トレーラーハウスが台風や地震にどれだけ耐えられるかは、本体のつくりだけでなく、置き方で大きく変わります。車体を支えるジャッキと地面の状態、風を受ける向き、まわりに飛ぶものが無いかが要です。一方で、地面に強く固定しすぎると「すぐ動かせる車両」として扱われなくなることがあるため、固定の方法は自治体の扱いに合わせて決めます。
この記事では、トレーラーハウスを企画・製造・販売するYADOKARIが、台風と地震に備える置き方、事前の準備とあとの点検、災害のときに役立つ使い方をまとめました。
3行でわかるトレーラーハウスの台風・地震への備え
- 置き方:固い平らな地面に、風で曲がりにくいジャッキで支える。風を受けにくい向きに置く
- 固定:ボルトで地面に固めると建物とみなされることがある。方法は自治体と相談
- 備え:台風の前は飛ぶものを片付け、過ぎたあと・揺れたあとはジャッキと配管を点検する
トレーラーハウスは台風・地震に強い?
「強い・弱い」をひとことで言うのは難しく、置き方と備え方しだいです。トレーラーハウスは、車体を道路で走らせるためのしっかりした台車(シャーシ)の上に部屋がのっています。外壁や屋根には建物と同じ素材が使われるものが多く、YADOKARIのTinys INSPIRATIONは軽量鉄骨造で、外壁と屋根はガルバリウム鋼板です。
ただし、建物のように基礎に固定されていないぶん、ジャッキの支え方や地面の状態が、強い風や揺れへの備えを大きく左右します。YADOKARIの記録でも、強い風で車体を支えるジャッキが曲がった例があり、いまは風で曲がりにくい形のジャッキに替えています(寒冷地仕様の「雪と風への備え」)。
倒れにくい・揺れにくい置き方は?
| ポイント |
なぜ大切か |
やること |
| 地面 |
やわらかい地面ではジャッキが沈み、傾きや揺れの原因になる |
整地して固める。水はけをよくする |
| ジャッキ |
車体の重さと風・揺れの力を受ける |
風で曲がりにくい形のものを、数と位置を決めて置く |
| 向き |
長い面に強い風を受けると、力が大きくなる |
その土地でよく吹く風の向きを調べ、受ける面を小さくする |
| まわり |
飛んできたものが窓や外壁を傷つける |
倒れそうな木、固定していない物置や看板を近くに置かない |
崖の近くや川沿いの低い土地など、土砂や浸水のおそれがある場所は、置く前にハザードマップで確かめましょう。土地の条件は設置場所と法律の「土地の条件」と完全ガイドの「設置できる場所」でも説明しています。
地面に固定してもいい?
強い風への備えとして固定を考えるときは、「すぐ動かせる状態」を保てる方法にすることが大切です。トレーラーハウスが建物ではなく車両として扱われるには、いつでも移動できる状態にしておくことが条件の一つです。ジャッキを地面にボルトで固めたり、基礎をつくって固定したりすると、建物とみなされ、建築確認や固定資産税の扱いが変わることがあります。
どこまでの固定なら車両として扱われるかは、自治体が判断します。風の強い地域では、設置の前に固定の方法を自治体に相談し、販売会社と決めておきましょう(完全ガイドの「車両として扱われる条件」)。
出典:神奈川県建築行政連絡協議会「車両を利用した工作物の取扱い」(PDF)/建築基準法(e-Gov 法令検索)
台風の前と後にすることは?
- 前日まで:デッキの家具・植木鉢・タープなど、飛ばされそうなものを片付けるか、しまう。窓と扉の戸締まりを確かめる。
- 停電への備え:懐中電灯、モバイルバッテリー、水を用意する。蓄電池があれば充電しておく。
- 危ないときは離れる:避難の情報が出たら、トレーラーハウスにとどまらず、自治体の指示に従って避難する。
- 過ぎたあと:ジャッキの傾き・沈み、地面のえぐれ、屋根や外壁のはがれ、窓まわりの雨もりを点検する。
台風のたびに車体を別の場所へ動かすのは、牽引の手配や費用がかかるため、現実的ではないことが多いです。置く場所選びと、ふだんの点検で備えるのが基本です。台風の進み方や強さの情報は、気象庁の情報で確かめましょう。
出典:気象庁「台風について」
地震のあとに確かめることは?
- ジャッキと車体:ジャッキが外れていないか、傾いていないか。車体の水平がくずれていないか
- 配管と配線:給排水のつなぎ目の水もれ、電気の線の外れ。においや水のあとがあれば使うのをやめて点検を頼む
- 扉と窓:開け閉めが重くなっていないか(車体のゆがみのサイン)
電気や水道は、工具なしで外せるつなぎ方にしておくのが車両の条件ですが、揺れのあとは外れていないかも確かめます(電気・水道の接続)。台風や地震の被害に保険で備えられるかは、契約の内容で変わります(トレーラーハウスの保険)。
また、トレーラーハウスは、災害で家が住めなくなったときに、自宅の敷地に置く仮住まいとしても使われています。ふだんは離れや事務所に使い、いざという時に住まいにする考え方はトレーラーハウスの仮設住宅とは?で紹介しています。
よくある質問
トレーラーハウスは台風で飛ばされませんか?
重さのある車体で、固い地面にジャッキで支えて置けば、簡単に動くものではありません。ただし、地面がやわらかい、風を長い面に受ける、ジャッキが弱いといった条件では、傾きや傷みが出ることがあります。置き方と点検で備えてください。
地震で倒れませんか?
揺れへの強さは、車体のつくりとジャッキの支え方、地面の状態で変わります。揺れのあとは、ジャッキの外れや傾き、配管のつなぎ目を点検し、異常があれば使うのをやめて点検を頼んでください。
地面にボルトで固定してもいいですか?
強く固定すると「すぐ動かせる状態」とみなされず、建物として扱われることがあります。どこまでの固定なら車両として扱われるかは自治体が判断するため、設置の前に相談してください。
台風が来る前に別の場所へ移せますか?
移すことはできますが、牽引の手配や運搬の費用がかかり、台風の前は道路の状況も悪くなりがちです。置く場所選びと、片付け・戸締まりなどの準備で備えるのが基本です。
台風や地震の被害は保険で補償されますか?
契約の内容によります。住宅向けの火災保険は建物を前提にしていることが多く、トレーラーハウスが対象になるとは限りません。風災や地震の補償の範囲を、保険会社に確かめてください。
まとめ:強さは「置き方」と「点検」でつくる
トレーラーハウスの台風・地震への備えは、固い地面、曲がりにくいジャッキ、風を受けにくい向きといった置き方と、前後の点検が中心です。固定の方法は、車両として扱われる条件を保てるよう、自治体と相談して決めましょう。
YADOKARIでは、置く場所の条件に合わせた設置の方法をご相談いただけます。横浜・星川の展示場では、平日(月〜金曜日)10:00〜18:00に、予約制で実物の車体やジャッキのつくりを確かめられます。