小さくて豊かな暮らしのベース、タイニーハウスとは?

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タイニーハウス(Tiny house)とは、「Tiny(小さな)house(家)」を指す言葉で、1990年後半にアメリカで提唱された家の形です。

その後、2008年のリーマン=ショックをきっかけに「シンプルで無駄のない生活」が注目され、タイニーハウスはムーブメントになって世の中に広がり始めます。

タイニーハウスの定義は厳密にはありませんが、「TINY HOUSE ORCHESTRA」ではざっくりと、「延床面積はおおむね20㎡以内で、本体価格は1000万以内(ローンは組まないまたは最小限の期間)、セルフビルドや移動ができること」。
加えて、「大切なものと向き合うきっかけとなること」と定義しています。

たかが家ですが、されど家です。毎日多くの時間を過ごす空間だから生活に与える影響だって大きいはず。
生き方だけでなく、暮らし方や働き方を変えてしまうかもしれないタイニーハウスについてご紹介したいと思います。

タイニーハウスとは「大切なものに囲まれた、ほんとうに豊かな生活」をするための家

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日本でタイニーハウスが注目されはじめたのは東日本大震災後のこと。

突然失われるかもしれない「物質的に豊かな生活」ではなく、「大切なものに囲まれた、ほんとうに豊かな生活」を模索する人が増え、その手段のひとつとしてタイニーハウスが注目されています。

日本で注目されているタイニーハウスは、約10㎡の小さな家「マイクロハウス」や、車で牽引して移動可能な「トレーラーハウス」、子ども部屋や書斎にもなる「小屋」などで、国内でこれらのタイニーハウスを販売するメーカーも少しずつ増えているのです。

タイニーハウスは、なぜ「大切なものと暮らし、ほんとうに豊かな生活をするための方法」として注目されているのでしょうか?その理由のなかで、代表的なものは以下の通り。

・家にかかる費用が抑えられる
・働き方が変えられる
・必要なもの、そうでないものを見直せる
・ちいさいからこそ、空間にこだわることができる

これらの理由を、それぞれ細かく解説していきます。

◎家にかかる費用が抑えられる

タイニーハウスは一般的な家に比べて小さいことが特徴です。そのため、家を建てる際に使う材料は少なくすみます。

材料が少なくてよいということは、その分費用がかからないということ。小さくて作りがシンプルなため工期も短く、自分で建てることもできるため、工務店などに支払う工賃も抑えられます。

また、住み始めた後も少ない数の照明や空調設備で済むため光熱費の負担が減り、暮らしにかかるコストを抑えることができます。

◎働き方が自由になる

家にかかる費用が抑えられれば、抑えた分のお金を子どもの養育費や貯蓄に回せます。

これなら、ある程度収入が下がったとしても問題はなく、場所も職種もある程度自由に仕事を選んだり、働く時間を短くすることができるはず。

たとえば、「まだ住宅ローンが残っているから」と無理に仕事を続けなくてもよくなるのです。

◎必要なもの、そうでないものを見直せる

タイニーハウスの小さな空間に持ち込める家財道具は限られるので、住むときにはある程度断捨離を行う必要があるでしょう。

そのなかで、自分にはなにが必要で、逆に何が必要ないのかを知ることができます。

必要なもの・そうでないものを考えることは、ものだけでなく、お金や住む場所、人との付き合いを考えることにもつながり、自分にとって大切なものを見極めるきっかけになるのではないでしょうか。

◎ちいさいからこそ、空間にこだわることが出来る

タイニーハウスは小さいため、一つ一つの材や設備のグレードを上げたとしても大きな負担にはなりません。

例えば環境負荷の少ない材やこだわりの材、お気に入りのデザインの家具を選ぶことで、自分自身が「本当に幸せだと思える空間」を作ることができます。

ほかにも、居住空間がちいさくなることで固定資産税が抑えられたり、掃除が簡単になったりと様々なメリットがあるタイニーハウス。
お金や時間の無駄を省き、ほんとうに自分が大切なものに向き合うきっかけの一つとして、これから益々注目を集めていくのかもしれません。

【画像引用】
①②:tumbleweedhouses.com

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