この家を建てた若者が学校を卒業して建築家として歩み始めたところ、程なくして戦争が始まってしまいました。戦火を逃れ、家族と共に田舎に疎開します。農業を営む友人が敷地の一部を提供してくれたので、そこに小さな家を建てました。

誰もが一度や二度、都会の喧騒を離れ、田舎でひっそりと暮らしたいという願望を抱いたことがあるのではないだろうか? アメリカの都市部に住んでいたジェスとアリッサの若いカップルは、オフグリッドな生活を手に入れるという夢を実現するために、アイダホ州の深い山奥に自分たちの住処を一から建て始めた。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 2007年に出版した『セルフビルド 家をつくる自由』の取材を通じて、セルフビルドの魅力に取り憑かれてしまった蔵前仁一さん。この本を制作するまでは工作も苦手で自分がDIYするとは思いもしなかったというが、今では週末になると電動工具を使って家周りの整備や小屋など、常に何かを作る生活を送っている。

インタビューの前編では、自宅に自分の手を加えることの楽しみや、バックパッカーとセルフビルドの意外な共通点について語っていただいた。後編では、セルフビルドだからこそできる蔵前さん流の「味わいのある空間」や、セルフビルドに必要な3つのチカラ、さらにはライフワークともいえる旅行についてお話を伺った。

前編はこちら ⇒ 「セルフビルドとはバックパッカー旅行のようなもの」『旅行人』の蔵前仁一さんが語るセルフビルドの魅力

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自らの旅を綴った『ゴーゴー・インド』や『ゴーゴー・アジア』など、数多くの旅行記を執筆し、個人旅行者向けの情報誌『旅行人』やバックパッカー向けのガイドブック『旅行人ノート』などを手掛ける出版社「旅行人」の発行人兼編集長である蔵前仁一さん。

「旅行人」が発行する書籍のほとんどは旅行や海外の文化をテーマにしたものだが、そのなかに『セルフビルド 家をつくる自由』という異色の一冊がある。日本全国の個性的なセルフビルド建築30軒を紹介し、セルフビルダーの想像力を掻き立てる本として高い評価を得ている。

今回は「この取材を通してセルフビルドに夢中になった」と話す蔵前さんに、自分で家を建てることの魅力について語っていただいた。

家とはあなたにとってどんな存在だろうか? 多くの人にとっては自分の家を建てることが夢であり、結婚したら、あるいは生涯独身だとしても自分だけの城を建てるというのは多くの人の望む幸せのひとつだろう。

それでもたとえ小さな家だとしても、家を建てるとなると大ごとだ。現代を生きる私たちにとって、家を建てるということは、家を建築家や建築会社や住宅会社から購入することであり、それには膨大な金額がかかる。

私の周りにも素敵な家の代わりに、勤務年数ギリギリのローンを抱え、必死に働いている友人も多い。家を建てるということは、まさに生涯を賭けた買い物なのだ。

もし、夢の家が人生を賭けたような大きな買い物をしなくても入手できるとしたらどうだろう?今回ご紹介するのは、アイルランドに住む人物のとある試みだ。

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多拠点居住、ミニマルライフやコミュニティビルドなど、未来住まい方会議でご紹介している暮らし方。これらの暮らしはまだまだ実践者も少なく、始めてみたいけど少し不安という方も多いのではないでしょうか?この連載では、日本国内の新しい暮らしの実践者にお話をお聞きして、日本ではじまっている「新しい暮らし方」を始めるヒントをお伝えしたいと思います。

※この記事は、2015年11月27日(金)に三栄書房から発行される「アイム・ミニマリスト」から内容を抜粋しています。

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