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(c)Naoko Kurata

2008年のリーマンショックを契機に、アメリカから始まったタイニーハウスのムーブメント。ここ欧州オランダでは、アメリカから数年遅れた2015年頃にムーブメントが本格化してきました。2015年以降、小さな暮らしに踏み切る人々が増えてきています。けれどまだ新しいムーブメントなので、実践している人は若者が大半。シングルまたはカップル同士で暮らしている人がほとんどです。そんな中、子供と共に暮らす家族のタイニーハウスが話題を呼んでいます。子供の暮らしやすさと、スタイリッシュさを両立させているタイニーハウスをご紹介します。

「タイニーハウスたちのタイニービレッジ」

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その話題のタイニーハウスは、オランダ中部の街Nieuwegeinの郊外に建っています。

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実はこの広い敷地は、タイニーハウスが集うタイニーハウス村なのです。Nieuwegeinの自治体が2017年冬に、最大10軒のタイニーハウスが最長2年ここに住んでも良いという許可を出した敷地になります。現在6軒のタイニーハウスが移住してきています。

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ちなみに入り口の看板に書かれている「KLEIN HUIZEN」は、オランダ語の「小さな家たち」という意味の言葉です。この村は、「Tiny Village Kleinhuizen」(小さな家たちのタイニービレッジ)という通称で呼ばれています。

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今回ご紹介するのは、入り口の一番近くに建つこちらのタイニーハウス。家主のKarinさんとGijsbertさんが、ご自身で創り上げました。

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屋根のあるテラスに、揺り椅子が吊られています。天気の良い日には、ここに座ってコーヒーを飲んだりしたいですね。

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素敵なテラスを持つタイニーハウスは、中もとってもおしゃれ!

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25㎡の中に、ミッドセンチュリー風のセンスの良いインテリアが上手に配置されています。

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オランダのタイニーハウスはセンスの良いデザインが多いですが、その中でもこのKarinさんたちのご自宅は抜きん出ています。そのスタイリッシュさが注目され、雑誌やテレビといったオランダ・メディアからの取材を数多く受けているのです。

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けれどそのセンスの良さも去ることながら、メディアが注目するのにはまた別の理由がありました。実はそれは、Karinさんたちの家族構成に秘密があります。

幸せな子供時代を育むタイニーハウス

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KarinさんとGijsbertさんの間には、2人のお子さんがいるのです。4歳のJulietteちゃんと2歳のBerend君も、もちろんタイニーハウスに住んでいます。かつてご一家は50㎡のマンションに暮らしていましたが、タイニーハウス・ムーブメントが活性化するのを目の当たりにし、ご自身たちの暮らしをミニマライズすることを決意されたのです。

タイニーハウスを自作し、マンションを引き払い、2017年の春にタイニーハウス生活をスタートさせました。そして秋にかけて半年間、Bilthovenという街のキャンプ場で仮停泊しながら本格的にトレーラーハウスが移住できる場所を探したKarinさんたち。そしてついに、Nieuwegeinの自治体からこのタイニーハウス村での生活を許可されたのです。

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家族で暮らすタイニーハウスというだけあり、お子さんたちのプライベート・スペースも存在します。まず入り口から右手側には、Berend君のための場所が。

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子供部屋らしい可愛らしさと、タイニーハウスらしいコンパクトさがある、これまたおしゃれなスペースでした。

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その上には、お姉ちゃんのJulietteちゃんのためのロフトが。はしごがないと上がれない場所なので、Gijsbertさんに「Julietteちゃんは一人で上がれますか?」と思わず尋ねてしまいました。すると「全然問題ないよ!下のBerendだって一人で上がれるんだから」と意外な返事が。うーん、タイニーハウス暮らしのお子さんはたくましいですね!

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ちなみにロフトの中には、女の子らしいアイテムが。キュートですね!

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そして、お子さんたちのスペースの横にある、ひときわ目を引くこのインテリア。いくつも重ねられたアンティークなトランクたちも、実は立派な収納なのです。このトランクの中のいくつかには、お子さんたちのおもちゃなどが仕舞われているんですよ!全く想像できないですよね。ぜひ真似したいテクニックです。

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Gijsbertさんも、お子さんたちと近い距離にいられるタイニーハウス暮らしに、いたく満足している様子でした。常にお互いの存在を感じ取れるのが、何よりも嬉しいと語ってくれました。

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Karinさんたちのタイニーハウスを「いいなあ」と感じるのは、子育てするのに非常に良い環境だということ。家の前のスペースには、Gijsbertさんたちが作った自家製プレイエリアまであるんです!画像では見えにくいですが、なんとブランコまでしっかりありました。

かといって、別に彼らが山奥の僻地に住んでいるという訳ではありません。一般の住宅街や商業施設にもほど近い場所にあり、Julietteちゃんは自転車で数分の小学校にも通学しています(オランダの小学校は4歳から入学可能)。

自然環境と便利さのバランスがとれた場所にあり、家族との距離も近いタイニーハウス暮らし。こんな家で子供時代を過ごせるJulietteちゃんとBerend君が羨ましいです!きっと彼らの子供時代の思い出には、常にこのタイニーハウスが共にあることでしょう。

そして後編では、Karinさんたちのタイニーハウスに負けず劣らず素敵な、他の「Tiny Village Kleinhuizen」住人たちのタイニーハウスをご紹介します。

ライター:倉田直子

 

 

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オランダのアイントホーフェンにある、泊まれるタイニーハウス「Waterland Huisje」。記事の前編で、この可愛らしいタイニーハウスの成り立ちをお話ししましたが、では実際の泊まり心地はどうなのでしょうか。この家で一晩過ごした感想をお伝えいたします。

「Waterland Huisje」ミニキッチン

(c)Naoko Kurata

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前編でもお伝えしていたように、「Waterland Huisje」はロフトのある10㎡のタイニーハウス。泊まるとなると食事の準備が必要になりますが、キッチン事情はどうなっているのでしょうか。

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実はミニキッチンがあり、しっかり電熱調理器具も準備されていました。電気ケトルもあるので、簡単な調理ならできそうです。

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小型冷蔵庫があるので、生ものの持ち込みも大丈夫そうです。そして宿泊定員2名なので、2名分の食器も。ちなみに、「B&B」というだけあり、朝食にいただけるティーバッグやシリアルも置いてありました。

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けれど普段自炊している私は、この機会に外のごはんを楽しむことに。「Waterland Huisje」は徒歩5分以内におしゃれなカフェやレストランがあるので、食事には全く不自由しません。でもせっかくなので、フィッシュ&チップスをテイクアウトして「Waterland Huisje」のダイニングテーブルで美味しくいただきました。

「Waterland Huisje」のバスルーム

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そして、大事なトイレ事情に関してもお伝えしたいと思います。「Waterland Huisje」のバスルームは、ミニキッチンの奥、スライドドアの向こう側にあります。

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扉を開けると右側にシャワーブース、左側にトイレが。実はこのトイレ、しっかり水洗トイレでした!

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モバイルハウスの場合は廃水処理の都合から、コンポストトイレを採用することがほとんど。でもこの「Waterland Huisje」は、電気や下水管を近隣の建物とシェアしている「オングリッド・ハウス」だったのです。それが宿泊して一番驚いたポイントかもしれません。

「Waterland Huisje」での寝心地は?

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そして、夜が更けたら就寝です。日中は端に寄せていたロフトへの階段を、上りやすい位置にセッティングすることもできます。

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ちなみにロフトの照明は、ロフト上でしか操作できないのでご注意を。そしてロフト上に電源があるのも嬉しい心遣いですね。

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これは、ロフトの布団に入って見える光景(消灯後)。正面に見えるのは、玄関上の小窓です。
そしてぐっすり眠り、気持ちよく朝を迎えることができました!

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個人的には「Waterland Huisje」の悪いところは全く見つからなかったのですが、あえて1つ挙げるとしたら「もしかしたら揺れている?」かもしれないということ。私は感じなかったのですが、ドア横のキー置き場に収まったキーが常に揺れていたので、もしかしたら風などで小刻みに揺れているのかもしれません。振動に敏感な方は、もしかしたら気になるかもしれませんね。

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この可愛らしい「Waterland Huisje」は、メールで宿泊予約することが可能です(オランダ語または英語)。2018年現在、宿泊費は一泊50ユーロ。そこに清掃費25ユーロと観光税3.50ユーロ(各人)が加わるので、仮に2名で一泊したら合計は82ユーロ(2018年8月現在約1万375円)ということになります。
予約日の2週間前には入金を済ます必要があるので、仮に日本から送金する場合は早めに問い合わせしたほうが良いかもしれません。

予約詳細は、「Waterland Huisje」公式HPをご参照ください。

Via: waterland-huisje.nl

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ひとくちに「タイニーハウス」と言っても、定義は様々。わたしたち「タイニーハウス・オーケストラ」では、主に20㎡以下の家をタイニーハウスとしています(ロフト部分などは別)。一軒家を見慣れた目には20㎡でもかなりコンパクトに映るものですが、それが更に半分の「10㎡」ならどうでしょう? 今回は、その10㎡のタイニーハウスの可能性をお届けいたします。しかも見学のみならず、なんと泊まれるタイニーハウスなんですよ!

本の表紙にもなる「Waterland Huisje」

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その超コンパクト・タイニーハウスは、オランダでもタイニーハウス愛好家たちの間では知られた存在の「Waterland Huisje」(ヴァーターランド・ハウシェ)。2017年発行のタイニーハウスに関する本の表紙を飾っている、赤い屋根と水色の壁が印象的な可愛らしいデザインです。

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実はこの家は、宿泊ができるオランダでも珍しいタイプのタイニーハウス。様々なタイニーハウスを見学し、モバイルハウスに宿泊したこともある私ですが、ここまで小さな家での宿泊は未経験です。そのため、ぜひこの噂の「Waterland Huisje」に宿泊してみたいと、停留地のアイントホーフェンまで出向いてみました。

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タイニーハウスは郊外の、公共交通機関では行きにくい場所に建つことも多いですが、この「Waterland Huisje」が佇むのは、「Strijp-S」というアイントホーフェンの中でもにぎやかでヒップなエリア。現代美術館やオフィスビルの立ち並ぶ界隈に突然と現れます。

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私がこの家の実物を目撃した時の第一声は、やはり「可愛い!」でした。このデザインは、オランダの北ホラント州にあるザーンの地方の伝統的な建築にインスピレーションを受けているのだとか。そして名前の由来は、同じく北ホラント州にあるヴァーターランド(Waterland)にあるのだそう(「Huisje」はオランダ語で「小さな家」)。

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入り口側から見ると「小屋」という印象でしたが、後ろからの表情はまさしくモバイルハウス。ちなみに、けん引用パーツなどを抜いた居住部分の長さは4.8m、幅は2.05mだそう。では、早速中に入ってみましょう。

小さくても、使い勝手は十分

(c)Naoko Kurata

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10㎡の中に、ミニキッチンとダイニング、くつろぎのリビングスペースがこじんまりと収まっています。ちなみに、シャワールーム兼トイレは、ミニキッチンの奥の扉の向こうにあります。必要なものが、しっかり揃っていて感動です!

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そしてもちろん、寝室スペースはロフトの上。ちなみにロフトの広さは縦2.4mの幅2.05m。2人でも十分眠れる広さです。天窓が設けられているので、ロフトスペースにも十分な採光がありました。小さくても、しっかり使い勝手を考えられていることが伝わってきます。

3人の男性が手掛けた「Waterland Huisje」

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この機能的なタイニーハウスを創ったのは、3人のオランダ人男性たち。建築デザイナー兼CADスペシャリストのReinoud Bolandさんは、2013年の終わりにこのタイニーハウスのアイディアを思いつきました。そこで同じく建築業界で働いている、週末のサッカー仲間のPeer van Lingさん、Teun de Bokさんを誘い、制作に取り掛かりました。当初は1年かかると思われていた建築ですが、予定より半年早い2014年7月に完成したのだとか。

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家の骨組みや屋根、窓の取り付けはプロの工務店が作り上げたそうですが、そこ以外の部分はすべてReinoudさんたち自身で行ったのだとか。インテリアはもちろん、配管工事や電気工事も、知人たちに助けてもらいながら行ったそう。
そんな甲斐があり、この「Waterland Huisje」の総工費は3万5千ユーロ(2018年8月現在約442万円)に収まったと「Tinyhouse Orchestra」の取材に答えてくれました。ちなみに、この金額のうち約半分が材料費だそう。

(c)Naoko Kurata

そして完成後の2015年から、アイントホーフェン内で時折場所を変えながら「B&B」(ベッド・ブレックファストという、朝食付きの宿泊施設)として運営されているのです。
後編では、オランダのみならず、世界中のタイニーハウス・ファンが泊まりに訪れるこの宿での宿泊リポートをお届けいたします。

Via: waterland-huisje.nl

via: dezeen.com

サウスロンドンにある、幅わずか2.3メートルの3階建てテラスハウス。2つの家屋に挟まれた幅の狭い住宅は、外向きの壁がないために自然光が不足していました。傾斜した屋根を設置して天窓を配置することで、光がたっぷりと差し込む軽やかな住まいへと生まれ変わりました。

かつて大通りに抜ける路地だった土地に建てられた、若いカップルが暮らす極細のテラスハウス。ロンドンの建築スタジオAlma-nacは、限られた予算と敷地の制限のなかで、このスリムハウスの住宅拡張を見事に成功させました。

Via:dezeen.com

「狭く奥まった住居は、まるで閉所恐怖症を呼び起こしそうな場所でした」とAlma-nacのパートナーのトリスタン・ウィグフォール氏。そこで、自然光がたっぷりと住まいの奥まで差し込み、部屋が広く軽快に感じられるようにするためのプランが練られました。

改築前のテラスハウスの日の差さない中心部分は、暗く陰鬱な印象を醸していました。3階建ての建物には、騒がしい大通りに面した窮屈な寝室と書斎の小さなサッシの窓、裏には南向きのバスルームが配置されていました。1階のエントランスのロビーはダイニングルームと兼用されており、申しわけ程度の後部の拡張部分は、キッチンを通って庭へアクセスするのを妨げている状態でした。

近隣の不動産では、アートギャラリーやスタジオなどが1階を占め、上階のアパートと共にテラスハウスが裏側のファサードまで敷地いっぱいに伸びていました。最初に、新しい裏のファサードに、周りと同様のテラスハウスの形状を維持することが検討されました。しかし複数のテラスと屋根の建築の複雑さは、法外なコストに上ることが判明し、住まいの中心まで光を引き込むという点でも問題がありました。

Alma-nacは解決策として、シンプルな施工が可能な、連続するスレートで覆った傾斜した屋根を取り付けることを決定します。住宅の後部を拡張し、緩やかにスロープした屋根に天窓を設置して、自然光が各階の部屋に入るようにデザイン。傾いた屋根を追加することによって、1階にダイニングエリア、2階に予備のベッドルームと、3階に書斎スペースを設けることが可能になりました。

拡張建築の重要なポイントの1つは、フロアをクランク状に折り曲げることで、敷地の裏に位置するメインの南向きの部屋の採光を増やし、庭と空の見通しを良好にすることでした。「各階の床板を曲げることで、フロアから天井までの高さが増して、自然光が住宅の奥まで差し込むようになります」とウィグフォール氏。2.5メートル以上に設定された天井高のデザインは、内部のスペースを最大にし、熱貫流率を最小限に抑えています。

2倍の高さになったダイニングは、幅の狭さを感じさせない開放感です。ドアを開けると裏庭の道と家が一続きになり、まるで美術館にいるような感覚が味わえます。

Via:dezeen.com

天井を傾斜した屋根をオープンにすることで、中央の階段の上に明かり取りが設置できました。これにより、自然光が2階と3階の部屋まで降りそそぎ、天窓を開ければ煙突効果による自然換気が実現できます。両側のレンガの壁は、元の建物の屋根の形状を伝えるために、階段の吹き抜けの上にあえて露出したままにしています。

Via:dezeen.com

天然石の外観のスレートタイルを使用して壁と屋根を覆い、屋根のスロープから垂直な裏側のファサードまで続く一貫したエクステリアのデザインとなっています。フレームにオーク材を使用したドアが、敷き詰められたスレートを突き抜け、住人をダイニングエリアから庭へと導きます。

狭い空間に十分なストレージを確保することは、もっとも熟慮を重ねた点です。ベッド頭部に収納棚を設け、最上階の上部のロフトスペースやコンパクトなバスルームのレイアウトに至るまで、収納を確保するための工夫が随所に施されています。

2階のメインベッドルームを細長い形状にして、ドレッシングルームを新たに作ることで、ベッドルームのスペースが家具でいっぱいにならないようにしています。

Via:dezeen.com

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ホテルの一室を思わせるクリーンなバスルーム。ミラーを兼ねた収納キャビネットが美しい。

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屋根に設置された天窓は、廊下に沿って外界への視界を保持して、傾斜した天井の上を照らすように構成されています。配置をずらした大小の窓のパターンが、ファサードに遊び心を加えてエクステリアをユニークに引き立てています。

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斜め構造の建築は、美術館や劇場などのパブリックな施設では珍しくはないものの、住宅の拡張に使うというのはユニークです。Aフレームの側面をファサードにすることで、施工と材料費も節約できます。うなぎの寝床のような日本の町家などにも活用できそうなアイデアです。

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Via:
dezeen.com
alma-nac.com

(提供:#casa

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非日常の中に身を置くからこそ、イノベーションを生み出すことが出来る。
ならば、オフィスを気持ちの良い自然環境に移動させたらどうだろう?

これは一見するとおしゃれなカフェポッドやキッチンカーのように活用できそうなトレーラー。しかし、実際は南アフリカのケープタウンで作られたラグジュアリーな設備を備えたモバイルオフィスだ。収容人数は6人、つまりこのトレーラーは、共に働く6人のメンバーを絶景が望める海岸や丘へと連れて行ってくれる移動型のオフィスだ。

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大自然の中にも設置可能な極上のモバイルオフィス「NOVA」

NOVAは、2016年に設立されたコワーキングスペースWork & Coが開発。設計と製作に6カ月をかけ、2017年12月にケープタウンのストリートに誕生した。

20フィートシャーシのトレーラーの上に作られたNOVAは、およそ6.1m×2.1mの大きさ。室内にはベルベットの大型シート、景色を一望できるたくさんのシェード付きウィンドウ、そしてトイレも備えている。

インテリアで目を惹くアフロデザインの壁紙は、クワズールのクラフトアートスタジオ Ardmore Ceramic Artの作品を使用。見ているだけで心がウキウキする、生命感あふれるペインティングだ。

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大きな開口部を開けば、大自然と一体になれたかのような開放感に浸ることができる。休憩時間になれば、仕事に打ち込むワーカーたちの頭の中もスッキリし、頭も心も芯から休まる極上の休憩時間を過ごすことが出来るだろう。

NOVAは、小さなオフィスであるにも関わらず、通常のオフィスを上回る充実した設備を備えている。たとえば、高速Wifi、スマートテレビ、Apple TV、プリンター、ホワイトボード、ネスプレッソマシン、ミニ冷蔵庫、充電スタンド、プラグポイント、給水設備など。

仕事をする場所にApple TVなんて必要?なんて思う人もいるだろう。しかし、ただ仕事に打ち込むだけではなく、時には映画を見ながらみんなで笑い合ったり、エンターテイメントの中から思いもよらなかったアイディアを獲得したり。そんな「遊び」や「余白」を仕事の中にもたらしてくれるのがNOVAなのだろう。さらに、電力はすべてソーラー発電でまかなう完全オフグリッド仕様となっており、環境にもやさしい仕組みであるというのもこのオフィスの魅力だ。

モバイルオフィスならではのユニークは通勤方法とは?

Webサイトから予約すると、ドライバーが所定の場所までNOVAをけん引してチームメンバーをピックアップ。ビーチやウォーターフロント、市街地を見渡せるヒルサイドなど、風通しの良いロケーションへと運んでくれる。NOVAの行き先は、特色のある景色が堪能できる5つの場所から選ぶことができ、こちらの指定場所への運搬も対応可能とのこと。

via: dezeen.com

via: dezeen.com

リクエストに応じて、朝食用のコーヒーとクロワッサン、ランチの手配もできる。料金は1日コースが250ドル、半日コースが143ドル。5〜6人で利用することを考えれば、激高という感じでもないかもしれない。

NOVAの移動するオフィスのアイデアに対しては、「仕事を忘れてリフレッシュしたい環境で、狭いトレーラーの中でデスクに向かうなんてナンセンス」というメディアの声も。確かにその通りだが、キャンプチェアやタープを持ち寄って、アウトドアミーティングすればいいように思う。

via: dezeen.com

コワーキングスペースとツーリズムの組み合わせは、本当に非現実的なコンセプトなのだろうか?
1カ月、もしくは2週間に一度、チームメンバーでワーキングトリップを行えば、人間関係の風通しも良くなるように思う。NOVAを利用している会社なら、ワーカーの定着率も悪くならないのでは?

みなさんも、トレーラーハウス、タイニーハウスを活用し、自分に合った極上のオフィス環境を作り出してみてはいかがだろうか。

Via:
workandco.co.za
dezeen.com

via: kartent.com

KarTentは、野外音楽フェスティバル用のリサイクルできるダンボールテント。参加者がフェスにテントを運ぶ必要がなくなり、終了後に廃棄されたテントの残骸を減らすためのプロダクトです。ダンボールテントに思い思いのペイントを施し、エコな気分で野外で音楽を思いきり楽しむ。自由なライフスタイルで持続可能性に貢献できるアイデアです。

「カート・テント」という意味のKarTentは、天然素材のダンボールから作られた100%リサイクル可能な環境にやさしいテント。アムステルダムに本拠を置くスタートアップが、フェスティバルの終わりに放棄されることが多いナイロン製テントの代わりに考案したものです。数日に渡って開催される音楽フェスでは、終了後にテントを片付けて持ち帰る気力の残っていない人たちも多く、オランダでは毎年2万5000にもおよぶテントが廃棄されていました。

via: kartent.com

KarTentは、建築家・Jan Portheineとインダストリアルデザイナー・Wout Kommerの若い2人によって開発されました。Janがデルフト工科大学の建築科の卒業プロジェクトのために設計した、ダンボール製のビーチハウスがその発端です。ダンボールを使用して何が作れるだろうかと模索していた彼らは、イギリスのグラストンベリー・フェスティバルで、無数のテントが放棄されている写真を目にしました。一度も音楽フェスに行ったことのないJanは、その光景に衝撃を受け、KarTentの開発を決意したのです。

via: kartent.com

KarTentはフェスの開催地近くの工場で生産され、現場であらかじめ組み立てられて提供されるので、参加者は自家用車の代わりに、公共交通機関を使ってフェスにアクセスできます。このため、配送や移動による排出ガスを減少させる効果が期待できます。従来のテントより、二酸化炭素の排出量を減らして製造できるのもポイント。KarTentのサステナブルなコンセプトは国際的に高く評価され、2017年の「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞しています。

via: red-dot.org

KarTentの大きさは、高さ1.45メートル×長さ2.40メートル×幅1.60メートルで、3.3平方メートルの広さに大人2人を収容でき、換気のための小さな窓が付いています。テントは長い木材繊維を持った非コーティングの厚手のダンボールから作られ、標準的なテントにはない強度を備えています。

via: kartent.com

開発者の2人は様々なダンボール製造業者を訪問し、豊富な繊維によって頑丈かつ防水性に優れた、波状構造のダンボールに行き着いたとのこと。ヨーロッパ各地に工場を持つ、世界的な梱包紙材メーカー Smurfit Kappaが製造を請け負っています。

KarTentの設計では、折りたたみの構造と、コーナーとドアを丈夫にして防水にすることが最大の課題でした。最終的には悪天候の中でも、4日間ドライな環境で過ごせる性能を実現しています。フェスの場所にフラットパックで届けられたテントは、横に開けば一瞬で自立し、両側に三角形の蓋をはめて、25秒でハイ出来上がり。

via: designboom.com

ダンボールの表面に広告表示や自由にペイントができるので、フェスティバル主催者は、スポンサーにロゴ付きのテントを配布させるといったことも可能です。そのため各フェスでのKarTentの販売は、無料を含んだ様々な価格帯で提供されており、平均価格は35ユーロ (約4550円, 1ユーロ=130円) となっています。

via: designboom.com

フェス終了後には、参加者はテントを家に持ち帰ることができますが、実際にはほとんどの人がそのまま残していきます。きれいなテントは、学校やボーイスカウト、スポーツクラブに寄付され、汚れたものは地元の業者に運ばれリサイクルされます。

via: designboom.com

KarTentの会社でも古いテントを再利用して、簡易アウトドアチェアや照明器具といったオリジナル製品に生まれ変わらせています。

via: kartent.com

ハンドクラフトでアップサイクルされたダンボール照明、Bee Light(ミツバチ・ライト)は、ダンボールの波型から柔らかく光が漏れる素敵なデザイン。一点ものとして手作業で作られているので、照明のパターンや波の文様がすべて異なるライトです。

via: kartent.com

猫用プロダクトのエキスパートがデザインした、猫好きには見逃せないCatTentもあります。60 x 30 x 30 cmの大きさで、片面がホワイト、もう一面がブラウンに仕上げられ、インテリアに応じて回転させて設置できます。側面に開けられた多数の穴で、猫が快適にお家でキャンプできるテントになっています。

via: kartent.com

via: kartent.com

KarTentホームタイプや、高さ1.2メートル×長さ0.8メートル×幅1.5メートルのジュニアタイプを含め、オリジナルのダンボール製品は、オンラインストアからインターナショナルに配送可能です。送料の割合がかなり高いのがネックですが。スタートアップではこの他に、使用済みテントをキノコ栽培のための肥料として活用できないかと研究しているそうです。

KarTentはナイロン製のテントと違い、日光を完全に遮るので、朝日のもとでもフェスで疲れた身体をゆっくり休めて寝坊することができます。

via: kartent.com

個性を生かしてお絵描きしたテントで、エコロジカルに自由を満喫。KarTentがデザインするのはハードではなく、ユーザー体験だと言えるでしょう。アムステルダムのスタートアップが、今後どのように、無意識に楽しめるサステナブルなストーリーを紡いでいくのか注目したいと思います。

Via:
kartent.com
designboom.com
technischweekblad.nl
red-dot.org

(提供:#casa

via: https://www.dwell.com/

Airbnbで訪問者数No1.とされているツリーハウス、「Mushroom Dome Cabin ( マッシュルーム・ドーム・キャビン ) 」があるのは、アメリカ西海岸のカルフォルニア州アプトス。ロサンゼルスとサンフランシスコの間に位置して、サンタ・クルーズのすぐ東側にある自然豊かな森の中。Kitty Mrache ( キティー・ムラッチェ ) とその夫の Michael ( マイケル ) が、2009年にこのツリーハウスをAirbnbにリスティング。そこから数え切れないほどの5つ星の評価と1,300近くものレビューを受けており、今では、Airbnb内で最も予約の難しい宿泊施設といわれている。

(さらに…)

丸かったり、尖っていたり、浮いていたり。
通常の建物とは形が異なる小屋がある。
人の居場所となる「機能」だけでなく、
「楽しさ」「個性」を探求しているような、
小屋の事例を眺めてみたい。

ユニークな形の小屋たち

小屋はしばし、建物としてあまり見かけない形になる。

ヒュッゲなタイニーハウスが新風を巻き起こす?ニューヨークのとんがりキャビンに注目
via: baunetz.de

幾何学模様にこだわってみたり、

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ひし形だけで構成されたエストニアのサマーハウスvia: dornob.com

球になったり、

森の小人になった気分で楽しもう。球体のツリーハウス
Via: freespiritspheres.com

生物を模してみたり。

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繭の形のツリーハウス「Cocoon」
via: Dezeen

何を求めて、こんな形に?

こうしたユニークな形の小屋は、なぜつくられるのだろう?

与えられた条件の中で、機能を追求した「結果」ということはあるだろう。

低予算スモールハウス「Trailer」。トレーラーの上で組み立てるには、五角形が理にかなっていた。
via: http://www.architecturetoday.co.uk/

でも明らかに、その範疇を超える小屋もある。

キュートなふりして、実は頑丈。りんごのツリーハウス
via: http://www.homecrux.com/

「機能」とともに、「楽しさ」「美しさ」なんかを探求しているようだ。

UFO-Treehotel-1

スウェーデンの森に出没した宇宙からの訪問者?!「The UFO」
Via:inhabitat.com

加工技術や素材の進歩が、小屋の可能性を高める

ユニークな小屋ができる背景には、テクノロジーにより加工の自由度が上がったことがあるだろう。

職人技とデジタル製作の融合。DIYで作られたマイクロオフィス「Lighthouse」
via: archdaily.com

レーザーカッターや3Dプリンタなどのデジタル工作機械によって、ものづくりの環境は大きく変わっている。

3D技術を駆使したつくった未来型スモールハウス
via: http://www.archspace.cz

素材の選択肢も、増えている。

自然と一体になれる不思議空間。透明なバブルテントが持つ可能性
via: nouvo.com

ダンボールだって、素材にできるようだ。

全て段ボールでできたオフグリッドな家「Nido House」
via: http://www.abitare.it/

これはさすがに少し、“攻めすぎ”な気もするけれど。

-20℃もOK!雪上ダンボールハウス

可能性を追求する小屋

人は、可能性を追求したい生き物なのかもしれない。

建築家なら、建築が生み出す価値を高めたい。

空間を探求したらこうなった。立方体と球体が組み合わさったコンパクトな家
via: stevenholl.com

アートとしての表現を追求したかったり、

思い出と未来の建築アート。アルゼンチンの燃料タンクのシェルター
via: martinmarro.blogspot.com © Martín Marro

思いついた“遊び心”を実現してみたかったりすることはあるだろう。

Via:humble-homes.com

怖いもの知らずのあなたのための、ツリーハウスとブランコ「La Casa del Árbol」
Via:humble-homes.com

人の居場所という「機能」を備えつつも、DIYで手が届き、自由度が高い小屋。

試しにつくって何かの「可能性を追求する」のに、ちょうどよいのかもしれない。

(了)
<文:谷明洋、イラスト:千代田彩華>

【都市科学メモ】

小屋の魅力

いろいろな可能性を追求できる

生きる特性

DIYで手が届く規模感、素材や加工の高い自由度、物理的な制約

結果(得られるもの)

楽しさ、美しさ、遊び心の発揮場所、個性、発信力、建築の可能性

手段、方法、プロセスなど

おもしろい追求を考える
興味を持って追求できるテーマを考えたい。機能をところん突き詰めるでも良いし、形や素材に自らルールを課すこともできる。“遊び心”を発揮できれば、楽しい追求になるだろう。
実現方法を考える
ユニークな形でも、やり方次第で実現することはできるだろう。レーザーカッターや3Dプリンタといった、デジタル工作機械の活用も考えたい。
デジファブがかなえる、人と地域を結ぶ家づくり
いろいろな小屋を見て楽しむ
ユニークな小屋は、自分で所有したりつくったりせずに、見て回るのも楽しい。YADOKARIのサイトなどから情報を集め、訪ねてみてはどうだろう。
【Theory and Feeling(研究後記)】
長野県南部の松川町で2019年ゴールデン・ウィークから営業を始める「ツリードーム」があり、縁あって見学させてもらうことができました。「建っている」のではなく、吊られて宙に「浮いている」光景は、実際に見るとなかなかのインパクト。ドームからは、森の見え方なんかもずいぶんと変わるんだろうなぁ、と想像したら楽しくなりました。(たに)

 

「都市を科学する」の「小屋編」は、横浜市の建築設計事務所「オンデザイン」内で都市を科学する「アーバン・サイエンス・ラボ」と、「住」の視点から新たな豊かさを考え、実践し、発信するメディア「YADOKARI」の共同企画です。下記の4人で調査、研究、連載いたします。

谷 明洋(Akihiro Tani)
アーバン・サイエンス・ラボ主任研究員/科学コミュニケーター/星空と宇宙の案内人
1980年静岡市生まれ。天文少年→農学部→新聞記者→科学コミュニケーター(日本科学未来館)を経て、2018年からオンデザイン内の「アーバン・サイエンス・ラボ」主任研究員。「科学」して「伝える」活動を、「都市」をテーマに実践中。新たな「問い」や「視点」との出合いが楽しみ。個人活動で「星空と宇宙の案内人」などもやっています。

小泉 瑛一(Yoichi Koizumi)
建築家/ワークショップデザイナー/アーバン・サイエンス・ラボ研究員
1985年群馬県生まれ愛知県育ち、2010年横浜国立大学工学部卒業。2011年からオンデザイン。2011年ISHINOMAKI 2.0、2015年-2016年首都大学東京特任助教。参加型まちづくりやタクティカルアーバニズム、自転車交通を始めとしたモビリティといったキーワードを軸に、都市の未来を科学していきたいと考えています。

さわだいっせい / ウエスギセイタ
YADOKARI株式会社 共同代表取締役
住まいと暮らし・働き方の原点を問い直し、これからを考えるソーシャルデザインカンパニー「YADOKARI」。住まいや暮らしに関わる企画プロデュース、空き家・空き地の再活用、まちづくり支援、イベント・ワークショップなどを主に手がける。

また、世界中の小さな家やミニマルライフ事例を紹介する「YADOKARI(旧:未来住まい方会議)」、小さな暮らしを知る・体験する・実践するための「TINYHOUSE ORCHESTRA」を運営。250万円の移動式スモールハウス「INSPIRATION」や小屋型スモールハウス「THE SKELETON HUT」を発表。全国の遊休不動産・空き家のリユース情報を扱う「休日不動産」などを企画・運営。黒川紀章設計「中銀カプセルタワー」などの名建築の保全・再生や、可動産を活用した「TInys Yokohama Hinodecho」、「BETTARA STAND 日本橋(閉店)」などの施設を企画・運営。著書に「ニッポンの新しい小屋暮らし」「アイム・ミニマリスト」「未来住まい方会議」「月極本」などがある。

via: https://www.archdaily.com/

海に沈みかけているようにみえるコンクリートの物体、これが「海底レストラン」だと思う人は、ほとんどいないのでは?

この危うげなレストランがあるのは、スカンジナビア半島最西部に位置する、ノルウェー最南端にあるBåly (バーリー) 村の海岸。
「海底レストラン」というと、水族館などに併設してあることが多く、海の環境も安全が確保されているイメージがある。しかし、今回の「レストラン・Under」は、周りには何もない自然そのものの海の中にあるのだ。

これまでと一線を博す「海底レストラン・Under」の奇抜な発想はどこからきたのだろう。デザイン・設計したのは、Kjetil Trædal Thorsenが創始者のSnøhetta (スノーヘッタ) という建築会社。レストランは、2019年3月20日にオープンした。

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via: http://www.maddisonarchitects.com.au/

「世界で最も住みやすい都市ランキング」で、常に上位に入るオーストラリアのメルボルン。そのメルボルンのビクトリア州にあるスモールハウスは、シンプルな切り妻屋根と、黒と黄色のコントラストが印象的な外観で、総面積は19.0平方メートル。

設計・建築を手がけたのはPeter Maddison(ペーターマディソン)で、biophilia (バイオフィリア) という考え方に基づいてデザインされている。「biophilia」とは、人間や動物が後天的に自然を好む様になる前に、先天的に自然界の一部を好んでいるのではないか、という考え方。

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via: airbnb.jp/rooms/3406062

WiFiなし、携帯の電波なし。おもてなしは、眼下に広がる太平洋と落ちてきそうな満天の星空だけ。『VOGUE』誌が2015年に、テイラー・スウィフトと友人のモデル、カーリー・クロスのフォトシューティングに選んだロケ地が、カリフォルニアのこのマリブ・ドリーム・エアストリーム (Malibu Dream Airstream)。マリブの高い丘の端にぽつりと置かれた、ラグジュアリーなエアストリームのキャンプホテルです。

via: vogue.com

via: vogue.com

ロサンゼルスから車で約1時間。マリブの海岸から険しいワインディングのダート路を、縫うように登っていくとシルバーに輝くエアストリームが見えてきます。Airbnbでレンタルされているマリブ・ドリーム・エアストリームは、高級ホテル並みの宿泊料金にもかかわらずレビューは5つ星で、ロケーションへの称賛の言葉が並びます。

「ここで何をするにしても、デッキからのサンセットの眺めだけは見逃してはだめ。その後は、漆黒の夜空にきらめく銀河と星座、海に映る揺らぐ月の姿を楽しんで」と語るホストのキャシー。VOGUEの掲載以降、予約は数ヵ月先までフルの状態が続いています。

via: airbnb.jp/rooms/3406062

マリブ・ドリーム・エアストリームは、もともと地元マリブの自然を愛するデザイナーが、仕事の骨休みのリトリートのためにつくったもの。エアストリームのアルミニウムの車体の側面を切り落とし、全面にフレームレスのガラスのスライディングパネルが取り付けられています。ガラスパネルの正面には、片持ち梁で支えられた広々としたウッドデッキが外へとせり出し、サンタモニカの山々や太平洋の海原のパノラマビューが目の前に展開します。ストライプの影を落とす、木の枝と竹でつくられたエレガントなシェードのデザインが目を惹きます。

via: airbnb.jp/rooms/3406062

オープンデッキの上には、厚みのあるふかふかのウールラグと大きなクッションが置かれ、フレッシュな空気のなか、ゆったりとリラックスして景色をエンジョイできます。

via: airbnb.jp/rooms/3406062

エアストリーム内部には、クイーンサイズのベッドと予備のベッドに拡張するソファーがあり、最大3名の大人が宿泊できます。コンロ付きの簡易キッチンとフルサイズの冷蔵庫、サウンドシステムも完備されています。

via: airbnb.jp/rooms/3406062

バスルームとシャワー、給水場は外の箱型の木造建物に独立しています。温水設備がないので寒い日のシャワーは覚悟が必要。また、貯水タンクの水も飲料用には適さないとのレビューもあるので、スマートロックでのチェックインの前に、あらかじめ食料品と飲み物を用意して持ち込んだほうが良さそうです。暖房がないので、冬の時期の宿泊には防寒のための準備が必要でしょう。

via: airbnb.jp/rooms/3406062

via: airbnb.jp/rooms/3406062

マリブ海岸の街へは7分ほどのドライブで到着できます。シーフードが美味しい、Neptune’s Netというレストランがあるのでダイニングに利用できます。ただし、街灯のない夜道の運転には十分に注意が必要。そもそも車高の低いスポーツタイプの車でのオフロードからのアクセスは厳しいものがあり、サイトへの乗り入れにはRV車がお薦めのようです。マリブビーチでのサーフィンやサンドストーン・ピークでのマウンテンハイキングなど、アウトドアのアクティビティの楽しみも充実しています。

via: countryliving.com

WiFiもなく、携帯の電波も届かない現実と隔絶した世界。マリブ・ドリーム・エアストリームには、グランピング施設のような快適性や利便性はありません。しかしながら、デッキから見わたす息を呑むようなフォトジェニックなパノラマは、訪れたゲストたちを一遍に虜にしてしまうようです。インスタ時代にマッチした、一度は訪れて自慢してみたい夢の場所といえるかもしれません。

Via:
airbnb.jp/rooms/3406062
vogue.com
countryliving.com
homecrux.com

(提供:#casa

via: droomparken.com

タイニーハウスに宿泊して、実際に住み心地を試せる場所がオランダにあります。「Droomparken (ドリームパークス)」が販売するタイニーハウスは、プレファブではなく、デザインを規格化したサステナブルな建売住宅。購入希望者は、自然豊かな“住宅展示場”にて、タイニーハウスを宿泊体験することができます。

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