてみなさんが楽しめるような小さなビアフェスを開催してみたい。広い空間だと準備が大変ですが、あの場所だからこそ、気軽に何度も開催していけるようなイベントのカタチがあるのではないかと考えているところです。」

ワークショップでお酒にまつわる思い出やアイディアをシェア!

トークセッションの後は、参加者のみなさんのお酒にまつわる思い出やアイディアをシェアする時間に。チームごとのテーブルには、お菓子も用意され、ビールを片手に和気あいあいとした雰囲気でグループワークが進んでいきました。

①みなさんにとって人生最高の1杯とは?

ワークショップは3段階に分けて行われました。まずは「みなさんにとって人生最高の1杯は?」という問いからスタート。参加者一人一人がこれまでの人生の中での「最高の一杯の瞬間」をポストイットに書き出し、グループごとにシェアしました。

海外旅行先の酒場で現地の人と盛り上がりながら呑んだ一杯、20歳になって初めて呑んだ一杯、忘年会で呑んだ一杯など、場所や味、そのときの環境など、様々な要因で生まれた最高の一杯の記憶を振り返り、楽しそうに会話を交わすみなさんの姿がありました。

②まちを醸す酒場とは?

続いて、みなさんの「最高の1杯」の記憶をもとに、まちを醸す酒場とはどんな酒場なのかを考えていきます。最高の一杯の記憶を頼りにアイデアを重ねることで、「こんな酒場があったらいいな」と誰もが思えるような斬新なアイデアが次々に生まれていきます。

③グループのアイディアを発表

最後に、各グループのアイデアを発表しました。

・20歳だけが入れる、お酒の呑み方を教えてもらえる酒
・季節ごとに温度を変えるあたたかいのお酒専門店
・パフェやケーキなどのスイーツも楽しめる酒場
・お酒やコーヒー、お茶などを交互に呑んで楽しめる酒場

お酒が好きな人はもちろん、お酒が苦手な方でも一緒に楽しめる斬新なアイデアが飛び出しました。

発表を終え、桜木さんからは「この短い時間の中で、お酒が飲めない方でも楽しめる意見が出ているのがすごく良い。実際に実現できそうなアイディアばかりで、有意義な時間だった」とのコメントがありました。

加藤さんからは「本当にたくさんのアイデアがあり、私自身もワクワクするような楽しい時間だった。このまちを醸せるようなブルワリーを目指していきたいと改めて感じた」との意見も。

お酒をテーマに集まったたくさんの方々と共に楽しんだ今回の「星天qlay LAB」。このにぎわい、そしてこの日の一杯がきっかけとなり、星天・天王町エリアがますます醸され、新しいにぎわいが生まれることを期待せずにはいられません。この時間を共に過ごしていただいたみなさま、ありがとうございました!

梅雨の晴れ間に恵まれた6月の土曜日。みどり溢れる「町田山崎団地」の一角にはクチナシの花が咲き誇り、その甘く濃厚な香りが初夏の空気に溶け込んでいました。

UR都市機構×YADOKARIが連携し2024年夏より始動した「まちやま プロジェクト」は、多様なつながりの中で、これからの団地のありたい姿を描くことをコンセプトとした取り組みです。これまでに、地域の町内会、商店会、学校などと協力し、季節ごとのイベントやワークショップなどを開催してきました。

「おとなとこどもが入りまじり、心地よい日常を共に生み出していくこと」を目指して始まった本プロジェクト。その一環として過去2回の実証実験を行い、今回はイベント第3弾として、6月28日(土)に「まちやま まるごと スコーレ vol.3」を開催しました。

第3弾のテーマは「親子で楽しむ!ナイトシネマ」です。日中の暑さが和らいだ夕暮れ時に、団地のセンター広場にある白い壁に投影し映画を上映しました。

さらにナイトシネマ開演前には、ワークショップやお買い物を楽しむことができる「チャレンジテント」も出店し、楽しい1日となりました。本記事ではそんなイベントの様子をレポートしていきます!

「まちやま まるごと スコーレ」とは

「スクール(学校)」の語源となった、ギリシャ語の「スコーレ」には “余暇”という意味があると言います。

土地に根付いた知恵や、誰かの生きた物語。答えのない問い、余白の時間と対話。人々の暮らしが交差する団地には、学校や仕事場での学びだけではない、人生の大切な気づきがすぐそばにあるのではないかと感じます。

忙しない日々の中で少し立ち止まり、人生の「学び」や「余暇」をテーマに、大人も子どもも入りまじりながら、団地でのこれからの過ごし方を実験するイベントがこの「まちやま まるごと スコーレ」です。

チャレンジテント企画「やってみたい」を今ここで!

イベントをお昼から楽しんでいただけるよう、ぽんぽこ広場には様々な体験をすることができる「チャレンジテント」が用意されました。

こちらは「IZUMO.naturalstone」によるワークショップです。レインボーバスソルト作りや、天然素材の虫除けスプレー作り、天然石・シェルを使ったオリジナルチャーム作りを体験することができます。

自分で好きなアイテムを選んで作ることができるチャーム作りが特に人気で、子どもたちは目をキラキラさせながら作品づくりに夢中になっていました。

当日の様子について、店主の秋山さんは「たくさんの子どもたちが来てくれて嬉しかったです。団地の雰囲気が温かくにぎやかで、何より子どもたちが楽しく遊べる広い公園や駄菓子屋さんがあるのが素敵ですね」とお話してくれました。

また、桜美林大学の「ぼくらのサークル」が準備したフェイス・フィンガーペイントの体験コーナーはお客さんが絶えない人気ぶりでした。

今回のイベントに協力してくれた「ぼくらのサークル」は2024年に設立したばかりで、サークルメンバーの「やってみたい!」という気持ちを原動力に、学内外で様々なイベントを企画・実行しているそうです。

お客さんのリクエストに応えて、好きなデザインを描いてくれるサークルの皆さん。シンプルなお花やハートのデザインから、「エイ」や「カモ」など一捻りあるリクエストにもばっちり応じます。

子どもたちは手や指を使って、自分の好きなものを思い思いに描いていました。

サークルの皆さんからは、「団地の子どもたちが色や形に囚われず自由に表現しているのを見て、僕たちも刺激をもらいました。今後も機会があれば是非参加したいです!」と笑顔で感想を教えてもらいました。

陽が傾き風が心地よく感じられるようになった夕方、広場の一角でヨガ体験が行われました。緑が広がる開放的な団地でのヨガは、日々の忙しさを忘れる素敵なひとときに。時の流れに身を任せ、自分の内面と向き合う貴重な時間となりました。

さらに人気を集めていたのは、団地住民の中学生プログラマーによる特別企画「バーチャル水族館」です。

広場の壁に水族館の映像を投影し、その中で自分で描いた絵を泳がせることができます。「バーチャル水族館」のアイデアは、「ナイトシネマで壁を使うなら、上映前にも何か面白いことができないか」という発想から生まれました。本当に海の中で泳いでいるように見えるように、魚の動く速度や角度、方向などを工夫してプログラミングしたそうです。

映画を見ながら一口パクリ!大人気のキッチンカー

センター広場には、山形県産「雪若丸」を使用した握りたてのおむすびが好評の「musubi」と、注文を受けてから石窯500℃で一気に焼き上げるもちふわピザが美味しい「Kitchen 293」の2台のキッチンカーが登場しました。

「さっきも買ったけど、美味しくてまた買いに来ちゃいました」とリピーターの姿も。
芝生にレジャーシートを広げ、おにぎりやピザをつまみつつ上映を待つ……まさに初夏のピクニックを楽しむ様子があちらこちらで見られました。

広場の周りに、団地で50年以上にわたって愛されてきた「おもちゃと駄菓子の店 ぐりーんハウス」が子どもたちのためのコーナーを用意してくれました。

「ぐりーんハウス」は2020年にリニューアルオープンし、現在は駄菓子屋・シェアキッチン・設計事務所の3つを軸に営業を行っています。大人にとっても子どもにとっても居心地の良い、団地の憩いの場です。

さらに、団地にお店を構える「キャンドルStudio lepta」からは「金魚すくい」ならぬ「キャンドルすくい」をご提供していただきました。
色とりどりのキャンドルに惹かれた子どもたちがワイワイと集まっていました。

本日のメインイベント「ナイトシネマ」がスタート!

今回上映したのは「FLY!/フライ!」という作品です。

あらすじ—————————————————————————————————————
一度も安全な池の外に出たことがないカモの家族。そんなある日、一家が住む池に移動中の渡り鳥がやってきます。「池にいたら一生安全で幸せに暮らせる」と思っていた父マックでしたが、渡り鳥の話を聞いて外の世界に心をときめかせる妻パム、息子ダックス、娘グウェンに説得されて、ついに家族は遠く離れたジャマイカを目指し大冒険に出ることに___
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午後7時過ぎ、いよいよ映画の上映時間です。レジャーシートやクッションを用意し、リラックスして映画を楽しむ準備は完了!

映画が進むにつれ、徐々に空も暗くなっていきました。ガヤガヤとにぎわっていた広場もいつの間にか静かになり、ドリンクやおつまみを片手に、誰もが映画に見入っている姿が印象的でした。

まとめ

日常に彩りが加わり、お互いの距離が少しずつ近づいていく。いつもの景色が少し特別に見える。また明日も頑張ろうと思える時間を過ごせる__今回の「まちまや まるごと スコーレvol.3」が皆さんの心に残る1日となったら嬉しいです。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

YADOKARIは、タイニーハウスが持つ多様な可能性に着目し、その価値を社会で最大限に活かすためのアイデアを募集するコンテスト「YADOKARI TINY HOUSE CONTEST 2025」(以下、本コンテスト)を開催しました。

第1回目となる今回は、「繋がり -BORDERLESS-」をテーマにアイデアを募集したところ、国内外から364件のエントリーがあり、たくさんの作品が寄せられました。7月下旬に審査会を実施し、本コンテストの入賞作品が決定いたしました。8月2日のYADOKARI周年祭「鏡祭」で展示にて発表いたしましたが、改めてお知らせいたします。

今後もタイニーハウスの啓蒙、文化醸成のためにテーマを変えながら毎年実施していく予定です。

コンテストHP:https://yadokari.net/tinyhousecontest/

応募結果

【応募総数】
157点

【入賞作品】
●グランプリ

作品名:「くらしを交換するートレーラーハウスで始めるまち留学ー」
お名前:佐藤 果穂 様
お住まい:宮城県

トレーラーハウスの可動性を最大限に活かし、「街ごと移動する」というスケールの大きなアイデア性が高く評価されました。複数の拠点を巡回することで地域との関係性を深める仕組みや、宿泊・教育・体験など多機能が集約された構成が、地域資源の循環や活性化に寄与する点が印象的でした。YADOKARI審査員メンバーからは「自分たちが描くビレッジの理想に近い」との共感の声もありました。

受賞者コメント:この度は賞をいただき、大変驚いております。ありがとうございます。山にも海にも近く自然豊かな宮城の魅力を伝えたいと思い、各地を巡るトレーラーハウスと仕組みを提案しました。訪れる人と迎える人、双方が豊かになれる空間とは何かを考えながら取り組みました。

●ソーシャル賞

作品名:「移りゆく茶景」
お名前:石 光基 様
お住まい:兵庫県

地域の伝統産業であるお茶文化に着目し、タイニーハウスと融合させた点が高く評価されました。茶室のような空間で製茶の工程を体験できる構成や、ポリカーボネートや暖簾を用いた軽やかな外観など、風景との親和性も考慮されたデザインが印象的でした。また、お茶以外にも漆器や陶器などの地域資源と連携可能な拡張性があり、産業と文化を体験として提供する新しいモデルとして高い評価を得ました。

受賞者コメント:この度は栄誉ある賞を頂き、誠にありがとうございます。大変嬉しく感じております。私の提案は、トレーラーハウスの稼働性に着目し、土地に根ざした伝統産業と掛け合わせることで、「動かないものを動かす」ことをテーマにしたものです。今回は茶業を題材としましたが、他の伝統産業にも応用できる可能性があると考えています。このような機会をいただき、多くの方に提案をご覧いただけたこと、心より感謝申し上げます。

●プロダクト賞

作品名:「Tiny Garden House」
チーム名:Peppre collective(hiroto takesawa・conoco shiraishi)
お住まい:埼玉県

「庭」を主役に据え、住空間とともに“風景”を持ち運ぶという斬新なコンセプトが審査員から高く評価されました。住居だけでなく、植物や余白といった感情に訴える要素も一体で移動できることで、宿泊体験やライフスタイルの拡張が可能になる点が注目されました。タイニーハウスの特徴である「外部とのつながり」を活かし、自然との距離感や風景の借景的活用に着目した設計は空間的にも完成度が高く、実際に「滞在してみたい」との声が上がった作品です。

受賞者コメント:この度は、プロダクト賞に選定していただけたことを嬉しく思います。私たちは、プライバシーを確保した上で、外部環境と繋がることができる住まいを模索し本提案に至りました。また、トレーラーハウスとして移動できることを前提に、自然豊かな場所でも、都市部においても緑の豊かさを保った外部との繋がりを生活に取り入れる事を目指し計画しました。

●特別賞

 ※ユニーク賞の該当作品がなかったため、今回特別賞を新たに設けました。
作品名:「ヒト・モノ・トビラ」
チーム名:山本 夏希 様
お住まい:東京都

「住む」「作る」「商う」を一体化させたトレーラーハウスの提案が、審査員の共感を集めました。閉じれば制作活動の場、開けば販売・交流の場として活用できる設計は、暮らしと仕事の境界を柔軟にデザインする現代的なモデルとして評価されました。かつての商店街のような店舗兼住居の再解釈としても位置づけられ、働き方や暮らし方の新しい提案としての可能性を感じさせる内容でした。

受賞者コメント:トレーラーハウスの最大の特徴は何をおいても「移動する」ことであると考え、それでしか叶えられない役割を果たすプロジェクトを構想したく設計に取り組みました。空間と周辺を繋ぐ仕組みの提案により、小さなところから世の中を少し良くするスパイスのような計画になったのではないかと感じると共に、それを社会で実践されている方々から評価をいただき非常に嬉しく思います。

●ヤング賞

作品名:「走るFarmer〜農業をつなぐ〜」
お名前:齋藤 光志様
お住まい:静岡県

限られたトレーラーハウスの空間を最大限に活かし、農と暮らしをつなぐ構想が評価されました。特に、車両後部に畑や植物のスペースを備え、居住空間と農業空間を一体としてデザインする発想は、日々の暮らしの中に“育てる”行為を取り込む新しさを感じさせました。これからの暮らし方を考える上で重要な価値観が詰まった提案として、若い世代ならではの視点が光る作品でした。

受賞者コメント:ヤング賞を受賞でき、大変嬉しく思います。受賞のメールを見たときは、何度も見返すほど驚きました。初めてのコンペで手探りでしたが、先生や友人、家族の支えがあって完成できました。農業に楽しく関心を持ってもらうにはどうすればよいかを考えて制作しました。これからも、楽しみながら表現する姿勢を大切にしていきたいです。

審査会の様子

今回の審査は、各ユニットから選出された審査員が集まり、それぞれの視点から作品を評価し、議論を重ねながら入賞候補を絞り込んでいく形式で進行しました。開発担当から営業担当まで、異なる専門性をもつメンバーが集まったことで、空間設計の完成度だけでなく、実現性や事業性、社会性、ストーリー性といった多角的な評価軸が生まれ、熱量のある審査会となりました。

グランプリの決定には、全YADOKARIメンバーが参加。各自が推し作品への思いを語り、時に笑い、時に唸りながら、白熱した意見交換が交わしながら審査を実施しました。「この作品の空間性はすばらしい」「アイデアとしては面白いが、トレーラーハウスとしてどうか」「実際に使ってみたいか」「自分だったら住みたいか」――それぞれが暮らしや未来に対するリアルな視点を持ち寄り、真剣に向き合う場となりました。

審査を終えて

                    
今回のコンテストでは、「トレーラーハウス」という制約の中で、多様で独創的な提案が集まりました。特に、単なる空間設計にとどまらず、地域資源の活用や伝統文化との接続、交流を生む場づくりなど、社会的な視点を持った作品が多く見られた点が印象的でした。

また、学生から設計事務所の方まで幅広い応募者による作品に、それぞれの「暮らし」や「地域」へのまなざしが込められており、単なるアイデアコンテストに留まらない、深い思考と情熱を感じました。

タイニーハウスを「プロダクト」としてだけでなく、「関係性を育むメディア」として捉えた提案が複数あり、住まいという枠を超え、地域に入り込む装置としての可能性を模索している姿勢に、YADOKARIとしても共鳴する部分が多く、今後の展開が楽しみです。たくさんのご応募ありがとうございました。

お知らせ:10月中旬まで星天qlayにて全作品を展示いたします


8月12日から10月中旬頃まで、星天qlay内のqlaytion galleryにて全作品を展示いたします。
ぜひお立ち寄りください。

qlaytion gallery
詳細:https://www.hoshiten-qlay.com/shop/qlaytion-gallery/
営業時間:月・火・木・金 13:00〜17:00

4月5日(土)、東京都町田市、鶴川団地にて開催した「鶴川団地かどで祭」。
当日の様子をお伝えするレポート動画を公開しました!

「鶴川団地かどで祭」は、団地の”いままで”に感謝し、”これから”をみんなで迎えるお祭り。2025年春からはじまる住棟の建て替え工事を機に、ひとつの節目となるような「かどで」をみんなで作りたいという思いで開催されたイベントです。

団地へのこれまでの感謝やこれからへの想いを、音楽やダンス、アートなど様々な表現にのせて、参加者のみなさんと共に分かち合ったイベントの様子を、ぜひ音や映像でお楽しみください♪

▼動画はこちら

どんなことをやったの?イベントの様子をご紹介!

\個性豊かなアーティストが大集合/
7組のアーティストや団体の皆さんをお呼びした音楽ライブ

\地域の皆さんによるユニークなお店やワークショップを楽しめる/
鶴川団地ありがとうマーケット

\鶴川団地の思い出を上映/
鶴川団地のおもひでコレクション

\スペシャルフィナーレを盛り上げる/
タッセルガーランドワークショップ

\団地をカラフルに彩る/
ひろばにラクガキエリア

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!また鶴川団地でお会いしましょう!

▼動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=A3ICTjiamdk

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フランスの深い森の中、小さな光がそっと灯る。日が暮れると、それはまるで紙の灯籠のように浮かび上がり、静かな空間を優しく照らす。この小さな建築「Meditation Cabin」は、建築ユニット Meaningless Architecture によってつくられた、静かに心をととのえるための場所だ。

軽く、明るく、簡素に。木と光でつくる“ととのう”空間

設計者のJiaojiao MiaoとQitao Yangがこのキャビンに込めたキーワードは、「light(軽い/明るい)」。構造は最小限の木材で組み立てられ、地元で豊富にとれるモミの木を使い、わずか0.73立方メートルの材料で1週間以内に完成した。土台から少し浮かせた構造により、建物全体がふわりと宙に浮いているような印象を与える。

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出入り口は床の一角にあり、腰をかがめてキャビンの下をくぐり、梯子を登って床に上がるという、ちょっとした動作が“スイッチ”のような役割を果たす。座って空を見上げる。木漏れ日が床や壁にゆれるのを眺める。寝そべって光の変化を感じる -このキャビンには、心と体がふっとほどける瞬間が詰まっている。

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森のなかで見つける、身体ごと味わう静けさ

このキャビンの魅力は、形だけでなく、その過ごし方にもある。上部が斜めにカットされた屋根からは、遠くの景色をのぞくことができ、頭を出して森の風を感じることもできる。内側に向いた構造は、周囲の自然との関係を切るのではなく、むしろ“距離をおくことで深くつながる”という、内省的な感覚を引き出してくれる。

日中は葉の影が繊細に揺れ、夕暮れとともに内部からにじむ光が、森のなかにひっそりとした存在感を放つ。まるで「呼吸する灯籠」のように、時とともにその表情を変えていく。
静かに、軽やかに、自然とともにある時間。その本質にふれるための場所が、この森のなかにそっと用意されている。

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ベトナム・ハノイの喧騒からわずか30分。山の斜面に寄り添うように建つ、小さな家がある。名前は「Forest House」。建築家のChu Văn Dôngが、自身の週末用として設計したこのタイニーハウスは、自然の中で静かに過ごすために生まれた、極めてミニマルな空間だ。

たった3,000ドルで叶えた、森の中のマイホーム

建設費用はわずか3,000ドル(約45万円)。129平方フィート(約12㎡)という小さな床面積に、必要最低限の設備がぎゅっと詰め込まれている。切妻屋根の素朴な木造構造で、前面はすべてガラス張り。

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目の前に広がるのは、ハノイからおおよそ30kmにある地域、ソックソンの深い森。窓の外には、光と風、そして木々のざわめきがあるだけ。そんな贅沢な体験を、シンプルな設計で実現している。

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この建物は、敷地内に建てられた3棟のうちの1つで、いずれも同じ設計で構成されている。冷房と小さな薪ストーブも完備しており、暑さも寒さも快適にしのげる。さらに、裏手には屋外バスも設置されており、森の香りに包まれながら湯に浸かるという、非日常的な時間が味わえる。

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ミニマルだからこそ味わえる、静けさと余白のある暮らし

室内はコンパクトながら、ベッドをふたり分置ける広さがあり、夫婦や友人と気軽に滞在するにはぴったり。テレビもなければ、派手な照明もない。でも、必要なものはすべて揃っていて、それ以上のものは自然が与えてくれる。

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Chuは、「この家が、低コストで簡素なつくりでも豊かな時間が過ごせるということを、多くの人に伝えられるきっかけになれば」と語っている。今後は同様のプロジェクトを別の土地でも展開していく予定で、将来的にはこの家もレンタルとして提供する計画だという。

自然と寄り添いながら、そっと静けさに身を委ねる。そんな休日を過ごしたくなったら、きっとこの「Forest House」がぴったりの場所になるはずだ。建築家・Chuの思いや、ここで過ごすひとときがきっかけとなって、少しのお金で始める小さな暮らしに惹かれる人が、これからきっと増えていくだろう。静けさと余白に満ちた、暮らしの新しい開拓がここから始まっている。

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都心から少し離れ、碓氷軽井沢ICから車でおよそ1時間。緑が生い茂る道を抜けたその先に、木々に溶け込むように佇む深いグリーンのタイニーハウスが現れます。そこが「YADOKARI VILLAGE 北軽井沢」。日常の喧騒を離れ、肩の力がすっと抜けるような、上質で心地よい時間が流れる場所です。ここではどんな滞在が待っているのでしょうか。滞在の様子を少しだけ、のぞいてみましょう。

DAY1ーー日常を忘れて、新しい体験や感覚と出会う

施設を訪れるその前に…

到着までの時間も、旅の大切な一部。チェックインは15時からですが、その前に立ち寄りたいのが軽井沢エリア。ランチやお買い物、四季折々の自然を感じるネイチャーツアーなど、楽しみがぎゅっと詰まった場所です。

地元のマルシェで新鮮な野菜やチーズ、ハムなどを買い込めば、夜の食卓が一層華やかになるはず。ゆったりとお寛ぎいただけるよう、ご到着前に買い出しを済ませておくのがおすすめです。

午後3時。セルフチェックインでタイニーハウスに足を踏み入れると、まず感じるのは木のぬくもり。天井まで届く大きな窓からは、まるで一枚の絵のように北軽井沢の自然が広がっています。その景色は、季節や時間帯によって表情を変え、訪れる人だけの“特別な風景”に。どんな景色と出会えるかは、来てからのお楽しみです。

また室内には、リビングやキッチン、ロフト空間を備えた心地よい空間が広がります。ベッドはファミリーでもゆったり過ごせるサイズで、愛犬と一緒にくつろぐのもOK。旅の疲れを癒すひと眠りのあとは、ウッドデッキから庭へと足を伸ばしてみても気持ちがよさそうです。

各棟には専用のお庭がついていて、ここで過ごすひとときが、YADOKARI VILLAGE 北軽井沢の魅力のひとつ。お子さまやワンちゃんと思いっきり遊んだり、BBQをしたり、焚き火の準備をしたり。ご自身の別荘のように、心の赴くままにお楽しみください。

夕暮れどき、そろそろ夕食の支度を。キッチンには必要な調理器具がそろっているので、持ち込んだ食材で気軽に料理が楽しめます。普段は料理をしないという方も、この空間ならなんだかちょっとやってみたくなるかも。大切な人と一緒に食事の用意をし、じっくりと味わう時間。ここだからこそ過ごせる、素敵なひとときが、忘れていた思い出や感覚を思い出させてくれることでしょう。

>>詳しい施設設備、室内備品はこちらをご確認ください。

ディナーは、ウッドデッキで星空を見上げながら、あるいは室内でほっと落ち着きながら。冷蔵庫には地域のおつまみやこだわりのドリンクがそろったミニバーも。コーヒーからナチュールワインまで、大人も子どもも嬉しいラインナップにこだわっています。

NAGANO WINE & 地域のドライフルーツのおつまみを楽しめるセットプランもご用意しています。

食後は、ゆったりと焚き火を囲んだり、室内をシアターモードにして映画鑑賞をしたり。施設内にはプロジェクターも完備しており、大画面での映画鑑賞が楽しめます。限られた空間だからこそ親密な会話が生まれ、心があたたかくなるような時間。ふと見上げれば、満天の星空が静かに広がっています。

◎\アウトドアを手ぶらで楽しめる/BBQ&焚き火セットのご紹介
「もっと気軽にアウトドアを楽しみたい!」という声にお応えして、各棟にBBQ&焚き火のフルセットをご用意しました。ぜひご活用ください。


■BBQ備品セット|3,500円
・BBQコンロ(炭)
・網/炭/着火剤/チャッカマン
・トング/軍手/火おこし&火消し壺/灰処理スコップ

■焚き火備品セット|1,500円
・薪(1束)/薪割り/火ばさみ
・着火剤/チャッカマン/手袋/火消し壺/灰処理スコップ

スマホでの決済OK&すぐに使える手ぶら仕様。
ご宿泊の際は、ぜひご活用ください!

そして21時以降は、施設全体がクワイエットタイムに。静けさの中で、自然とともに過ごす夜は、日常を忘れさせる至福のひとときとなるでしょう。読書をしたり、自然のBGMを聴きながら語らったり…。多くのものはないけれど、そこにはたしかな豊かさがあるのです。

DAY2ーー朝霧と静寂のなかで迎える、心ほどける朝

翌朝は、早起きがおすすめ。霧がうっすらと立ちこめる北軽井沢の朝を散策してみてください。澄んだ空気に包まれながら歩く朝は、心も身体もきっと軽やか。いつもとは違うはず。朝しか見ることのできない自然のさまざまな表情をお楽しみください。

朝食は、好きな場所で。ウッドデッキで風を感じながら、あるいはテーブルでゆっくりと。前日に手に入れた地元野菜をサラダにしたり、淹れたてのコーヒーを片手にぼーっとしたり。それだけで、これから始まる1日がもうすでに素敵な日になりそうです。

チェックアウトは10時。名残惜しさを感じつつも、次なる目的地への楽しみも忘れずに。チェックアウト後は、ぜひYADOKARI VILLAGE提携のプライベートアウトドアサウナ「kaveri(カヴェリ)」へ足を運んでみてください。ドーム型、登り窯風、バレルサウナの3種類から、お好みのサウナをお楽しみいただけます。

薪の香り、鳥のさえずり、小川のせせらぎといった自然の恵みに包まれながらのサウナ体験は、格別のひとときです。宿泊者様には、予約料金が10%オフになるキャンペーンもございますので、ぜひご利用ください。

そのほか、近くの秘湯で朝風呂を楽しむのも良し、少し足を伸ばして東御のワイナリーを訪れるのもおすすめです。旅の余韻を味わいながら、思い思いの時間をお過ごしください。

YADOKARI VILLAGE 北軽井沢での時間を、少し感じていただけましたでしょうか。今回お見せしたのは、ここで過ごす時間の種類の中のほんの一部。ここで生まれる大切な人との対話や感覚も、訪れた人の数だけあるはずです。

ここでの時間が、あなたにとってどんな体験となるのでしょうか。あなただけの特別な時間を、ぜひYADOKARI VILLAGE 北軽井沢で体験してみてください。

>>YADOKARI VILLAGE 北軽井沢の公式サイトはこちら

>>YADOIKARI VILLAGEの公式Instagramはこちら

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スコットランドの南西部を拠点とする建築スタジオ Echo がつくり出したのは、森の中にふわりと浮かぶように佇む、小さな木の家「Tree Hoose」。

その姿はまるで、樹上に舞い降りた秘密の隠れ家。スコットランド高地の急斜面に、ヘリコプターで空輸されて設置されたというこの家は、自然を邪魔せず、静かに寄り添うように建てられている。

空から降り立つ、5つのパーツからなる小屋

この木の家は、Echoが自社の工房で設計・制作したシリーズのひとつで、建設現場とは別の場所であらかじめ制作された。全5つのパーツに分けられ、それぞれ1トン未満の軽量設計。これは、現地の急斜面に空から輸送するための工夫だ。

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内部はワンルームながら、寝る・食べる・洗う・くつろぐという日々の過ごし方を、十字型の間取りの中に心地よく配置。薪ストーブを中心に、コンパクトながら充実した暮らしが展開される。

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森とつながる、明るくあたたかな空間

屋根の天窓と、床から天井まで届く大きな窓が、森の木々や遠くの湖、山々までを額縁のように切り取る。ベッドからは、苔むした森の地面がまっすぐ目に飛び込んでくる。反対側にはバルコニーがあり、木の上から森を眺める“ウッドランド・バス(森林浴)”も楽しめる設計だ。

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内装には、やわらかな木肌で明るい印象の木材(スプルース)を壁に使用。クラシックな白と黒を基調にした色づかいと、オーダーメイドの家具が調和し、シンプルながら美しく機能的な空間をつくっている。

断熱には羊毛を使用し、床暖房と薪ストーブでしっかりと暖を取れるつくり。厳しい高地の冬にも対応する、ぬくもりのある居場所だ。

外観は、曲線を描いた黒いトタン屋根と、幅の異なるカラマツ材の板張り。森の中でも自己主張しすぎず、周囲の木々を映し込む大きな窓とともに、風景にそっととけ込んでいる。

“Build small, build smart, build beautiful.”(小さく、賢く、美しく)
Echoが掲げるこの言葉を、体現する一棟だ。

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【WHAT IS TINY トレーラーハウスを買う前に、読んでおきたい記事一覧】

\ひと記事でまるわかり/トレーラーハウスとは?事務所や住宅などの使用用途や価格、メリット・デメリットなど
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トレーラーハウスで飲食店を開業するメリットは?キッチンカーとの比較も踏まえてご紹介

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via: archdaily.com

英国の建築ユニット Invisible Studio が手がけた「Trailer」。
この小さな移動式住居は、わずか2万ポンド(約370万円)という低コストで、建設現場の廃材と地元の森で伐採した木材を使い、自分たちの手でつくられた。

「Trailer」は、公道を走って運搬できるだけでなく、本格的な住まいとしても、短期の仮住まいとしても利用できるよう設計されている。
移動の際は、車輪付きのフレーム(ボギー)を土台に取り付けた状態で現地へ運ぶ。

家を構成する木の骨組み(工場で事前に製作されたパーツ)も、このフレームを使って現地に運び込まれた。

via: archdaily.com

外壁は波板、内装は使い終わったベニヤ–素材はすべて「もったいない」の精神から

外壁には、リサイクルされた波型のグラスファイバーとスチールを使用。内装には、建設現場でコンクリートの型をつくるために使われていた使い終わったベニヤ板を洗って再利用している。階段や棚などの細かい部分も、すべてベニヤの端材でつくられている。手すりには、以前の建築ワークショップで余った青いロープが活用された。

via: archdaily.com

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光をたっぷり取り入れるために、家の両端には透明感のある軽量な素材(ポリカーボネート)を使った大きな窓のような壁があり、室内をやわらかい自然光で満たしている。断熱材は回収されたものを再利用し、ドアは廃棄されそうだったものを見つけて再使用。天窓も、キズがあるなどの理由で通常の販売から外れた「B級品」をうまく活かしている。

via: archdaily.com

森の中で、森の木を使って──木と暮らしの新しい関係を探る

使用された木材はすべて、同じ太さ・幅にそろえたサイズのものを採用。製材の効率が良く、必要に応じて貼り合わせて強度を高めている。

木材はすべて、Invisible Studioのスタジオのまわりに広がる森から伐採されたもので、彼らが自ら管理している資源。以前建てたスタジオ(Visible Studio)でも同じ森の木が使われており、「建築」と「森の循環」をつなぐ試みとして注目されている。

via: archdaily.com

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via: payload.cargocollective.com

スウェーデン・ヴィルセラム美術館で開催中の展覧会「Träkraft(木の力)」で、建築ユニットのUMA(ウルフ・メイエルグレン・アーキテクツ)とアーティストのトラヴィス・チャイルドが手がけた作品「Timber Twist」が公開されている。

この作品の着想源となったのは、「ミノムシ」として知られる虫の幼虫。枝や苔、小さな石などを集めて、自分の身を守るための殻をつくる姿にヒントを得たという。
その殻は自然と調和し、そっと風景に溶け込む。やがて幼虫はその中でじっと身をひそめ、さなぎとなり、羽のある雄だけが外に出てくる。雌はその殻の中で一生を過ごし、やがて卵を産んで命を終える。

via: mossandfog.com

そんな小さな生き物の暮らしぶりから、「わたしたちがつくる“殻”とは何か?」という問いが生まれた。家や壁といった目に見えるものだけではなく、心の奥にある思い込みや、社会からの期待といった目に見えない枠もまた、私たちを守り、そしてときに縛っているのではないか──。この作品は、そんな問いかけをやさしく投げかける。

via: mossandfog.com

くるくると巻かれた木の空間で、すこし立ち止まる

《Timber Twist》は、木でできた小さなシェルターのような空間。金属は使わず、すべて木と木を丁寧に組み合わせる、昔ながらの手仕事でつくられている。使われているのは「ヤマナラシ」というやわらかい木材で、木の丸太を一段ずつ、少しずつずらしながら積み重ねていくと、自然とくるくると螺旋を描いていく。

via: mossandfog.com

入り口は丸く、ノミで削られたその形は、同じ木を好むビーバーの歯あとを思わせる。中に入ると、頭上には木のうずまきが広がり、静かに見上げることができる空間になっている。

via: mossandfog.com

この場所に座っていると、私たちが「家」と呼ぶものについて、少し違う角度から考えてみたくなる。居心地のいい場所だからこそ、知らないうちに「外の世界」に目を向けなくなっていることもあるのかもしれない。

《Timber Twist》は、そんな“いつも”から、ふっと抜け出してみるきっかけをくれる。これまでと少し違う生き方や、自分なりの「殻」のあり方を思い描く、その入り口になるような作品だ。

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トラックの荷台から滑るように降ろされ、ぱたぱたとパネルが開いていく。まるでダンボール箱を広げるようにして現れるのは、Maddison Architectsが手がけた「Tiny Home」。これは、オーストラリアの団体RACVが掲げる“サステナブルでコンパクトな暮らし”のモデルとして開発された、展示用タイニーハウスだ。

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外観はシンプルな切妻屋根の小さな建物。だが、黄色の格子パネルがサンシェードやデッキへと展開する姿は、思わず目を奪われる軽やかさがある。内部には、ビクトリア産のハードウッドが張り巡らされ、温もりある木の空間が広がる。窓辺には植物が植えられ、外と内がやさしくつながる設計だ。

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高性能でスマート、そして地球にやさしいタイニーハウス

見た目の愛らしさだけではない。この家は、電気・水・排水すべてを自給できるフルオフグリッド対応型。太陽光発電や雨水の再利用など、環境への配慮が随所に散りばめられている。また、壁や屋根は7層構造で、ココナッツ油や大豆油を使った“フェーズチェンジ素材”を内包。通常の家の60%もエネルギー効率が高いとされ、移動中に風速100kmにも耐える構造強度も持つ。

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室内には、Google Homeによる音声操作で照明・音響・カーテンまで制御できるスマート機能が備わり、遊び心も忘れていない。折りたたみ式のテーブル、隠しTV、子どもが遊べるカーゴネット。70年代のキャラバンを思わせるような、懐かしさと未来感が交差する設計だ。

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小さくても、世界が広がる。暮らしの自由を手に入れる一台

この家がひとつあるだけで、暮らしは一気に自由になる。森の中にぽつんと設置して、自然とともに過ごす週末を楽しんだり、電源不要の拠点として旅をしながら働いたり。軽やかに運べて、開いて、整う。

そんな“動く家”が、新しいライフスタイルの扉を開いてくれる。サステナブルで賢く、そしてなにより楽しい——そんな未来の住まいが、ここにある。

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トレーラーハウスで飲食店を開業するメリットは?キッチンカーとの比較も踏まえてご紹介

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