Huerquehue Refugeは、建築事務所DRAAがチリ・プコンの森に手がけた小屋だ。リード建築家はNicolás del RíoとFelipe Camus。2021年に完成し、延床面積は45m²。つくり手たちはこれを「The Rock Shelter(岩のシェルター)」と呼んでいる。
依頼主は、哲学者ビョンチョル・ハンの思想に通じた夫婦だった。彼らが望んだのは、森の中のキャビン。ただし、少なくとも二つの条件を満たすものでなければならなかった。森林火災に、せめて部分的にでも耐えること。そして、風景の中に消えてしまうことだ。
消えるための小屋という考え方
家を建てるとき、私たちはつい「どう見せるか」を考えてしまう。けれどこの夫婦が求めたのは、その逆だった。
風景の中に消えること。建物が主役になるのではなく、森が主役であり続けること。そのための小屋である。
DRAAは数年前にこの依頼を引き受けたという。目立たないことをいちばんの目標に据えた設計は、建築家にとっても一つの挑戦だったはずだ。
思想に通じた施主と建築家とのあいだで、「住まいとはなにか」という問いが静かに交わされていたのだろう。そんな想像をしたくなる。
岩のシェルターと呼ばれる理由
もう一つの条件は、森林火災に耐えることだった。森に暮らすということは、その美しさとともに、火という脅威を引き受けることでもある。
「岩のシェルター」という呼び名には、この二つの願いが重なって見える。森の中にある岩のように、景色の一部としてそこにあること。そして岩のように、火から身を守る存在であること。
隠れることと、守ること。一見別々の要件が、一つの名前のもとで結びついている。
45m²に込められた森との距離
延床面積は45m²。森の中に置くには、ほどよく控えめな大きさだ。
大きく広げれば、そのぶん森に対して存在を主張することになる。小さくとどめることは、風景に消えるという目的とも響き合っている。
写真はMarcos Zegersによるもの。協力者としてMatías Rivera、Daniela Faríasも名を連ねている。
自分の存在を小さくし、周りの自然に場所を譲る。Huerquehue Refugeは、そんな住まい方のかたちを見せてくれる。
日本にも、山や森に寄り添うようにして建つ庵の文化がある。目立たず、けれど確かにそこで暮らす。遠いチリの森の小屋は、私たちが昔から知っていた感覚を、あらためて思い出させてくれるのかもしれない。
Huerquehue Refugeのデータ
- 物件名:Huerquehue Refuge
- 設計:DRAA(Nicolás del Río, Felipe Camus)
- 国:チリ
- 地域:プコン
- 面積:45 m²
- 完成:2021
- 写真:Marcos Zegers
Huerquehue Refugeのよくある質問
Q. Huerquehue Refugeの広さは?
A. 延床面積は45m²だ。
Q. Huerquehue Refugeは誰が設計した?どこにある?
A. チリのプコンにあり、DRAAが設計した。リード建築家はNicolás del RíoとFelipe Camusで、2021年の作品だ。
Q. この小屋にはどんな要件があった?
A. 森林火災に少なくとも部分的に耐えること、そして風景の中に消えることの二つが求められた。
via: https://www.archdaily.com/1041275/huerquehue-refuge-draa
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