トレーラーハウスは、冬や雪の多い地域でも使えます。そのためには、断熱と窓(開口部)を寒さに合わせ、水回りの凍結を防ぎ、雪に耐える屋根にした「寒冷地仕様」を選ぶことと、置き方・暖房・電気の計画をあわせて考えることが大切です。
この記事では、トレーラーハウスの企画・製造・販売と、冬には雪が積もる北軽井沢での宿泊施設の運営を手がけるYADOKARIが、寒冷地仕様で何が変わるのか、凍結・雪・風への備え、冬の暖房と電気の考え方をまとめました。
3行でわかるトレーラーハウスの冬対策
- 仕様:寒冷地仕様は、断熱・窓・水回りの凍結対策・屋根の形が標準と違う。YADOKARIでは1,160万円〜(税別・2026年10月時点)
- 置き方:配管の凍結、屋根の雪、強い風、搬入路の雪を、設置の前に計画しておく
- 暮らし方:暖房に合わせて電気の容量を決める。燃やす暖房を使うときは換気を必ず行う
トレーラーハウスは冬でも住める・泊まれる?
寒さに合った仕様と設置をすれば、冬でも住まい・宿泊施設として使えます。YADOKARIは、冬には雪が積もる群馬県嬬恋村の「YADOKARI VILLAGE 北軽井沢」で、トレーラーハウスの宿泊施設を運営しています。
ただし、トレーラーハウスは床下に空間があり、外気に触れる面が多い形です。標準の仕様のまま寒い地域に置くと、床が冷えたり、配管が凍ったりしやすくなります。寒い地域に置くなら、はじめから寒冷地仕様を選ぶか、断熱や凍結対策を追加して計画しましょう。
寒冷地仕様は何が違う?
主に「断熱」「窓」「水回り」「屋根」の4つが違います。YADOKARIの寒冷地モデルの仕様の一部を、標準的なモデルの一例と比べてみます。
| 項目 |
ROADIE 寒冷地モデル |
(参考)標準的なモデルの一例 |
| 断熱(床) |
スタイロフォーム 100mm |
ミラフォーム 40mm |
| 断熱(壁) |
グラスウール 90mm |
グラスウール 50mm |
| 水回り |
冬の凍結防止の措置あり |
― |
| 屋根 |
切妻屋根(雪の多い地域での使用を想定した耐雪の屋根) |
― |
※ 寒冷地モデルはROADIE 寒冷地モデル、標準的なモデルの一例はTinys INSPIRATION 9mの商品ページの仕様です(2026年10月時点)。仕様は受注のたびに相談して決められます。
とくに差が大きいのは床の断熱です。トレーラーハウスは地面から浮いた形なので、床から冷えが伝わりやすく、寒冷地モデルでは床の断熱材を厚くしています。
YADOKARIの寒冷地モデル
| モデル |
広さ |
価格(税別) |
寒さへの備え |
| ROADIE 寒冷地モデル |
16.2㎡ |
1,340万円〜 |
断熱と窓を寒冷地向けに。水回りの凍結防止。雪に耐える切妻屋根 |
| MIGRA 寒冷地モデル |
14.6㎡+ロフト4.2㎡ |
1,160万円〜 |
断熱を強化。寒冷地仕様のキッチン・トイレ・シャワー。雪下ろしがしやすい片流れ屋根。電気の床暖房をオプションで選べる |
※ 2026年10月時点の参考価格です(税別)。仕様・原材料費などで変わります。運搬・設置・車検・給排水や電気の接続などの費用が別にかかります(本体以外にかかる費用)。
水道の凍結はどう防ぐ?
凍結しやすいのは、車体の下を通って地面につながる給排水の配管です。室内の水回りを寒冷地仕様にしても、外に出ている配管が凍ると水が使えなくなります。
- 外の配管を守る:地面から車体までの配管に保温材や凍結防止のヒーターを付け、外気に触れる部分をできるだけ短くします。
- 使わない期間は水を抜く:別荘や冬の休業など、暖房を止める期間は、配管の水を抜いておくと凍結による破損を防げます。
- 排水の通気をとる:YADOKARIの納品の記録では、配管の通気がとれておらず、排水があふれたり「ポコポコ」と音がしたりした例がありました。いまは設置のときの配管の手順に通気を入れています。
給排水は、移動できる状態を保つために、工具を使わずに外せる方法でつなぐのが条件です。凍結対策の部品も、その条件に合わせて選びます。
雪と風にはどう備える?
屋根の雪、車体まわりの雪、強い風の3つを、置く前に計画しておきます。
- 屋根の雪:雪の多い地域では、雪が積もりにくい・下ろしやすい屋根の形を選びます。ROADIE 寒冷地モデルは耐雪の切妻屋根、MIGRA 寒冷地モデルは雪下ろしがしやすい片流れ屋根です。
- 車体まわりの雪:屋根から落ちた雪が出入口や配管の上にたまらないよう、置く向きと出入口の位置を決めます。冬に移動する予定があるなら、搬入路の除雪も考えておきます。
- 強い風:YADOKARIの記録では、強い風で車体を支えるジャッキが曲がった例がありました。いまは風で曲がりにくい形のジャッキに替えています。ただし、ジャッキを地面にボルトで固定すると「すぐ動かせる状態」とみなされないことがあるため、固定の方法は自治体の扱いに合わせます。
冬の暖房と電気はどう考える?
暖房の方法を先に決めて、それに合う電気の容量(電圧・契約の大きさ)を設置の前に確かめます。エアコンや電気の床暖房などは、置く場所の電気の条件と合っていないと使えません。
YADOKARIの納品の記録では、100Vの電気しかない場所に200Vのエアコンを付けて納品してしまい、急いで交換した例や、施設側の契約の大きさと機器が合わず交換した例がありました。いまは、現地の電気の条件を最初に確かめて、仕様に入れるようにしています。
石油ストーブやガスストーブなど、燃やすタイプの暖房を使う場合は、一酸化炭素中毒に注意が必要です。トレーラーハウスは室内の空気の量が少ないため、こまめな換気を必ず行い、機器の説明書に従って使ってください。一酸化炭素は色もにおいもないため、気づきにくいとされています。
出典:東京消防庁「住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!」/仕様はROADIE 寒冷地モデル・MIGRA 寒冷地モデルの商品ページ(2026年10月時点)
よくある質問
トレーラーハウスは冬寒くないですか?
標準の仕様のまま寒い地域に置くと、床から冷えやすくなります。寒い地域では、断熱と窓を寒さに合わせた寒冷地仕様を選ぶと快適に過ごせます。
雪の多い地域に置けますか?
置けます。雪に耐える屋根の形や、雪下ろしのしやすさを考えた寒冷地仕様を選び、置く向きや出入口の位置も雪を考えて決めてください。
水道が凍らないようにするには?
車体の下から地面につながる配管に保温材や凍結防止のヒーターを付け、暖房を止める期間は配管の水を抜いておくのが基本です。
寒冷地仕様はいくらですか?
YADOKARIでは、MIGRA 寒冷地モデルが1,160万円〜、ROADIE 寒冷地モデルが1,340万円〜です(税別・2026年10月時点の参考価格)。運搬・設置などの費用が別にかかります。
石油ストーブは使えますか?
使う場合は、一酸化炭素中毒を防ぐため、こまめな換気を必ず行ってください。室内の空気の量が少ないため、電気の暖房を中心に計画すると安心です。
まとめ:冬は「仕様」と「置き方」の両方で備える
トレーラーハウスで冬を快適に過ごすには、断熱・窓・水回り・屋根を寒冷地向けにした仕様を選び、配管の凍結、雪、風、暖房と電気の条件を、置く前に計画しておくことが大切です。
YADOKARIでは、雪の降る地域での宿泊施設の運営で得たことをもとに、寒冷地への設置のご相談を承っています。まずは展示場で、実物の広さや窓、室内の様子を確かめてみてください。